【7/20】 テーマ:〈575〉【#同題ssTB】
【空楓】「何を悩んでるの?」宿題。俳句を作らなきゃいけないの。「ハイク?」五文字、七文字、五文字で作る詩みたいな文かな。今考え中だからしばらく放っておいて。「Honey, miss you. See me?」575で纏めても駄目!季語入ってないし!!【575】 #同題ssTB
2012-07-21 12:37:46バニーが和歌だか俳句だかなんか知らないが“愛の歌”を贈る日本の昔の話を聞いたらしい。多分、折紙からの偏った知識だろう。俺に作れ…みたいな話になりそうだったから、速攻で拒否してやった。たった2文字の「好き」さえ苦労する俺に“愛の歌”なんて…冗談じゃない!【575】#同題ssTB
2012-07-21 08:03:40「タナバタ?」「はい、日本の伝統行事です。こうして飾り付けした笹や竹に願い事を書いた短冊を吊すんです。昔は短冊に書く願いを俳句にしていたそうです」「ハイク?」「俳句とは自分の気持ちを五七五の17文字にして綴るんです。」「へぇー…凄い。こて…「俺に振るなよ?(苦笑)」#同題ssTB
2012-07-21 07:52:53「虎徹さん、ジャパンには決まった文字数で愛の歌を贈る風習があると聞きました」「んあっ?…また随分遠い昔の話もちだしてきたなぁ」と貴方は苦笑い。「ーー虎徹さん、僕に…」「無理だからなっ!」言い終わるより先に拒否された。【575】#同題ssTB
2012-07-21 07:51:37街は掌を返す。炎天下に焼かれた渇いた壁面が凪ぐ事を忘れて吹きつけ、吹き下ろすビル風が私を拒み翻弄する夕暮れ時、彼女が泣いている様で胸が騒ぐ。 夕焼けに 狂うビル風 胸騒ぎ<575> #同題ssTB \宣/
2012-07-21 07:33:45世界で一番短い詩。日本では17文字で喜びを、悲しみを、愛を歌う。無制限の言葉ですら満足に伝えられない僕と違って、多分日本の血を持つ人々は一言で心を伝える魔法が使えるのだ。 「好きだ。」日系の虎徹さんも魔法使い。きっと、だから彼の一言は誰の言葉より僕に響く<575>#同題ssTB
2012-07-21 05:07:18ランニングマシンで走るキースを、バディが眺めている。「…まっすぐな道でさみしい」「は?」「詩みたいなもんだ。あいつを見てるとそう思う」「キースさんが?」「余計なお世話かもしんねえけど」お節介魔の虎徹さんをして、二の足を踏ませてしまう彼の姿勢は、確かに。 【575】 #同題ssTB
2012-07-21 03:16:57「6はどこに行ったんだい? 彼に居場所はないのかい?」 つっこめばいいのか、呆れればいいのか、笑えばいいのか、さげすめばいいのか、どうしていいのかわからず、いとおしんで、そして少しあわれんだ。/575 #同題ssTB
2012-07-21 02:36:16今日も彼はパトロールに行った。愛犬と留守番は慣れたけど。「空見上げ 遠き彼(か)の者 恋しくて 彼の者包む 風になれれば」寂しくて貴方のいる空を見上げて恋歌。「地を見ると 見上げる君が 恋しくて 君を迎えに 風となろうか」風が拐いに来るまで後5秒。/575(空折) #同題ssTB
2012-07-21 02:32:49朝。床に転がる575mlの最後の一本。ベッドの上には男が二人。体が重くて喉も痛いのに、僕は笑う。空になっても夢は醒めなくて、どれが使いやすいとか、匂いがいいのはとか。そして、量が少ないてことは一致した。数度重ねた夜。やっとこれが夢じゃないことを僕は認めた。/575 #同題ssTB
2012-07-21 02:06:46見られることで興奮する。そんな趣味がと考えられたのは最初だけ。彼が買ってきた数本のボトル。575ml掛けるいくつだろう。それをひとりで使い切るのはごめんだから僕は精一杯色を振り舞く。ひとりは楽しかったけど、これからふたり。この夢はいつまでかな。/575 #同題ssTB
