表象文化論学会・第7回研究発表集会後の石岡良治氏と宮本大人氏の対話

@yishioka=石岡良治氏 @hrhtm2011=宮本大人氏
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リンク kasamashoin.jp 笠間書院 kasamashoin ONLINE:表象文化論学会・第7回研究発表集会(2012年7月7日(土)/7月8日(日)、東京大学駒場キャンパス) 日本語・日本文学の研究書を刊行する出版社、笠間書院のブログ。

・リヴォルヴィング・エボリューション──アニメーション表象の新世紀
13:00-15:00(12:30 開場)
第I部 シンポジウム
「幾層ものレイヤーが蠢く──トマス・ラマール『アニメ・マシーン』から出発して」
【ディスカッサント】
トマス・ラマール(マギル大学)
津堅信之(京都精華大学)
石岡良治(批評家)
・司会:土居伸彰(東京造形大学)

Yoshiharu ISHIOKA @yishioka

本日の表象文化論学会での発表では、昨年『ユリイカ』(2011年11月増刊号)で書いた『まどか☆マギカ』論「魔法少女たちの舞台装置」をてがかりにして、トマス・ラマール氏の『アニメ・マシーン』から得た示唆について話す予定です。よろしくお願いします。

2012-07-07 07:20:12
MIYAMOTO,Hirohito @hrhtm2011

第1部のシンポジウムは、パネリストのお三方それぞれ興味深い問題提起というか、概念の提示をされていて、漫画の研究にも刺激的だと思ったんだけど、その後のディスカッションが、俺が期待してたのと違う方向に流れて行ったので、思わず真っ先に手を上げて質問してしまうという失態を演じた。

2012-07-07 17:59:34
MIYAMOTO,Hirohito @hrhtm2011

こっそり入ってさっさと帰るつもりだったのに、目立つは質問もいまいち空振りだわで、なんだかもう。

2012-07-07 18:00:35
Yoshiharu ISHIOKA @yishioka

表象文化論学会での昨日の発表を聞いていただいた方々、ありがとうございました。事例が『まどか☆マギカ』であったことについての導入と、高速しゃべりになってしまったことについては、もう少し工夫が必要だと痛感しました。

2012-07-08 12:09:49
Yoshiharu ISHIOKA @yishioka

@hrhtm2011 土曜日はありがとうございました。私の回答が曖昧だったことが気になっていました。原作をもつ作品が「アニメ化」された時に、マンガ(ゲーム、ノベルetc.)がもつ時間や空間がどう変容するのかという、広義のアダプテーションは重要であり、考察を続けていきたい問いです。

2012-07-10 11:40:19
MIYAMOTO,Hirohito @hrhtm2011

石岡さん、レス遅くなりました。土曜日の表象文化論学会、お疲れ様でした。たいへん刺激的な発表でした。 RT @yishioka 土曜日はありがとうございました。私の回答が曖昧だったことが気になっていました。///

2012-07-11 22:26:36
MIYAMOTO,Hirohito @hrhtm2011

そうですね。 RT @yishioka 原作をもつ作品が「アニメ化」された時に、マンガ(ゲーム、ノベルetc.)がもつ時間や空間がどう変容するのかという、広義のアダプテーションは重要であり、考察を続けていきたい問いです。

2012-07-11 22:27:52
MIYAMOTO,Hirohito @hrhtm2011

シンポでのラマールさん、津堅さん、石岡さんのご発表はそれぞれ興味深く、またラマールさんの著作から発せられた問いに答えるシンポだったので当然ですが、「レイヤー」「フレーム」といった概念を介した問いをみなさんなさっていて、漫画について考える上でも刺激的でした。 @yishioka

2012-07-11 22:30:57
MIYAMOTO,Hirohito @hrhtm2011

私の質問は、漫画もまた「レイヤー」や「フレーム」というコトバで分析できる表現上の特性を持つけれど、そこでそれらの語彙が指す事柄は、ラマールさんがアニメーションについてそれらの語彙を使って指示している事柄とは、異なりますよねということと(続く) @yishioka

2012-07-11 22:33:43
MIYAMOTO,Hirohito @hrhtm2011

(続き)異なるとしても、しかしまた重なる部分もないわけではないように思えるので、そうした点について、お三方がそれぞれお考えのことがあれば、ヒントとしてお話しいただきたいということでした。特に石岡さんが「フレームの複数性」という言い方をされていたのは(続く) @yishioka

