中原中也賞問題 - 詩人の城戸朱理氏のツイートとその反応

起こったこと。中原中也賞の選考委員の高橋源一郎さんが、候補の大江麻衣さんの作品をツイッターで紹介、反響を呼び、大江麻衣さんの詩集が「新潮」に掲載された。ところが作品に対する批判から若い詩人たちが反発、高橋源一郎氏は、なぜ、詩の権威のように振る舞うのかという批判が噴出した。 http://twitter.com/Kido_Shuri/status/17473097279 Togetter - 高橋源一郎氏による大江麻衣『夜の水』の朗読 http://togetter.com/li/8190 続きを読む
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@Kido_Shuri

ここで無粋な中原中也賞から派生した問題について。連投になります。御容赦下さい。

2010-07-06 21:19:25
@Kido_Shuri

中也賞選考委員の高橋源一郎さんが、候補作の大江麻衣さんを推奨、「新潮」7月号に大江さんの作品が掲載されたのが発端。大江さんの作品は素晴らしかった。しかし、批判も殺到。なぜか?

2010-07-06 21:22:31
@Kido_Shuri

私はそれを源一郎さんの大江さんの推薦文として書かれた「書かれるべき詩」のせいではないかと指摘しました。

2010-07-06 21:24:41
@Kido_Shuri

具体的には、次の箇所です。〈いま、この詩集を読み返すと、みんなが「書きたい詩」を書いている中で、大江さんは「書かれるべき詩」を書いたのだ、という思いが強い〉。ここで、「書かれるべき詩」が肯定的に、「書きたい詩」がいささか否定的に扱われているのは言うまでもないでしょう。

2010-07-06 21:28:58
@Kido_Shuri

なにせ「みんな」書きたい詩を書いていると言ったわけだから、この文章は、現代詩があらかたダメで、大江さんだけが素晴らしいといった印象を与えることになります。

2010-07-06 21:31:02
@Kido_Shuri

しかも、「みんな」という表現は、当然、現代の詩すべてに通じているという身振りを示すことに。

2010-07-06 21:32:50
@Kido_Shuri

年間、千冊近い詩集が刊行され、しかも、その9割以上が、自費出版、しかも、それこそ、大江さんの詩集がそうであるように、私家版も少なくない詩のあらかたに通じるのは、並大抵のことではないし、詩を愛するものならば、嘘なのが誰でも分かります。

2010-07-06 21:36:37
@Kido_Shuri

そうなると、なぜ、高橋源一郎は、詩に通じているふりをして、権威として振る舞うのかという批判が噴出するのも必至というもの。

2010-07-06 21:38:32
@Kido_Shuri

大江さんの詩を押し出したいばかりに、源一郎さんは扇情的な言い方をしたのだろうなというのは、痛いほど分かります。しかし、この文脈では、現代詩はぜんぶダメだが、大江さんは素晴らしいということにしかならない。それは無理だわwww。

2010-07-06 21:43:51
@Kido_Shuri

たとえば、ミリオンセラーの村上春樹は、いま、書かれるべき小説で、あとの作家は書きたいものを書いているだけと、誰がが言ったら、納得する人はいるでしょうか?

2010-07-06 21:46:19
@hisaterum

横から失礼します。権威として、というのは違うでしょう? ?? RT @Kido_Shuri そうなると、なぜ、高橋源一郎は、詩に通じているふりをして、権威として振る舞うのかという批判が噴出するのも必至というもの。

2010-07-06 21:47:16
@hisaterum

そもそも好きな詩、好きな詩人を推すのは当たり前なのでは。 それとも芸術は公正な多数決で評価されるものなのでしょうか? RT @hisaterum 横から失礼します。権威として、というのは違うでしょう? ?? RT @Kido_Shuri

2010-07-06 21:48:12
@Kido_Shuri

これでは、結局、高橋源一郎が、根拠もなしに詩に対して権威のように振る舞っているという批判を呼び、大江さんの作品にまで、まず否定的な見方が及ぶことになります。それは、源一郎さんの本意ではないでしょう。

2010-07-06 21:49:51
@Kido_Shuri

そもそも、「書きたい詩」「書かれるべき詩」という、なかなかインパクトある言い回しは、源一郎のオリジナルではありません。これは、7、8年前に「現代詩作家」を自称する荒川洋治さんが言い出したこと。

2010-07-06 21:56:18
@Kido_Shuri

荒川さんは、それを詩壇への批判として投げかけたのですが、結果は、逆に、では荒川さんの詩は「書かれるべき詩」なのかという疑問符の渦と爆笑にあらかたの人を導いたものでもありました。

2010-07-06 22:02:15
@Kido_Shuri

しかし、荒川さんの場合は、いかにトリックスターとして振る舞ったとしても、実作者として、自らが責任を負うことになる。それが、源一郎さんとの違いで、これでは権威として振る舞っていると批判が殺到しても仕方がないでしょう。

2010-07-06 22:06:20
@Kido_Shuri

その権威としての身振りが、大江さんの作品にまで反発を招いた理由だと、私は思います。それは、源一郎さんにとっても、「新潮」にとっても本意ではないはず。

2010-07-06 22:10:10
@Kido_Shuri

私個人の意見としては、大江麻衣さんの作品を読むことができたのは有り難かったし、大江さんの作品、ひいては現代の詩が、「新潮」の数千人の読者に触れてもらうことができたのは、貴重な機会だったと思っています。

2010-07-06 22:14:03
@Kido_Shuri

しかし、それが、大江さんの作品と関係ないところで、いらぬ反発を招いてしまったというのが、今回の問題でしょう。

2010-07-06 22:15:39
@Kido_Shuri

つまり、源一郎さんがこう書けば、何も問題はなかったわけです。〈少なからぬ人が「書きたい詩」を書いている中で、大江さんは「書かれるべき詩」を書いたのだ、という思いが強い〉。これならば、大江さんの詩だけが、ではなく、大江さんの詩も素晴らしいという意味になる。

2010-07-06 22:20:23
@Kido_Shuri

偽らざるところ、この問題は、本当は問題ではないのかも知れない。私の意図は、源一郎さんに責任をかぶせてw、大江さんの仕事を、もういちど、先入観のない評価の場所に連れ出すことです。

2010-07-06 22:30:57
城戸朱理(Kido Shuri) @Kido_Shuri

そして、この問題よりも、私が高橋源一郎さんの詩に対する姿勢で疑問に思うことが。これは、はっきり、批判ですが、これは、またツイートします。

2010-07-06 22:33:10
森川雅美 詩集『疫病譚』発売中。 @morikawamasami

@Kido_Shuri 同感です。源一郎さんの詩に関する態度にはいつも引っかかります。

2010-07-06 22:42:22
糖類の上 @tinouye

@Kido_Shuri どうして高橋氏が審査して選んだ作品を称揚して「権威」だとかいって非難されるのでしょう。それならそもそもどうしてあいつが審査員なのという問い掛けが先ではないでしょうか?さらに高橋氏が荒川氏の文章をあちこちで引用するように極めて意識的な用語借用だと思います。

2010-07-06 22:42:25
城戸朱理(Kido Shuri) @Kido_Shuri

@tinouye ツイートを遡って下さいね。私は今回の出来事は大歓迎です。若い詩人の批判も面白い。ただ、源一郎さんのすべて知っている素振りに無理があり、そこに生じた反発を解消して、次に向かいたいというのが本音です。ツイートを虚心に読んで下されば、分かると思うのですが。

2010-07-06 22:54:04