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海賊版対策条約( #ACTA )による同人などの二次創作への影響:私的考察

海賊版対策条約(ACTA)の条文を読んで、二次創作にどんな影響が出るのか、ざっと考えてみました。 これが正しいというわけではありません。あくまで個人的な解釈です。 山田奨治 BLOG 「ACTAノート」 http://yamadashoji.blog84.fc2.com/blog-entry-577.html 続きを読む
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高村武義 #WalkAway @tk_takamura
(1)海賊版対策条約(ACTA)で二次創作が取り締まりの対象になるというツイートがTLを賑わしていたが、また一方でこれがデマであるというツイートも出ている。そこで元の条文を読んでみた。条文の日本語訳はこれ。http://t.co/OE2M0lzW #ACTA #表現規制
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(2)「第4節 刑事上の執行 第23条 刑事犯罪 1 各締約国は、刑事上の手続及び刑罰であって、少なくとも故意により商業的規模で行われる商標の不正使用並びに著作権及び関連する権利を侵害する複製について適用されるものを定める。 #ACTA #表現規制
高村武義 #WalkAway @tk_takamura
(3)この節の規定の適用上、商業的規模で行われる行為には、少なくとも直接又は間接に経済上又は商業上の利益を得るための商業活動として行われる行為を含む。 #ACTA #表現規制
高村武義 #WalkAway @tk_takamura
(4)注 各締約国は、故意による不正商標商品又は著作権侵害物品の商業的規模の輸入及び輸出をこの条の規定に基づく刑罰の対象となる不法な活動として取り扱う。締約国は、不正商標商品及び著作権侵害物品の商業的規模の頒布、販売及び販売の申出を #ACTA #表現規制
高村武義 #WalkAway @tk_takamura
(5)刑罰の対象となる不法な活動として定めることにより、これらの輸入及び輸出に関する自国の義務を履行することができる。」 #ACTA #表現規制
高村武義 #WalkAway @tk_takamura
(6)「第二十六条 職権による刑事上の執行 各締約国は、第二十三条(刑事犯罪)1から4までに定める刑事犯罪であって自国が刑事上の手続及び刑罰を定めるものに関し、 #ACTA #表現規制
高村武義 #WalkAway @tk_takamura
(7)適当な場合には、自国の権限のある当局が捜査を開始し、又は法的措置をとるために職権により行動することができることについて定める。」 #ACTA #表現規制
高村武義 #WalkAway @tk_takamura
(8)まず二次創作が規制される可能性について検証してみる。恐らく引っかかるとしたら、第23条の「故意により商業的規模で行われる商標の不正使用並びに著作権及び関連する権利を侵害する複製について適用されるものを定める」の箇所だろう。 #ACTA #表現規制
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(9)商業規模の定義だが、条例などにおける”業(なりわい)”か否かが、判断基準になると思われる。よって無償の二次創作はこれに該当しない。また即売会での同人誌販売も外れる可能性が大きいだろう。一方で該当する可能性があるのが、DLサイトや同人専門書店だ。 #ACTA #表現規制
高村武義 #WalkAway @tk_takamura
(10)DLサイトや同人専門書店は日常的に販売しているので、商業規模と判断されてもおかしくない。したがってこれらはACTAにおける「商業上の利益を得るための商業活動」に当たる可能性がある。 #ACTA #表現規制
高村武義 #WalkAway @tk_takamura
(11)次にニコ動やPixivなどはどうか?これらは有料会員制で利益を得ているので、「間接に経済上又は商業上の利益を得るための商業活動」に当たる可能性がある。 #ACTA #表現規制
高村武義 #WalkAway @tk_takamura
(12)ただしこれらは著作権侵害を目的として運営しているわけではないので、削除の手続きなどが完備されていれば、該当しない可能性はあるだろう。 #ACTA #表現規制
高村武義 #WalkAway @tk_takamura
