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【福島原発事故の国際的刑事責任Ⅰ】検証:ICCは福島原発事故関係者を裁き得るのか~現実的な課題の考察~ #国際刑事裁判所 #原発 #福島原発事故 #人道に対する罪 #保護する責任 #脱原発

福島原発事故に係わる刑事責任について国際刑事裁判所(ICC)に提訴しようという訴えを最近TL上で多く見かける。一語一句、ICCローマ規程の中身を把握している訳ではないが、国内の専門家の一人として知識を総動員して、提訴するに当たって市民社会が直面する現実的課題を考察してみた。以下はそのツイ録である。 質問 OR コメントは直接ください→ http://twitter.com/tkatsumi06j 【参考1】解説「APIC(特権免除協定)」とは 続きを読む
国際 訴追 補完の原則 司法共助 紫陽花革命 国際刑事裁判所 人道に対する罪 脱原発 特権免許協定 管轄権 保護する責任
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きっかけとなったツイート
. @handel000
国際刑事裁判所へ、権力による人道犯罪を提訴してはどうだろうか。1)原発事故発生時に放射能雲拡散の状況を知りながら住民を放置 2)加害を目的として被曝瓦礫の焼却拡大 3)高線量地への帰還奨励 4)原発事故の真相隠蔽/虚偽発表で被曝拡大 5)被爆食品の流通で内部被曝拡大
はじめに
💫T.Katsumi🎸 @tkatsumi06j
http://t.co/gfX2shgO 日本政府を人道に対する罪で国際刑事裁判所(ICC)に訴追する。私もずっと考えてきた可能性ではあるが、3つ課題がある。①大規模かつ組織的行為であったことの認定。②個人の刑事責任を特定する必要性。③補完性の原則に基づく国内での訴追の先行。続く
国際刑事裁判所に訴追を求める上での3つの課題
①大規模な組織的行為を認定する課題
💫T.Katsumi🎸 @tkatsumi06j
続き。まず①大規模かつ組織的行為であったことの認定。これには実体行為と相当の被害規模が求められる。被害規模が将来想定されるものであったら、その時点で実体行為として結びつかなくなる。政策として明確に結果が予期できる中で実施された場合、初めて組織的行為であったことが認定される。続く
②個人の刑事責任を特定する課題
💫T.Katsumi🎸 @tkatsumi06j
続き。②個人の刑事責任を特定する必要性。軍事的行為ではなかったため、どの政府担当官庁の中で決済権を持つどの人間が合理的な結果を承知しながら当該犯罪行為に繋がる命令を下したかが焦点となる。これを調査するには日本警察・検察当局の協力が必須となるが十分な協力が得られる担保はない。続く
③補完性の原則に基づく国内訴追先行の課題
💫T.Katsumi🎸 @tkatsumi06j
続き。以上の課題をクリアしても③補完性の原則に基づく国内での訴追の先行という訴追要件が立ちはだかる。即ち日本国内で十分な調査・捜査・訴追・裁判が行われた実績があれば、ICCは介入する根拠を失う。スーダン政府のように国内裁判を実施した場合、安保理の付託なしでは強制捜査はできない。
補足1:安保理による強制介入の可能性はどうか
💫T.Katsumi🎸 @tkatsumi06j
補足:国内管轄権を行使する場合があってもICCに強制介入する余地を与えるのが①締約国による安保理へのICC付託要請、もしくは②安保理独自によるICCへの付託決議の採択だ。①の可能性は日本がICC予算の最大の拠出国である為、可能性が低い。②は米国が拒否権を発動する可能性がある。続く
ICC予算の最大拠出国であることの障害
💫T.Katsumi🎸 @tkatsumi06j
続き。①締約国による安保理へのICC付託要請は、日本が予算の最大拠出国というカードを持っている前提では、それを上回る予算拠出を継続的に行う覚悟がない限り締約国にはできない選択だろう。考えられるのはEU加盟国による付託だが、そのためにはEU全体での財政担保が必要となる。続く
②米国が拒否権を発動する可能性
💫T.Katsumi🎸 @tkatsumi06j
