【福島原発事故の国際的刑事責任Ⅰ】検証:ICCは福島原発事故関係者を裁き得るのか~現実的な課題の考察~ #国際刑事裁判所 #原発 #福島原発事故 #人道に対する罪 #保護する責任 #脱原発
- tkatsumi06j
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きっかけとなったツイート
国際刑事裁判所へ、権力による人道犯罪を提訴してはどうだろうか。1)原発事故発生時に放射能雲拡散の状況を知りながら住民を放置 2)加害を目的として被曝瓦礫の焼却拡大 3)高線量地への帰還奨励 4)原発事故の真相隠蔽/虚偽発表で被曝拡大 5)被爆食品の流通で内部被曝拡大
2012-07-16 05:15:44はじめに
http://t.co/gfX2shgO 日本政府を人道に対する罪で国際刑事裁判所(ICC)に訴追する。私もずっと考えてきた可能性ではあるが、3つ課題がある。①大規模かつ組織的行為であったことの認定。②個人の刑事責任を特定する必要性。③補完性の原則に基づく国内での訴追の先行。続く
2012-07-16 08:57:59国際刑事裁判所に訴追を求める上での3つの課題
①大規模な組織的行為を認定する課題
続き。まず①大規模かつ組織的行為であったことの認定。これには実体行為と相当の被害規模が求められる。被害規模が将来想定されるものであったら、その時点で実体行為として結びつかなくなる。政策として明確に結果が予期できる中で実施された場合、初めて組織的行為であったことが認定される。続く
2012-07-16 09:02:00②個人の刑事責任を特定する課題
続き。②個人の刑事責任を特定する必要性。軍事的行為ではなかったため、どの政府担当官庁の中で決済権を持つどの人間が合理的な結果を承知しながら当該犯罪行為に繋がる命令を下したかが焦点となる。これを調査するには日本警察・検察当局の協力が必須となるが十分な協力が得られる担保はない。続く
2012-07-16 09:05:41③補完性の原則に基づく国内訴追先行の課題
続き。以上の課題をクリアしても③補完性の原則に基づく国内での訴追の先行という訴追要件が立ちはだかる。即ち日本国内で十分な調査・捜査・訴追・裁判が行われた実績があれば、ICCは介入する根拠を失う。スーダン政府のように国内裁判を実施した場合、安保理の付託なしでは強制捜査はできない。
2012-07-16 09:08:54補足1:安保理による強制介入の可能性はどうか
補足:国内管轄権を行使する場合があってもICCに強制介入する余地を与えるのが①締約国による安保理へのICC付託要請、もしくは②安保理独自によるICCへの付託決議の採択だ。①の可能性は日本がICC予算の最大の拠出国である為、可能性が低い。②は米国が拒否権を発動する可能性がある。続く
2012-07-16 09:14:08ICC予算の最大拠出国であることの障害
続き。①締約国による安保理へのICC付託要請は、日本が予算の最大拠出国というカードを持っている前提では、それを上回る予算拠出を継続的に行う覚悟がない限り締約国にはできない選択だろう。考えられるのはEU加盟国による付託だが、そのためにはEU全体での財政担保が必要となる。続く
2012-07-16 09:17:50②米国が拒否権を発動する可能性
続き。安保理の付託では②米国が拒否権を発動する可能性がある。同盟国として初めて日本の為に拒否権を行使することになるが、原子力産官複合体を保護することを米国政府が選択した場合は起こりえる。まだICC締約国でもないため、それを妨げる要素はない。日本の戦略的価値がここで判明するだろう。
2012-07-16 09:21:23以上、安保理についての補足まで含め、福島原発事故に係わる犯罪行為の疑いで日本政府関係者(個人)をICCに訴追することは、①補完性の原則、②日本政府の協力、③安保理で付託されない可能性を考慮すると、「起こりえないであろう」と結論付けられる。乗り越えざる壁が多すぎるのである。了
2012-07-16 09:26:37補足2:日本政府の協力が得られない可能性の根拠
ICC特権免除協定(APIC)への未批准
補足2。②個人の刑事責任を特定する必要性において「日本警察・検察当局の協力が必須となるが十分な協力が得られる担保はない」という推測を行ったことには明確な根拠がある。日本政府はICCへの司法共助を義務づける特権免除協定(APIC)を批准していないため法律上の義務がないのである。続く
2012-07-16 09:31:21おはようございます。お帰りなさい。お疲れさまでした。。。やはり訴追は難しいのですね。 RT @tkatsumi06j: http://t.co/F0RWklHL 日本政府を人道に対する罪で国際刑事裁判所(ICC)に訴追する。私もずっと考えてきた可能性ではあるが、3つ課題がある。
2012-07-16 09:31:34補足2続き。日本がICCに批准した07年以降から、市民社会は有志議員を通じて国会で政府にICCとの特権免除協定の批准を求めてきた。しかし政府側は自民党政権時から一貫して、ICC施行法によりこれは担保されているという答弁を繰り返し、国会に同協定の批准動議が提出されたことはない。了
2012-07-16 09:34:18