(13)次にACTA条文上における二次創作の扱いについて。23条では「故意により商業的規模で行われる商標の不正使用並びに著作権及び関連する権利を侵害する複製」と定義されている。二次創作がこの複製に当たるかどうかが焦点となる。 #ACTA #表現規制
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(14)ときめきメモリアル裁判(東京地方裁判所平成11年8月30日判決)http://t.co/4WxLBDP4 ではパロディが「著作権(複製権、翻案権)及び著作者人格権(同一性保持権)を侵害」すると判定された。 #ACTA #表現規制
高村武義 #WalkAway @tk_takamura
(15)ACTAでは商業規模の複製権侵害の取り締まりが要求されている。したがって専業同人サークルやとらの穴やメロンブックス、DL.siteなどの日常的に二次創作同人を売っている者達はACTAにおける取締り対象になりうる。 #ACTA #表現規制
高村武義 #WalkAway @tk_takamura
(16)次に第26条を検証してみる。山田奨治氏の「ACTAノート」(http://t.co/6vrmyZPO)によると、「小倉秀夫弁護士は、7月18日放送のJ-WAVE JAM THE WORLDで、これを著作権に当てはめると非親告罪化になると指摘した」 #ACTA #表現規制
高村武義 #WalkAway @tk_takamura
(17)確かに26条には「適当な場合には、自国の権限のある当局が捜査を開始し、又は法的措置をとるために職権により行動することができることについて定める」と書いてある。 ただこれは明確に非親告罪化を求めるものではなく、そういう解釈も出来る、の範疇だ。#ACTA #表現規制
高村武義 #WalkAway @tk_takamura
(18)「TPPでの米国の知財要求項目(http://t.co/XmXokXLl )」と比較すると分かりやすいだろう。同項目15.5(g)項「当局は著作物権利者の告訴なしで、著作権違反について立件できる」とある。非常に明確に非親告罪化を求めている。 #ACTA #表現規制
高村武義 #WalkAway @tk_takamura
(19)これに対し、ACTA第26条は非常に曖昧で、特に「適切な場合には」という部分は、権利者が告訴を望まない、あるいは黙認している状況の場合、「適切でない状況にある」とも判断できる。 #ACTA #表現規制
高村武義 #WalkAway @tk_takamura
(20)著作権侵害事件では先に捜査をして、あとで著作者に告訴をしてもらうという手法は現在でも行われているので、この範疇に収まる可能性もあるだろう。ここは解釈に幅が取れる内容になっているので、条約が必ずしも非親告罪化を求めている訳ではないと私は考える。 #ACTA #表現規制
高村武義 #WalkAway @tk_takamura
(21)むしろ問題なのは第9条だろう。これには法定賠償金制度の導入が書かれている。これは著作権侵害をした作品1件につき、ペナルティを課す制度だ。米国では750ドルから15万ドル(1000万円強)になる。これが導入されると賠償金目当ての告訴が増える事は確実。 #ACTA #表現規制
高村武義 #WalkAway @tk_takamura
(22)もしACTAが発効した場合、二次創作への影響を考えると、特に商業規模での同人活動がかなりの影響を受ける事が予想される。非親告罪が導入されなくても、法定賠償金が導入されれば、著作者からサークルが告訴される事が増える事は容易に想像できるからだ。 #ACTA #表現規制
高村武義 #WalkAway @tk_takamura
(23)特に成人向け同人誌を書店売りしているサークルは格好のターゲットとなるだろう。 またそれらを売っている同人誌専門書店や、DLサイトも同様だ。またこれに伴う萎縮は非商業目的の二次創作に飛び火するのも、容易に想像できるだろう。 #ACTA #表現規制
高村武義 #WalkAway @tk_takamura
(24)ACTAにせよTPPにせよ、二次創作の今後の盛衰を決めるのは、恐らく現在文化庁で検討・審議されているパロディ規定に次第だろう。コミケをはじめとした同人二次創作関係者、有識者は文化庁へのより一層の働きかけをして頂きたいと切に願う次第である。(以上) #ACTA #表現規制
高村武義 #WalkAway @tk_takamura
追記(1) 欧州議会では、ACTAにおける商業規模と非商業規模の区分けが曖昧で、市民の権利を侵害する危険性を指摘している。
