orionの「みな、原罪の中で踊れ！」

orion@大戦 @0rion6157

今日は僕がいつも考えている「原罪」について。僕はシステムの中にはじめから取り組まれている矛盾のことを原罪だと思っている。

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教師の原罪は1流ではないこと（もちろん例外はたくさんある）。日本（多分世界も）の教育の大きな意義はエリート育成にある。1流の人物を育成することにある。ではその1流の人物が教師になるかというと、ならない。そして基本的になってはいけない。

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1流の人物が教師になると、そこに悲しいループが生まれてしまう。1流の人物には学校という箱庭から出て、社会を良くする、イノベーションする役割を担ってもらわなければいけない。

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では教師は自分が1流ではないからと開き直って良いかというと、絶対にそうではない。自分が1流でないと知りながらも、常に1流を指向してもがき続け無ければいけない。そこにシステム上の根本的な矛盾がある。

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こういった「原罪」は多分どこにでもある。僕が建築を勉強していたころは、本当に「今、この場所に必要な建築」を突き詰めていくと「何も建てないのがベスト」という解がどうしても見えてきてしまう。都市、環境、景観、すべてを考慮すると建築物の価値が揺らいでくる。

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建築はそもそもが人間のエゴであり、突き詰めると無い方がいいのかもしれない。だからといって人間が生活していく上で「建てない」という開き直りは許されない。そこに建築に「原罪」がある。

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考えれば考えるほど「原罪」は様々なところから顔を出す。「建てない方が良い」という原罪を振り払ったとしても、次には「自分でない誰かが建てたほうが良いのでは」という次の原罪が現れる。1流でないことを受け入れてもがいても、「自分より○○先生が授業したほうが良いのでは」という原罪が現れる

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次々現れる「原罪」の中でもがく。それは多分、村上春樹「ダンス・ダンス・ダンス」でいう「踊る」ということなのだろうと思う。1流でないことを知りながらも1流を指向しもがく。建てないほうが良いと知りつつも最善の建築を目指してもがく。傍から観ると滑稽かもしれないが、でも踊らればならない。

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それは突き詰めて考えると、人間の生自体が原罪にまみれているからである。結局のところ99.9％の人間は代替可能である。自分という存在になんの必然性もないという原罪がある。自分の存在意義をめぐって、代替可能であると知りながら、代替できない人間を指向するという矛盾の中で踊らねばならない

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完璧な人間はいない。完全なプロもいない。それは、いたるところに「原罪」があるからである。大切なことは、その絶望的に解決できない矛盾の中で必死に踊ることである。矛盾の前で開き直って（足を止めて）は絶対にいけない。そして、どこかしこにも原罪があるということを知ることである。

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「踊るんだ。踊り続けるんだ。 何故踊るかなんて考えちゃいけない。意味なんてもともとないんだ。 そんなこと考え出したら足が停まる。 （中略） 疲れて、脅えている。誰にでもそういう時がある。 何もかもが間違っているように感じられるんだ。だから足が停まってしまう。」

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「でも踊るしかないんだよ。それもとびっきり上手 く踊るんだ。みんなが感心するくらいに。 そうすればおいらもあんたのこ とを手伝ってあげられるかもしれない。 だから踊るんだよ。音楽の続く限 り。それも上手く踊るんだよ。みんなが感心するくらい。」村上春樹『ダンスダンスダンス』より

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自分が踊っているのが本当に滑稽に思える時がある。嘲笑されているように感じる時がある。でもやっぱり踊るしか無いんです。原罪の中で。

orion@大戦 @0rion6157

以上、「みな、原罪の中で踊れ！」ですた。