続き。安保理の付託では②米国が拒否権を発動する可能性がある。同盟国として初めて日本の為に拒否権を行使することになるが、原子力産官複合体を保護することを米国政府が選択した場合は起こりえる。まだICC締約国でもないため、それを妨げる要素はない。日本の戦略的価値がここで判明するだろう。
💫T.Katsumi🎸 @tkatsumi06j
以上、安保理についての補足まで含め、福島原発事故に係わる犯罪行為の疑いで日本政府関係者(個人)をICCに訴追することは、①補完性の原則、②日本政府の協力、③安保理で付託されない可能性を考慮すると、「起こりえないであろう」と結論付けられる。乗り越えざる壁が多すぎるのである。了
補足2:日本政府の協力が得られない可能性の根拠
ICC特権免除協定(APIC)への未批准
拡散マニア◇兒玉 広記 @KodamaHiroki
@tkatsumi06j 素晴らしいツイートありがとうございます。全部リツイートさせていただきました。
💫T.Katsumi🎸 @tkatsumi06j
補足2。②個人の刑事責任を特定する必要性において「日本警察・検察当局の協力が必須となるが十分な協力が得られる担保はない」という推測を行ったことには明確な根拠がある。日本政府はICCへの司法共助を義務づける特権免除協定(APIC)を批准していないため法律上の義務がないのである。続く
ヨウ @Yosane0310
おはようございます。お帰りなさい。お疲れさまでした。。。やはり訴追は難しいのですね。 RT @tkatsumi06j: http://t.co/F0RWklHL 日本政府を人道に対する罪で国際刑事裁判所(ICC)に訴追する。私もずっと考えてきた可能性ではあるが、3つ課題がある。
💫T.Katsumi🎸 @tkatsumi06j
補足2続き。日本がICCに批准した07年以降から、市民社会は有志議員を通じて国会で政府にICCとの特権免除協定の批准を求めてきた。しかし政府側は自民党政権時から一貫して、ICC施行法によりこれは担保されているという答弁を繰り返し、国会に同協定の批准動議が提出されたことはない。了
終わりに
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コメント

💫T.Katsumi🎸 @tkatsumi06j 2012年7月16日
日本政府を「人道に対する犯罪」で訴追するに当たり、補完の原則が適用される際の問題がもう一つあります。今度まとめますが、それは国際刑事裁判所ローマ規程の管轄犯罪が、日本の法令上犯罪化されていないという問題。つまり通常の刑法で解釈でしか訴追できないということです。
💫T.Katsumi🎸 @tkatsumi06j 2012年7月16日
続き。即ち、日本の法律上、ICCの管轄犯罪である「戦争犯罪」「人道に対する犯罪」「大量殺害犯罪」(ジェノサイド)は、“存在しない犯罪”となり、その犯罪の諸要素が日本の刑法での定義に適合する時のみ訴追が可能ということになります。この点は重要です。
💫T.Katsumi🎸 @tkatsumi06j 2012年7月16日
続き。だから日本がICCに批准する時、日弁連を含む市民社会はICC管轄犯罪の国内犯罪化と特権免除協定の批准を強く求めてきたのですが、国内刑法で対応するという方針で政府に逃げ切られた結果、日本では「人道に対する犯罪」は厳密には裁けない犯罪となってしまったのです。
💫T.Katsumi🎸 @tkatsumi06j 2012年7月16日
ICC管轄犯罪の国内犯罪化の問題に関する政府(外務省・法務省)の見解は、こちらをご参照ください。参議院外交防衛委員会調査室「~国際刑事裁判所ローマ規程・国際刑事裁判所協力法案の国会論議」http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2007pdf/20070706003.pdf
💫T.Katsumi🎸 @tkatsumi06j 2012年7月16日
(参考)政府答弁1:麻生外相(当時)の答弁「(中略)なお、対象犯罪の一部について我が国で処罰できない可能性は、理論上はあり得るが、ICCが実際に管轄権を行使するのは、十分な重 大性を有する事案のみであるため、そうした可能性は実際には想定できない。」