2012-07-11 22:35:43
MIYAMOTO,Hirohito @hrhtm2011

(続き)「フレームの不確定性」のことも念頭にあったのことではと思ったので、その辺をお聞きしたかったのでした。もちろん、大変大きな理論的な問いですので、アイデア程度で、という感じでした。 @yishioka

2012-07-11 22:37:03
Yoshiharu ISHIOKA @yishioka

@hrhtm2011 こちらもお返事が遅くなりました。まず、私自身の最近の関心として、20世紀に各分野で広まった「メディウム・スペシフィック」の確認作業がもたらした功罪の検証があります。その際、フレームやレイヤーといった語は、単一の領域にとどまらないところに意義があると考えます。

2012-07-13 17:35:28
Yoshiharu ISHIOKA @yishioka

ある表現領域に固有なものを見出すこと(マンガ、アニメ、等の固有性)は、当該分野の歴史を考える際に不可欠な作業ですが、それが純粋に記述的なものとして完結することは稀で、多くの場合は「規範」を形成します。「〜の要素ばかりを見ていると表現の本質を取り逃がす」といった批判の根拠とされます

2012-07-13 17:41:01
Yoshiharu ISHIOKA @yishioka

「わかっているのか」を問い詰められた時の確信はありませんが、いくつかの分野で「本質」とされる特質や、その規範性に基づく議論をそれなりに学習して気付いたことがあります。それは作家が「媒体の固有性」を達成してみえるときにも、実際には固有性に挑戦しているケースが多いことです。

2012-07-13 17:48:23
Yoshiharu ISHIOKA @yishioka

例えば手塚治虫は、マンガを用いてディズニーアニメーションの持つ様々な「質」を実現したかった面があると考えていますが、その際に「フレームの不確定性」に直面し、活用することで「マンガに固有な表現」に結果的に到達した、と言えるのではないでしょうか。伊藤剛さんの本からの感想です。

2012-07-13 17:55:56
Yoshiharu ISHIOKA @yishioka

私がラマールさんの考察を受けて述べたのは、正確には「フレームの複数性」というより「複数の参照枠multiple frames of reference」ですが、この議論は私見では、日本のアニメにおける、マンガなどの表現領域との関係(和製リミテッドアニメ)を意味すると考えます。

2012-07-13 18:01:10
Yoshiharu ISHIOKA @yishioka

「複数の参照枠」の議論は、ジブリアニメと『ナディア』を比較したところで現れており、私はここから、TVシリーズという一種の「連続ドラマ形式」に特有の、場面や展開の複数性を見出しました。

2012-07-13 18:07:43
Yoshiharu ISHIOKA @yishioka

『まどか☆マギカ』の分析事例が、場面ごとのレイヤーの話(粘土のフラット化、魔女空間のコンポジティング等)と、場面間の飛躍を可能にするフレームの話(話数をまたぐ決意、魔女への移行、等)の両方だったため、やや複雑な議論になっていたかもしれません。

2012-07-13 18:12:11
Yoshiharu ISHIOKA @yishioka

いずれにせよ、アニメとマンガ、そして映画では「フレーム」によって示唆される事柄が違うのはもちろんのことですが、私が今興味を持つのは、そんな差異などないかのようにして作家が強引に別分野の達成をシミュレートした結果、新たな表現が生まれることも多々あるという現象です。

2012-07-13 18:16:38
Yoshiharu ISHIOKA @yishioka

表現領域の固有性テーゼは、固有性を無視しているかのような事例によって試され、問い直されるのだと思います。

2012-07-13 18:18:28
Yoshiharu ISHIOKA @yishioka

@hrhtm2011 改めておたずねしたいのは、宮本さんが想定していたマンガの実例ですね。コマの用い方、時間や空間の操作に変化が見られるというお話は興味深いものでしたが、シンポジウムの主題がアニメということもあり、当日は自重していました。

2012-07-13 18:22:20
MIYAMOTO,Hirohito @hrhtm2011

これは本当に重要な論点ですよね。 RT @yishioka 表現領域の固有性テーゼは、固有性を無視しているかのような事例によって試され、問い直されるのだと思います。

2012-07-14 23:38:43
MIYAMOTO,Hirohito @hrhtm2011

例えば学部生の頃の僕は、手塚治虫が漫画にしかできない表現技法を発明したことによってではなく「映画的技法」の導入によって評価されていることに、「何言ってんだ?だからマンガ研究は遅れてんだよ」と思っていましたが、今ならそのことを積極的に捉え返せます。

2012-07-14 23:40:43