安保反対運動の証言――『世界』1960年11月号から

 1960年、日米安全保障条約の改定をめぐって、反対運動が大きな盛り上がりを見せました。運動に参加したひとびとはどのような思いから運動に参加したのでしょうか。当時の様子やひとびとの考えについて、『世界』誌が原稿を募集、選考の上、掲載した記事を紹介します。 出典: 「安保闘争に参加して」 『世界』1960年11月号 続きを読む
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「1960年のころは、学生デモ隊はまだヘルメットなしだった。もちろん角材などの『武器』もない」(『朝日クロニクル 週刊20世紀1960年』, 1999年) http://t.co/c68uZyg9

2012-07-21 11:17:13
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[paper] 山本隆介「偉大な闘争のひろがり」(静岡県 民商事務局員 31歳) 『世界』1960年11月号, pp.305-8

2012-07-21 10:38:00
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「私が安保反対闘争にほんとうに参加したのは、昨年〔1959年〕十一月『世界』が出した安保問題ハンドブックを読んでからだ」(ibid., p.305)

2012-07-21 10:40:53
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「それまでにも私は市内で行われた安保改定反対の集会、デモにはいつも参加していたしやごく限られた人たちにではあったけれども安保改定がもたらす危険さについて自分が知っていることを話し、関心をもってもらうよう務めていた」(ibid., p.305)

2012-07-21 10:41:31
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「だが反対する最大の理由は安保が日本にとって、私の精神と肉体にとって破局的な危機をもたらすものだという認識にある以上、*はっきり自覚し、それに怒りを感じ、危機を払いのけるために行動しようと思った時こそ私は私の安保反対闘争参加の出発点だと思っている」(ibid., p.305f)

2012-07-21 10:42:19
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「それではなぜ私はそれまでほんとうには参加していなかったのだろう。その理由について考えると私はこれからも私が警戒しなけれぼならないかなり危険な一つの傾向を発見する」(ibid.,p.306)

2012-07-21 10:43:05
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「私の中には私が社会主義こそが私たち日本人を幸福にすると確信をもったときから、いつも『保守党のやることなんかにロクなことはない』という侮辱と反発感が強く流れている。*安保反対のデモ、集会に参加していながら、安保の中身と真剣にとり組まなかった*」(ibid., p.306)

2012-07-21 10:44:25
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「安保が私にとって切迫した危機感として捉えられたとき、私は自分が民商の事務局員であることをとても幸福に思った。同時に共産堂員として、まだ参加していない人、参加しそうにもない人たちのことがより一層気になり始めた」(ibid., p.306)

2012-07-21 10:45:13
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「私が民商という苛酷な税制に抵抗する民主団体の事務局員であることを幸福に思ったのは、安保に対する自分の怒りを表現するための参加、打破するための反対闘争の多様な行動にいつもラクに参加できる条件にあったからだ」(ibid., p.306f)

2012-07-21 10:45:57
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「デモや集会に参加するためにだけでも安保反対闘争以前のたたかいを職場でねばり強くへて来なければならなかった労働者や、*デモや集会には参加できないでいる人たちをたくさん知っていたし、彼らがどんなにそのことを残念に思っているかを知っていた」(ibid., p.307)

2012-07-21 10:47:51
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「参加したいと思った人たちがすべて参加できていたら私はもっと幸福に、そして参加など考えてもいなかった人たちまでが応戦に参加するようになっていたら、多分私は完全に幸福だっただろう。*そのときは*目の前で私たちは勝利を獲得で·きたに違いないと思うからだ」(ibid., p.307)

2012-07-21 10:48:59
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「最近、農村のカベという声が盛んに叫ばれている」「だが安保阻止にたちふさがったカベは農村だけだっただろうか」(ibid., p.307)

2012-07-21 10:50:19
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「一人でも多くの人が、というのは安保反対闘争に参加した私たちの痛切な願いだったと思う。反対の質には*鈍感な自民党政府に対しては圧倒的な量の反対こそが最良の武器だったはずだから。量の増大は*〔それだけでなく〕参加した私たちの士気を高め、自らの行動に確信を持たせる」(ibid.)

2012-07-21 10:52:55
dabitur @dabitur

「参加者が自らの力を意識するのは激しい闘争形態をとるときだろうか。それとも自 分の回りに大量の目的を同じくした参加者を持っているときだろうか。断定はさけたい。私の場合は後者だった」(ibid., p.307)

2012-07-21 10:53:43
dabitur @dabitur

「国鉄ストのピケに立ち、横にして他の労働者たちと握りしめていた旗竿がズタズタに引きちぎれる程、公安官の排除行為を防いだ時より、東京の道路をうめつくしたデモの中でより強く力を感じた」(ibid., p.307)

2012-07-21 10:54:22
dabitur @dabitur

「私が*接しているのはいわゆる商人と呼ばれる人たちだ。税金が高いという点では完全に不満が一致し、その為にはみんなが固まらなければという考え方でも*他の政治的問題になるとDK(無回答)層ともいうべき会員たち*私はこの人たちがなぜ政治に無関心なのかもかなり理解している」(ibid.)

2012-07-21 10:57:01
dabitur @dabitur

「ある会員の家の座敷で帖簿をみていたとき、店に会員の取引先の客が来た。その客は*『全くこの頃の学生はけしからん、政府のやることに反対ばかりして、第一安保が通らんと日本はすぐソ連に占領されてしまいますよ』と言葉も荒く会員に話しかけだした」(ibid., p.308)

2012-07-21 10:58:24
dabitur @dabitur

「私はそのとき*店と座敷の賛成派と反対派にはさまれた会員にひどく同情した。こうした立場にぶつかる商人である会員たちが参加できる条件、私はその時、反対することが普通と思われるほどの斗争の量的盛り上がりじゃないだろうか、と思った」(ibid., p.308)

2012-07-21 10:59:03
dabitur @dabitur

「安保は阻止できなかった。それは事実だ。だが反対闘争は安保に反対するのが普通という点にかなり近くまで盛上ったことも事実ではないだろうか。私の想像を遙かに超えた事実を現実として体験し、そこに可能性を見出して私はむしろ明るく未来をみつめる」(ibid., p.308)

2012-07-21 10:59:34