世田谷清掃工場のアスベスト0.64本/リットルは一般環境中にも存在するレベル
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世田谷清掃工場
http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/kanri/haiki/kumiai/oshirase/syoukyakusokutei/documents/240719-asbestos.pdf
「排ガス1リットルあたり0.64本のアスベストが検出されました。」
「その後に実施した点検でも施設の不具合は見つかっておりません。」
「清掃工場の排ガスは煙突から排出されたのち10万倍以上に拡散されることから、周辺環境への影響はありません。」
光が丘清掃工場
http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/kanri/haiki/kumiai/oshirase/syoukyakusokutei/documents/240726-asbestos.pdf
「排ガス1リットルあたり0.26本のアスベストが検出されました。」
「清掃工場の排ガスは煙突から排出されたのち10万倍以上に拡散されることから、周辺環境への影響はありません。」
0.64本/リットルは一般環境中にも存在するレベル
1000.00本/リットル ← この環境下で25年間働いた場合に肺がん発症リスクが2倍
10.00本/リットル ← 環境省が設定している敷地境界基準値
2.04本/リットル ← 平成21年度・静岡県の一般環境中での最大濃度
1.45本/リットル ← 昭和61年度・江東区の一般環境中
0.64本/リットル ← 世田谷清掃工場の排ガスからの検出量
0.58本/リットル ← 平成18年度・長野県の一般環境中での最大濃度
0.34本/リットル ← 平成22年度・長野県の一般環境中での最大濃度
0.26本/リットル ← 光が丘清掃工場の排ガスからの検出量
0.22本/リットル ← 平成21年度・さいたま市の一般環境中での最大濃度
0.64本/リットルで肺がん発症リスクが2倍になるには3万9千年かかる
肺がんの発症リスクが2倍になるのは、石綿25本/ml×年の曝露量と言われています。
石綿25本/ml×年とは例えば、1000本/リットルの濃度環境下で25年間働いた場合です。
25年 ← 1000.00本/リットル
2500年 ← 10.00本/リットル 敷地境界基準値
39000年 ← 0.64本/リットル 世田谷清掃工場検出量
96000年 ← 0.26本/リットル 光が丘清掃工場検出量
アスベスト使用煙突の調査結果と比較
清掃工場とは別の話ですが、アスベストを断熱材に使った煙突の調査結果が報道されていたので比べてみました。
735.00本/リットル ← 灰出し作業の模擬実験
73.10本/リットル ← やや劣化した煙突・頂部・ボイラー稼動時
12.00本/リットル ← 著しく劣化した煙突・頂部の煙突口・ボイラー未使用時
2.80本/リットル ← 劣化していない煙突・頂部の煙突口・ボイラー稼動時
0.64本/リットル ← 世田谷清掃工場の排ガスからの検出量
0.26本/リットル ← 光が丘清掃工場の排ガスからの検出量
アスベスト:劣化煙突から飛散 研究員が発表へ(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20120912k0000m040111000c.html
煙突の断熱材からアスベスト飛散
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120912/k10014956741000.html
(調査結果について)「周辺への健康影響は心配しすぎることはないが、同じような煙突について、詳しい調査が必要だ」
資料
環境省の資料
http://www.env.go.jp/air/asbestos/commi_hhmd/03/mat02.pdf
「石綿の曝露量と肺がんの発症率の間には直線的な量-反応関係があり、累積曝露量が増えれば発症リスクが上がるという関係にある。」
「肺がんの発症リスクが2倍になるのは、石綿25本/ml×年の曝露量である。」
「25本/ml×年とは例えば、1mlあたり1本(1000本/L)の濃度環境下で25年間働いた場合の曝露量に相当する。」
(肺がんの発症リスクが2倍になるには)「環境省が設定している敷地境界基準値である10本/l、つまり0.01本/mlの濃度では、25本/ml×年に達するのは2000年以上の曝露期間が必要」
石綿と健康被害
http://www.erca.go.jp/asbestos/what/kenkouhigai/pdf/panphlet.pdf
肺がんリスクが2倍になる医学的指標は乾燥肺重量1g当たりの石綿繊維200万本以上
「どの程度以上の石綿を、どのくらいの期間吸い込めば、中皮腫になるかということは明らかではありません。」
一般環境での調査結果
東京都
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/air/faq/asbestos/index.html
長野県
http://www.pref.nagano.lg.jp/kankyo/mizutaiki/taiki/asbest/monitoring.htm
さいたま市
http://www.city.saitama.jp/www/contents/1139450529159/index.html
静岡県
http://www.pref.shizuoka.jp/kankyou/ka-050/taiki/asbestos/untitled.html
各国の基準
http://www.env.go.jp/recycle/report/h18-01/chpt5.pdf
(アメリカ、EU、イギリス、フランス、ドイツについて)「各国とも、排ガス、焼却灰、集じん灰中のアスベスト濃度の基準等はないようである。」
アスベスト使用製品
http://www.ykkap.co.jp/cominfo/asbestos/index.asp
http://kadenfan.hitachi.co.jp/asbestos/
http://panasonic.co.jp/sanyo/info/as/
http://www.zojirushi.co.jp/toiawase/asbesto.html
http://www.chofu.co.jp/support/important/20051003.html
http://www.toshiba.co.jp/tceh/info/asbestos_j.htm
http://www.lion-jimuki.co.jp/information/contents/important_information.html
http://www.yamatoprotec.co.jp/index.php?id=29
悪質な脅し
上記の内容と、肺がんリスクが2倍になる医学的指標は乾燥肺重量1g当たりの石綿繊維200万本以上、ということを踏まえてこのツイートを読むと、口からでまかせの悪質な脅しであることがわかります。
【女川瓦礫焼却アスベスト】②清掃一組では基準値以下だから大丈夫としている http://t.co/CVsCyWFC が、基準とは特定粉塵排泄施設敷地境界での基準でごみ焼却での基準はわが国では不備。アスベストは一本でも肺に吸入されれば発がんのリスクは絶大の物質。
2012-07-19 19:09:16Q&A
原因は何が考えられるの?