2012-07-21 02:01:25間接照明の薄暗い中で白い体が浮かびあがる。長い指を差しこんで、頬が上気して息も熱っぽい。下手すりゃ大惨事だからって説得して解すところから教えてもらおうという真面目な心だったんだけど。すんません。もう限界。575mlボトルをつかんで手に開ける。やらせて。/575 #同題ssTB
2012-07-21 01:56:24彼が買ってきたのは575mlのボトルが数本。それぞれちょっとずつ種類が違う。なんでこんなにって言ったら、いろいろ試したくなってって笑う。それでニヤッとして言うんだ。「まずはぁ、お勉強のためにぃ、バニーちゃんがひとりでやるとこ見せて」蹴られたのは自業自得だ。/575 #同題ssTB
2012-07-21 01:51:17鈍く光る携帯の画面。毎度打っては消すの繰り返し。『今何してる?』『元気でやってる?』最初の文字を打つだけで現れる文字だけが全てだ。五文字と七文字、そういや俳句みたいだな。でも、最後の一言だけは一文字足りない。『会いたい』―バニー、 名前を足すと、字余り。<575> #同題ssTB
2012-07-21 01:48:40まず、キスをした。優しく、でもすぐに激しくなって。蕩けてしまった僕の腰を抱いてベッドに行き、耳元で熱く囁かれた。「やり方、教えて」そして気がつく。「575ml。で、あと何がいんの!」バタバタと駆けていく背中を見送って、何を悩んでたんだろうと僕は笑った。/575 #同題ssTB
2012-07-21 01:46:23「誰に使ってたの?」「それは…その」「恋人?」「いないです!」「じゃあ、誰?そういう仕事の」「違います!」「セフレ」「まさか!」「なら、もうひとりしかいないじゃん」この人はわかって言ってる。にやにやと声が笑ってる。575ml使いきったその先にこんなこと…/575 #同題ssTB
2012-07-21 01:43:17言われた言葉の意味がわからなくて、俺は足元に落ちた575mlのボトルを凝視する。あなたが好き、て俺のことが?じゃあこのボトルは何に使ったの?恋人じゃないんだったら…。見れば、バニーの耳が真っ赤だ。むくむくとわき起こってくる熱。ヤバイ。これはヤバイ。/575 #同題ssTB
2012-07-21 01:38:54恋人がいるなら俺は来ない方がいいな、と囁かれてびっくりする。いつもより低い、何かをこらえる声。僕は目を見開いて、それから恐る恐る背中に手を回した。びくり、と跳ねて逃げようとする体を抱き締めた。「あなたが好きです」575mlのボトルが落ちる軽い音がした。/575 #同題ssTB
2012-07-21 01:35:28愛してるという言葉に響き以上の意味はないのだとわかっている。書類を手伝って「愛してるよ、バニーちゃん」と言われれば失笑するしかない。それでも反芻するのはあの人の声だ。求める意味で囁かれることはなくとも記憶だけを辿る。夜の長さにあの人の熱を想い、慰める。 575 #同題sstb
2012-07-21 01:30:53震える体を抱きしめる。どうしてそんなに泣くんだよ。女がいたって俺はいいんだ。お前の側にいられるんなら笑って祝福してやるよ。ここにきて気がついてしまった薄暗い感情に目隠しをすることぐらいわけないさ。たった575mlのボトルに全てを持ってかれるなんてごめんだ。/575 #同題ssTB
2012-07-21 01:30:32どれだけ押しのけてもその体はびくともしなかった。自分の迂闊さを呪う他ない。知られたらそこで僕はその場所を失ってしまう。だから知られるわけにはいかなかった。たった575mlのボトルで、僕は今全てを失おうとしている。彼の気持ちも、僕の恋も、この腕の温もりも。/575 #同題ssTB
2012-07-21 01:27:22