「神の粒子」の元ネタ

ヒッグス粒子が「神の粒子」とメディアで呼ばれる事があるのを、物理学者の多くは苦々しく思っている(と思う)のですが、元ネタを調べた例は初めて見たのでayafurutaさんのツイートをまとめておきます。 下に出てくる、"God Particle"という題の本を書いたレオン・レーダーマンは「ニュートリノビーム法、およびミューニュートリノの発見によるレプトンの二重構造の実証」によって1988年にノーベル物理学賞を受賞した実験物理学者です。(トンデモとかでは全くないです。)レーダーマン本人はユダヤ系の無神論者とのことです。バベルの塔は旧約聖書の話なのでユダヤ教、キリスト教共通のもの。
20
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

これも洋の東西を問わないんだな。科学者は大抵「神の粒子」って呼び方、嫌いだと思う。http://t.co/hP82bAPz

2012-07-17 07:42:08
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

ふむ。レーダーマン自身は必ずしもGod Particleって名前、嫌いじゃなかったみたいだな。あの逸話も、むしろジョークなのかもかもしれない。ちょっと調べる。

2012-07-17 08:39:52
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

話題のレーダーマンの著書"God Particle” に、ちゃんと種明かしが書いてあった。例の「出版社に言われたから云々」って逸話は確かに書いてあるけど、ほとんどジョークじゃないかな。

2012-07-17 09:59:32
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

「この粒子に"God Paricle"というニックネームをつけた。理由は2つ。ひとつは"Goddamn Particle"と呼ぶことを出版社が許してくれなかったから。多分こっちのほうがこの本のタイトルとしてはぴったりだったと思うけど」(続)

2012-07-17 10:02:15
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

「もうひとつの理由は、別のずっと古い本との関連からだ」。この「ずっと」はイタリックで強調されていて、つまり聖書のことだ。(続)

2012-07-17 10:03:07
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

レーダーマンは創世記のバベルの塔、つまり天に到達しようとして神の怒りに触れ、言語をバラバラにされちゃったという逸話を引き、素粒子物理学の歴史と重ねている。(続)

2012-07-17 10:03:31
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

宇宙の始まりにはシンプルで美しく対称な物質しかなかったのに、今のような星やら銀河やらがごちゃごちゃと散らばる形になったのはなぜか。当初、研究者はすべてをすっきり説明する合理的な説明があると楽観してたけど、実はこれが難しくて、(続)

2012-07-17 10:04:16
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

「これじゃ先が見えん」という気になってきて、それなら宇宙の開闢を再現するでっかい加速器を作って、何が今の姿を作り出したのかを見つけてやろうということになったと。ただし、この加速器はLHCじゃなくて、執筆時に計画されていて、その後ポシャったSSCの方。(続)

2012-07-17 10:05:21
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

この章の最後で、レーダーマンは創世記のバベル塔の下りの書き直している。神は新たなバベルの塔を作って神の謎を解こうとする人間たちを見てため息をつき、「ならば彼らに神の粒子を与えよう。そうすれば私が作ったこの宇宙の美しさを知ることができるだろうと言った」。(続)

2012-07-17 10:06:12
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

「神の粒子」ってのはやっぱり、出版社じゃなくてレーダーマンの命名だね。出版社にしちゃ出来すぎだろうと私も思う。(続)

2012-07-17 10:06:44
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

以上、ソースはこれ。 http://t.co/mvowN4JF 間違いがあったら教えて下さい。 @Inoueian @kouheimorita

2012-07-17 10:08:57