1)災害廃棄物にアスベストが含まれていて焼却物中のアスベスト濃度が高くなった。
2)一般ごみにアスベストが含まれていて焼却物中のアスベスト濃度が高くなった。
3)普段からこれくらい排出されているが、測定されていないので見つかっていないだけ。
4)清掃工場設備に何かしらのトラブルが発生した。
などが考えられると思います。
普段は排ガス中のアスベストを測定しているの?
検索しても見つからないことなどから、普段は測定していないと思われます。
一般環境中の測定箇所として清掃工場で測定することはあるようですが、排ガス中の濃度とは比較できません。
1)東京都の過去の測定結果にはアスベストは記載されていませんでした。
2)東京都では平成19年度に2回測定を行ったようですが、この測定結果は見つかりませんでした。また、排ガスの測定ではなく敷地境界での測定で、しかも一時的なものなのかその後も継続的に行われているのかはわかりません。
3)東京都に限定せずに検索もしましたが、排ガス中のアスベスト測定をしているケースは災害廃棄物の受け入れに伴うものしか見つかりませんでした。
4)排ガス中のアスベストについては正式な測定方法がないようです(ただし2007年の情報です)。
http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/zaisei/yosan/kumiai/yosan/documents/y01.pdf
「環境省及び東京都通知に基づき、全清掃工場及び中防処理施設において、新たに清掃工場周辺境界(敷地境界)のアスベスト測定を年2回実施する。」
http://www.env.go.jp/recycle/report/h18-01/chpt4.pdf
「排ガス中及び廃棄物中アスベストのサンプリング・分析方法には公定法がない。」
東京都の測定結果 平成21年度と平成22年度。これ以前の情報はないようです。
http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/gijutsu/kankyo/toke/chosa/sokute/h21kekka.html
http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/gijutsu/kankyo/toke/chosa/sokute/h22kekka.html
これは異常なことなの?
普段の排ガス中アスベスト濃度がわからず比較できないため、異常かどうかを判断することはできません。
これは危険なことなの?
一般環境中にも存在するレベルであることから、危険性はないと思います。
ただし、何らかの問題が隠れている可能性もありますので注意していく必要はあると思います。
アスベストが混入することはあるの?
通常の一般ごみでも、災害廃棄物でも、混入する可能性はゼロではありません。アスベストは家庭用品でもパッキンや電源コードの被膜層などに使われており、少量ながら混入する可能性があります。
清掃工場はアスベストを処理できるの?
ほとんどはバグフィルターで捕集されるため、濃度が高くなければ問題ないとされています。
http://www.env.go.jp/hourei/syousai.php?id=11000267
石綿含有家庭用品を処理する際の留意すべき事項について
「焼却・溶融施設においては、高性能なバグフィルタ等の集じん装置が設けられているため、破砕残さ及び破砕集じん物を処理することは問題ないと考えられる。」
「バグフィルタは石綿に対して十分な捕集性能(除去率90~99%以上)を期待できる」
災害廃棄物のアスベスト対策はどうしてるの?
手作業で除去をしているそうです。
http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/kanri/haiki/kumiai/oshirase/documents/juumin-setsumeikai.pdf
有害物(アスベスト等)、危険物の除去
「仮置場と廃棄物選別処理施設の両方において手作業により実施」
お詫びと訂正
平成22年6月にアスベストモニタリングマニュアルが改正された関係で、自治体HPにアスベスト濃度ではなく総繊維濃度(アスベスト以外も含む値)が記載されているものがありました。私がこのことを見落としてしまい、間違えて総繊維濃度の数値(あるいはその可能性がある数値)を記載していた部分があったため訂正しました。
多少の数値の違いはありますが「0.64本/リットルは一般環境中にも存在するレベル」という点に変わりはありません。
長野県 以下の数値は総繊維濃度の可能性があるため、平成22年度以前の数値に差し替えました。
0.58本/リットル ← 平成23年度・長野県の一般環境中での最大濃度
0.15本/リットル ← 平成23年度・長野県の一般環境中での最小濃度
静岡県 以下の数値は総繊維濃度であったため、平成21年度の数値に差し替えました。資料リンクも変更しました。
0.91本/リットル ← 平成23年度・静岡県の一般環境中での最大濃度
0.17本/リットル ← 平成23年度・静岡県の一般環境中での最小濃度
さいたま市 以下の数値は総繊維濃度であったため、平成21年度の数値に差し替えました。
0.90本/リットル ← 平成23年度・さいたま市の一般環境中での最大濃度