「かーちゃんの力」に、こめられた想い。

 2012年6月8日に行われた「かーちゃんの力プロジェクト」(略称・かーぷろ)の渡邊とみ子さんによる、福島大学総合科目「ジェンダーを考える」での講義の概要を、聴講メモにそってまとめました。若干の解説付き。  福島県飯舘村などから避難した女性農業者たちの、ごく一部の人たちではありますが、今のすがたと想いを伝えられたらと思います。
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高橋 準 @myriel_june

6/8に行われた「かーちゃんの力プロジェクト」(略称・かーぷろ)の渡邊とみ子さんによる、福島大学総合科目「ジェンダーを考える」での講義、遅くなったのですが概要をツイートします。

2012-07-20 13:43:49
高橋 準 @myriel_june

渡邊とみ子さんは松川町の生まれ。1974年に見合いで結婚して、飯舘村に住むことになった。飯舘村での地域作りへの関わりが、いろんな活動の原点。

2012-07-20 14:14:24
高橋 準 @myriel_june

渡邊「当時、地域計画である四全総に、女性たちは口を出せないような状態。なんとか女性が活躍できる場が作れないかと考えてきた。」

2012-07-20 14:16:04
高橋 準 @myriel_june

渡邊「『平成の大合併』のときには、飯舘村合併協議会のメンバーになった。合併には反対の立場。村を残したい、と思っていた。よそから嫁いだ自分が意見を言うのは、たいへんだった。合併賛成側からのバッシングもあった。しかし、一度合併したら分離できないと思っていた。」

2012-07-20 14:17:38
高橋 準 @myriel_june

渡邊「結果、わずかの差で『合併しない』という結論に。だがそうして自立を選んだなりの苦労もある。基盤は農業。じゃがいものオリジナル品種の開発に取り組んだ。名前は『イータテベイク』。研究会に加わり、2005年には会長に。」イータテベイクはWeb検索でいろいろ情報が出てきます。

2012-07-20 14:20:19
高橋 準 @myriel_june

渡邊「結果、わずかの差で『合併しない』という結論に。だがそうして自立を選んだなりの苦労もある。基盤は農業。じゃがいものオリジナル品種の開発に取り組んだ。名前は『イータテベイク』。研究会に加わり、2005年には会長に。」イータテベイクはWeb検索でいろいろ情報が出てきます。

2012-07-20 14:20:19
高橋 準 @myriel_june

渡邊「原々種、原種栽培に合格して、たねいも生産のめどがたち、実用生産の直前までいっていた。その矢先に、震災が。全村避難するということになった。」

2012-07-20 14:22:17
高橋 準 @myriel_june

このあたり、メモが途切れがち。渡邊さんが積年の苦労が無に帰した当時を思い出していらっしゃるようすが、本当につらそうでした。

2012-07-20 14:23:29
高橋 準 @myriel_june

渡邊「避難先の長野県で、白馬村から書類を出し、土地を借りて栽培を続けようとした。しかし、時間がないなか、土のpHがあわなくて収量がとれなかった。また、育てる人手も足りない。自分も避難先から畑まで、30分かけて通った。夫が全面的に援助してくれた。」

2012-07-20 14:25:04
高橋 準 @myriel_june

そのほか「いいたて雪っ娘」の紹介も。こちらなどをご参照下さい。http://t.co/LWuxAQb0

2012-07-20 14:25:41
高橋 準 @myriel_june

「いいたて雪っ娘」はかぼちゃの品種です。

2012-07-20 14:28:08
高橋 準 @myriel_june

渡邊「原発事故があっていろんなことを感じた。かぼちゃ、じゃがいもの世話をしながら思いにふけった。自分の中での結論は「あきらめない」。こんなことを書いてみた。」http://t.co/4cpAHaOT

2012-07-20 14:29:24
高橋 準 @myriel_june

渡邊「そんなときに、千葉さん(福島大)から、『かーちゃんの力』プロジェクトの話が来た。もともと、あぶくま地域のかーちゃんたちのつながりはあり、それをベースにして活動を始めようと。」大黒さん、塩谷さんが発案、退職された松野さんのご協力もありました。

2012-07-20 14:30:49
高橋 準 @myriel_june

渡邊「2011年10月19日、プロジェクトスタート。人材をリストアップした。福島大学に部屋を借り、ケータイで連絡を取る。浪江町津島や、葛尾村にいた人など、ひとりひとりを訪ねて歩いた。」

2012-07-20 14:33:27
高橋 準 @myriel_june

渡邊「訪ねたかーちゃんたちは、みんな精神的にギリギリの状態だった。第一線で働いていた人が、『自分のところで作れない。だから何にもできない。』と。自分も経験したことだから、気持ちはわかった。」

2012-07-20 14:35:30
高橋 準 @myriel_june

渡邊「がんばって、20人ぐらいのかーちゃんたちを集めた。11月22日に最初の会議。しかし、みんな感極まって泣いてしまうような状態。この人たちに、もう一度生きがいを取り戻させたい、と思った。」

2012-07-20 14:36:27
高橋 準 @myriel_june

渡邊「11月はじめから、現在の連絡先である『あぶくま茶屋』に事務所を借りた。福島大の学生さんたちの力も借りた。とにかく、ないないづくしの状態ではあったが、これまで使っていた『までい工房』の設備を移動した。」

2012-07-20 14:37:50
高橋 準 @myriel_june

渡邊「最初に取り組んだのが、『結もちプロジェクト』。放射能のことはもちろん気になる。独自の基準を考えようと思った。いいたて雪っ娘を売ろうと思って直売場へ行った時に、「いいたて」の名前を出すなら安全基準をと言われていたので。」

2012-07-20 14:39:38
高橋 準 @myriel_june

渡邊「思い切って、20Bq/kgということにした。周囲からは「厳しくないか」と言われた。しかし、この厳しい基準でやっていくのだという姿勢を決めた。」

2012-07-20 14:40:21
高橋 準 @myriel_june

渡邊「地べたをはって、野菜を作って、手数をかけて加工をしている。作ったものを1キロ、検査に出すのもたいへん。お金の点でも、労力でも。そして、検査に出したものは、ぐちゃぐちゃになって戻ってくる。それを見ると涙が出てしまう。」

2012-07-20 14:41:32
高橋 準 @myriel_june

渡邊さん、GCMふくしま(7/15)の第三部でも登壇されました。このときは、その「ぐちゃぐちゃ」になった、検査済みの商品が入った袋を持っていらっしゃいました。

2012-07-20 14:42:37
高橋 準 @myriel_june

渡邊「それでもいいこともある。あぶくま茶屋で集まっていると、みんなに笑顔がはじける。もちろん、無理をしているところもあるだろう。だがそれも、みんなでいると忘れられる。」

2012-07-20 14:43:43
高橋 準 @myriel_june

渡邊「イベントの企画は、提供型(作って配る)から参加型(みんなで作る)を中心に。借り上げ住宅の住民が集まれるものも。回を重ねていくごとに、やりとげたという実感、自信につながってきた。」

2012-07-20 14:46:02