「おお!雪だー!」駆け出す目の前の三十路女を可愛いと思うのは今にはじまったことじゃない。てか走りすぎじゃね?…あ、転んだ!「見ろ!雪に体の跡付いた!」「ずるいな!俺も付ける!」あー冷てぇ!でも気持ちいい。気持ちいいついでに言ってしまうか「なぁ、結婚するか」 #twnovel
2010-01-13 13:59:24びっくりした。あんなこと言われると思わなかったから、雪に埋めて逃げてきた。顔が赤いのは寒さのせいか、あの言葉のせいか。てか、あいつ馬鹿じゃないのか。うん、馬鹿だ。欲しかったものなのに、いざ投げつけられると手にしていいかわからないと言うのはわがままだろうか。 #twnovel
2010-01-13 21:01:01「兄さん、風邪ひいてます」「原因は私です」「雪に埋められて、しばらくそのままいたそうです」「馬鹿か」「馬鹿です。二人とも」「思い付いたみたいにプロポーズなんかするから」「何年も考えてたけど言えなかったんでしょう」「高校の頃の戯言を真に受けるから」「だから馬鹿なんです。二人とも」
2010-01-14 19:04:43「嫌なら断ればいいじゃん」やだやだこれだから男は!お前に相談したじゃん!昔は嫌だったけど今は結婚したいって!ヘタレ恋人と同じ年月友達やってきて、今更私たちが別れてどんな気分になるか考えてみろ!恋人の妹には毒を吐かれる。その旦那はボケかます。私は結婚が何かわからなくなる。頭痛いな。
2010-01-14 21:31:50「知りませんよあんたらの求婚事情なんて」と双子の兄。「何で躊躇ってるのかがよくわかりません」と双子の弟。「そんな、他人に相談しても答えの出ないことで泣きつかれても」「むしろ欲しい物を手に入れてはしゃいでるようにしか見えないんスよ」あああ交互に攻撃するな!「あんた、乙女か」痛い!
2010-01-15 13:42:51「お前が俺とどういう関係でいたいかだよ」思った以上の早さで回復した恋人は、雪に埋めて逃げたことを気にもしてない風で、さらり。「一生恋人でいたいならそれでもいいし」…傷ついた。それは傷ついたけど、あの時逃げたのは私だ。誤解されても文句は言えない。私はどうしたい…。考えろ。「私は…」
2010-01-16 00:28:49二人とも馬鹿。嫌なら断れば。躊躇う理由がわからない。乙女か。皆して爆弾投げてきやがって。無論、一番でかい爆弾はこいつの。本当は考える理由なんてなく、答えは始めから持っていたんだ。「なぁ、結婚するか」今度は私から爆弾を投げてやる。奴が受け取った時、それは爆発した。 #twnovel
2010-01-16 00:59:52喫茶店で繰り広げられる義兄と友人のプロポーズ大作戦の結末を、俺達は隣の席で見ていた。何か恥ずかしいぞこいつら。長年の付き合いだからこそ恥ずかしい。男の妹である俺の妻は最早恥ずかしいを通り越して目が死んでる。こちらとの温度差に気づいたのか、義兄はこちらを見て照れ臭そうに笑った。
2010-01-16 01:06:52