かおるさとーさんの『氷菓』#14 解説

かおるさとー @kaoru_sato

『氷菓』１４話を観て気づいたことをいくつか。

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『クドリャフカの順番』３話目です。文化祭も２日目に入り、さらなる盛り上がりを見せていきます。その中で文集をいかに売りさばくか、古典部の４人がそれぞれ奮闘します。人への頼み方を教わったり、ポスターを描いたり、小麦粉を受け取ったり、店番にかこつけて穏やかなひと時を過ごしたりします。

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ところでこの作品のジャンルは“日常の謎”なんですけど、この文化祭では、明確な謎の提示は、これまでのところありません。何かは起きていますけど、少なくとも探偵役を（不本意ながらも）務める主人公・折木奉太郎の元には、その謎が届いていません。

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それが目の前に現れたとき、彼はどのような働きを見せるのか。それが物語に大きな転換を与えるでしょう。今のところは、ただの店番にすぎませんが。

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それでは内容に触れていきます。冒頭、いきなり摩耶花の謝罪から始まります。前回『夕べには骸に』を見つけられなかったので、覚悟を決めて謝ります。田舎に持っていってしまったというのは、聞かされた方からするとちょっとうそ臭い気もしますが、河内先輩の反応は案外あっさりしたものでした。

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代わりにポスターの作成を手伝うように命じられます。前回、河内先輩が提案していましたね。萌えるやつ、という注文はいかにも集客のためという感じがしますけど、自由度の高い指示でもあるので、罰ゲームというよりは単に仕事を任されただけのようにも思えます。

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先輩がタイトルを覚えていたことに驚く摩耶花。漫画のおもしろさはどれも同じとまで断じた人が、わざわざいち同人誌のタイトルなんて覚えているものでしょうか。ちょっと、気になりますね。

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２日目の古典部は、お昼に行われるお料理コンテスト「ワイルド・ファイア」に参加して宣伝をしようと考えています。里志の希望から始まった話ですが、１日目のクイズ大会でそれなりに客が来たことを考えると、なかなかいい案だと思います。しかし摩耶花はポスター作成で遅れるみたいですね。

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遊びまわっているだけに見える里志ですが、総務委員でもあるので、一応仕事はやらなければなりません。とはいえ、ちょっとした雑用が主なので、そっちにかかりっきりになることはなさそうです。総務委員長の田名辺先輩は、ヒラ委員の里志と違っていろいろ忙しそうですけど。

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（２日目の里志は何の装いもしていませんね。サターンの出番は前回で終わりなのか……）

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「なにか面白い話でもあったか」と訊かれて、里志は囲碁部で起きた盗難事件について話します。里志はこれを面白いこととは思っていないみたいですけど、田名辺先輩は興味を持ったようです。なんでも、アカペラ部でもドリンクが盗まれたとか。

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前々回の１２話で起きた出来事ですね。奉太郎が廊下の窓からアカペラ部の歌を聴いていたときに「俺のアップルジュース知らね？」「見てないよ」というやり取りがありました。この時点では盗難かどうかはわからなかったんですけど、今回の田名辺先輩の言で確定したと言えるでしょう。

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囲碁部と同じように犯行声明らしきメモが残されていたそうですから、同一犯の可能性が高いです。視聴者にとっては奇妙な盗難事件が起きているのは目に見えて明らかですが、作中の人物が一連の事件として二つを関連付けるのはこのときから。里志も興味が湧いてきたようですね。

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一方その頃、千反田さんは入須先輩の元を尋ねていました。事情を話すと彼女はあっさり頼みを引き受けます。１日目にはまったく成果を上げられなかったので、千反田さんも感激したでしょうね。目を潤ませて深々と頭を下げます。

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ビデオ映画の制作には古典部もおおいに貢献しましたから、そのことも影響しているでしょう。昔から付き合いのある２人ですし。しかしさすがの女帝陛下も２００部という数には驚いたようです。

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「１５０円に値下げして２０部渡せ。うちのパンフと合わせて２００円で売る」と女帝陛下。さらには「現物を持って歩け」とも。ごくごく当たり前のことといえばそうなんですけど、何が駄目なのか、どこを改善すればいいのかを、その場で的確に指示できるというのはさすがですね、入須さん。

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（千反田さんが駄目すぎるのでは、という意見は却下させていただきます）

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（お手をするちーちゃんがかわいすぎてずるいです）

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「人への頼み方を教えてください！」と千反田さんが持ち前の押しの強さで頼みます。この突飛なお願いにさすがの入須先輩も声が裏返ってしまいます。千反田さんみたいにまっすぐすぎるタイプは、女帝陛下といえども対応に困ってしまうみたいですね。……これって立派な武器なんじゃないのか。

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入須先輩の交渉術レクチャータイム。アニメだと尺の問題で、その方法論はかなり省かれてましたけど、原作では２ページちょっと使って長々と説明されてました。まああれをそのままやるとＡパートが終わってしまうので、うまくまとめていたと思います。

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入須先輩は「期待」を操る術を教えます。期待していると相手に思わせること、それも「自分には些細なことだが相手にはそこそこ大事らしい」くらいに思わせて、なおかつできれば人目につかないところで異性に頼むこと。……その頼み方だと同性にも有効なんじゃないかと思いますが。

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深々と頭を下げる千反田さん。女帝の後姿が素敵です。頼りになる方です。まあ、千反田さんが憧れるには、タイプが違いすぎるんじゃないかとは思いますが。とはいえ、一つのやり方を千反田さんは手に入れました。今後この教えを生かすことができるでしょうか。

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さて、今度は地学準備室。暇そうな奉太郎の元に、かぼちゃを被った二人組が現れます。とりーっく、おーあ、とりーっと！　製菓研究会の訪問販売です。片方がビスケットを売り込む傍ら、もう片方がグロック１７に興味津々。奉太郎はビスケット⇔文集＋グロックの物々交換を申し入れます。

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かぼちゃの感謝の印に小麦粉をもらいましたが、水鉄砲と小麦粉は、どちらの方が役に立つんでしょうね。そしてかぼちゃはグロックを片手にどんな売り込みをするんでしょうね。わたし、気になります。

かおるさとー @kaoru_sato

（「お前らにやる駄菓子はない。帰れ」から始まる掛け合いはぜひ見てみたかったですけど、仕方ないですね）