(親愛なる読者の皆さん:再放送用として試験的に別で設置されていた#njslyr7r ですが、さる機関を通してタイムライン電子相互性をシミュレートしたところ、再放送中、本タグ#njslyr を用いても特に問題ないであるようなので、#njslyr7r は廃止される事に決まりました。)
2012-07-19 18:15:56「シンジケートは何でも知ってるぜ、運命に身を任せな!エエッ?悪いようにはしねぇよ……」ソニックブームは笑う。そして血走った目が急にすぼまり、猫なで声が再び恫喝に変わる。「断る理由はねェよな?断れば殺す。もっともその場合、殺す前に楽しませてもらう。俺様はどっちでもいいんだ」 1
2012-07-19 20:14:14「ヤモト=サン」ショーゴー……スーサイドが囁いた。「俺はただ一言謝りたかった。あの時。すまなかった。俺のせいだ。俺のせいでお前……すまなかった」「え……?」「イヤーッ!」振り返りざま、スーサイドは背後のソニックブームへ回し蹴りを繰り出した! 2
2012-07-19 20:17:37「イヤーッ!」ソニックブームは熟練のニンジャ反射神経でこれを見切り、ブリッジで蹴りを回避!「スーサイド!てめェ、スッゾオラー?」「ヤモト=サン!行け!とにかく行けッ!」スーサイドは叫んだ。「イヤーッ!」「イヤーッ!」二者の両手がガッキと組み合い、力比べが始まった。「俺が殺る!」3
2012-07-19 20:20:48「ザッケンナコラー!テメェごときヒヨッコのジツが俺に効かねえ事は身に染みてわかってンだろうが!」ソニックブームが両手に力を込める!「俺様にとってテメェはただのカラテ・ニュービーの小僧なんだよ!」「イヤーッ!イヤーッ!」スーサイドが震えながら押し返す。ジャケットの背中が裂ける!4
2012-07-19 20:24:01「イヤーッ!ザッケンナコ……イヤーッ!イヤーッ!?」ソニックブームの恫喝めいた叫びに訝しさが混じる。スーサイドが押し返しているのだ!その両手が白い輝きを帯びている!「イヤーッ!イヤーッ!」「テメェコラーッ!テメェ、イヤーッ!?……グワーッ!?」ソニックブームがひるむ!5
2012-07-19 20:26:06「馴れて……来てやがるのか?コイツ!」「早く!早く行け!」スーサイドがヤモトを見た。「行けよ!いつまで持つかわからねえ……イヤーッ!」スーサイドがソニックブームに押し勝った!鯖折りめいて抱え込み、壁に叩きつける!「グワーッ!」さらに曲がり角の奥めがけて投げつける!「グワーッ!」6
2012-07-19 20:29:11ヤモトは505号室を急いで開いた。そして叫んだ「火事だ!」一瞬、目をパチクリとさせた四人であったが、ヤモトのただならぬ雰囲気を察すると、すぐに立ち上がった。「早く!逃げて!階段はあっちだ!」戦闘が起こっている曲がり角の逆方向へ四人を促す。「ヤモト=サン?」アサリがヤモトを見た。7
2012-07-19 20:31:29ヤモトはアサリの肩に触れた。「大丈夫……早く!」背後でかすかにスーサイドの「グワーッ!」という叫びが聴こえた。ヤモトは四人と共に非常階段を駆け下りる! 8
2012-07-19 20:33:343階、2階……そしてエントランス・ロビーだ。「お客様、会計がまだ……」「火事です!早く逃げて!」「アイエエエエ!?」ヤモトは四人について店外へ出る!その時だ!「……グワーッ!」頭上で絶叫が聴こえた。落下して来る声の主は……スーサイド! 9
2012-07-19 20:36:46割れた窓ガラスと共に落下して来たスーサイドは、五人のすぐ側の地面に激突した!「アイエエエエ!」ブナコが悲鳴をあげる。アサリはヤモトに駆け寄る。「この人……ショーゴー=サン?」10
2012-07-19 20:39:51スーサイドは起き上がろうとしたが果たせなかった。自分を覗き込む同級生たちを、霞む視界で捉えようとした。ヤモトの友達たちを。あれは同じクラスの、確かオカヨだったか。……名前はどうでもいい事だ。12
2012-07-19 20:43:03スーサイドは手を伸ばした。同級生たちへ手の平を向ける。スーサイドは自分の体が冷えていくのを感じる。脊椎を損傷しているかもしれない。致命傷か?失われつつある己の生命を維持するために、彼女らの生命を吸うのだ、パンク・ニンジャが与えた極めて利己的なジツ……アブソープション・ジツ……13
2012-07-19 20:45:11スーサイドはしかし、その手を下ろした。血を吐き出しながら「ヤモト=サン、お前は俺とは違う。友達がいるし、これから先の事も考えられる。だからダメだ、ソウカイ・ニンジャなんて、くだらねぇ」……さっき言えなかった言葉を言おうと試みたが、ほとんど声にならなかった。彼の意識は途絶えた。14
2012-07-19 20:48:26ヤモトはアサリの腕をつかんだ。「逃げて。皆で」「ショーゴー=サンは?それに火事とか……」「逃げて。アタイに任せて」「でも」「アサリ=サン」ヤモトはアサリをかき抱いた。そして額と額をつけた。「大丈夫。また明日ね。また明日会おう!」そして背後のカラオケ・ステーションを振り返る。 17
2012-07-19 20:54:44アサリはヤモトに従った。他の三人を促し、坂道を駆け下りていく。ヤモトはタラバー歌カニの「歌って!食べて!」のノレンを凝視する。やがてノレンをかきわけ現れたのはソニックブームである。ニンジャはヤモトを認めると目に喜色を浮かべ「逃げなかったのか?見上げた度胸じゃねえか、エエッ?」18
2012-07-19 20:57:50ヤモトはカバンを地面に投げ捨て、仁王立ちの姿勢をとった。その後オジギした。「ドーモ、ソニックブーム=サン。ヤモト・コキです」カバンからオリガミ用の和紙がこぼれ出た。風に煽られ、和紙がヤモトの周囲を舞う。それらがひとりでに折りたたまれ、ツルやイーグル、エイや飛行機の形をとる! 19
2012-07-19 21:01:38「やる気か、エエッ?」ソニックブームはせせら笑った。「サイキックのガキが」そしてカラテを構えた「その手のジツを使うニンジャなんざ、ソウカイヤにもザイバツ・シャドーギルドにも、幾らでもいるぜ。今も昔もニンジャはカラテを極めた奴が上を行く。身をもってわからせてやろうじゃねえか」20
2012-07-19 21:03:32