💫T.Katsumi🎸 @tkatsumi06j 2012年7月16日
(参考)政府答弁2:松島大臣政務官「「十分な重大性というのは、ICCのこれまでの例でいうと、何千人という人に対する殺害などを指している」「このことを踏まえると、理論上、ICC規程の対象犯罪のうち我が国の国内法で処罰できないようなものがあるとしても、ICCが管轄権を行使することは想定されない」
💫T.Katsumi🎸 @tkatsumi06j 2012年7月16日
(参考)政府答弁3:水野副大臣(当時)「刑罰は、人の生命、自由、財産を剥奪することを内容とする制裁であることから、必要やむを得ない場合においてのみ適用されるべきだとの謙抑主義の要請も考慮する必要があり、ICC規程と現行法の間に理論的には差異は認められるが、そのわずかな間隙を埋めるため新たな罰則を設けるまでの必要は現在ないと考えている」
💫T.Katsumi🎸 @tkatsumi06j 2012年7月17日
@lovelovesarah さんのやりとり追加し、まとめを更新しました。
ぱんでくてん@開戦宣言 @pandecten 2012年7月22日
そもそもローマ規定の第7条にあてはまる行為が、福島第一原発事故でありましたか? 条文上該当する行為が存在しないのですが?
nekosencho @Neko_Sencho 2012年7月22日
そもそも個人や企業の責任っていったって、賠償関連なら現在でも着々とすすんでるし(遅いとかはあるけど)、単に悪者にしたいってだけなら、原因追求や今後に向けての対策の障害にしかならないのではないか いったい何を求めて何のために提訴したいのかがさっぱりわからない
💫T.Katsumi🎸 @tkatsumi06j 2012年7月23日
Neko_Sencho それは国内向けの話ですね。国際的な賠償はまだアジェンダにすら上がっていないと思います。それはそうでしょう。海洋汚染の被害予測すら事業者も規制当局も行ってないのですから。原因追及や今後の対策という意味では、1年経ってもなんら対策の改善も安全基準の向上も行われていないのが現状です。
💫T.Katsumi🎸 @tkatsumi06j 2012年7月23日
Neko_Sencho 「何のために」は勿論は再発防止と処罰のためだと思います。国会事故調報告により事故関係者(事業者・規制当局)の過失は明らかになっていますが、刑事責任は問われていません。また産業と司法が癒着している現状では問われない可能性もある。それでは納得できないのも当然でしょう。
nekosencho @Neko_Sencho 2012年7月23日
tkatsumi06j 処罰をがっつくのは、今後のための対策がおろそかになる恐れがあるので賛成できませんね。「こうやればよかった」が出にくくなりますから。仮に今後日本が原発使わないにしても、他国ではむしろ増えるので、今回の貴重な経験は原発安全性の向上に生かすほうが、はるかに人類のためだと思いますよ
💫T.Katsumi🎸 @tkatsumi06j 2012年7月23日
Neko_Sencho それは現時点でも規制当局及び電力事業者に原発安全性向上に向けた明確な改善の意思があればの話です。実際は事故後1年経ってやっと国会事故調報告(民間事故調報告はやらせ)で「規制の虜」が要因となって十分な予防も対応もなされなきあったことが明らかになったんです。各国はすでに独自に教訓を生かして安全対策を強化しています。それを行ってないのは当事国の日本だけです。
💫T.Katsumi🎸 @tkatsumi06j 2012年7月24日
tkatsumi06j 民間事故調の最終報告、本日出揃いました。やはり現行の安全対策では十分ではないというのが現時点での最終評価となりました。規制当局・電力事業者双方に反省と改善が足りていません。http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120723/t10013782021000.html
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