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コメント

神條遼@Charge-on! Access-rock! Fighter-change! @kamijo_haruka 2012年7月30日
だーかーら。自分で言ってるように、ACTA締結云々以前に『ときメモ裁判』で既に『著作権法違反』が問われてるでしょうが。厳密に言えば、現状でもう既に『二次創作=著作権法違反=違法行為=犯罪』なの。ACTA無関係。
pgrtink @fekuelyn 2012年7月30日
こうして日本側のデメリットばかりあげてるが、同じことを他の締約国にも言えるというか突きつけることができるということに想像がいかないのはなんでだろう。そんなに被害者ぶって自分達の損を数えていくんだったら相手をいかにして攻撃できるかを考えた方がよっぽどいい。
甲賀志 @hiroujin 2012年7月30日
@kamijo_haruka ことはそんなに単純じゃないですよ。ACTAで違反とされるのは商業規模の著作権違反です。商業規模かどうかで、莫大な法定賠償金を支払うハメになるのか、今までの様に黙認されるのか扱いが天と地の差になります。
甲賀志 @hiroujin 2012年7月30日
@fekuelyn 他の締結国にはフェアユースの様な著作権権利制限規定があるんですよ。ですが日本にはそれがありません。著作権法の条件や成り立ちが全く違うんです。だから「同じことを他の締約国にも言える」とはならないのです。
pgrtink @fekuelyn 2012年7月30日
hiroujin その辺の規定を私は知らないのですが、条約は留保といったことをしない限り国内法に優越するので、TRIPS協定も含めた条約の枠組下において相手国を相手取ることは不可能ということでしょうか?
甲賀志 @hiroujin 2012年7月30日
@fekuelyn この問題はACTA発効後の日本国内法とのすり合わせの問題ですので、TRIPS協定はあまり関係ないでしょう。日本の著作権法は他国と違ってフェアユースを設けず、親告罪であることを前提に成り立っているので、ある種固有の問題が発生しているのです。
pgrtink @fekuelyn 2012年7月30日
hiroujin つまり日本は国内法を整備しきっていないにも関わらずACTAを推進してきたということですか?それは・・・あまりにもお粗末ですね。男女雇用機会均等法の制定を始めとした、国内法の整備を完了してから条約を批准するということを今までもきちんとしてきたのにどうしちゃったんでしょうか。
甲賀志 @hiroujin 2012年7月30日
@fekuelyn ACTAは欧州議会でも批判されたように、秘密裏のうちに進められた非常に特異な条約なのです。これと同類なのがTPPです。国内法で推し進めるには世論の反発などで困難な政策を、条約によってゴリ押ししようというものですね。各国政府の利権官僚と彼らと結びついた大企業がこれを進めてるという展開です。ACTAは媚米の小泉元首相が言い出した条約なんですよ。
pgrtink @fekuelyn 2012年7月30日
hiroujin 80年代だったか90年代だったかは忘れましたが、かつてのOECDによるMAI条約を彷彿とさせますね。あの時は結局多くの専門家や市民によっておじゃんになりましたが、今回はどうなることやら。
高村武義 #WalkAway @tk_takamura 2012年7月31日
まとめを更新しました。知財問題に詳しい弁護士の福井健策先生(@fukuikensaku )に、ACTA第26条が非親告罪化の義務付けを促すものか聞いてみましたので、その質問と回答を追加しました。 http://togetter.com/li/347373 #ACTA #表現規制
AT @ATborderless 2012年7月31日
ツイート中で「パロディ」という語を「無許可の二次的著作物」の代用的に使用されているのが気がかりです。ときメモ裁判でも、当該作品をパロディと判断した上で有罪と結審したのではなく、そもそもパロディかどうかということすら俎上に載っていません。
AT @ATborderless 2012年7月31日
フランスでは著作権法にパロディ条項を設けて保護しているように、市民が持つ「批評、批判」のための権利とされています。風刺の意図の無い二次的著作物とパロディは分けて考える必要があります。
甲賀志 @hiroujin 2012年7月31日
@ATborderless 日本の著作権法ではパロディ自体の定義が無いですから、法律上は無許可の二次的著作物扱いになりますよ。その意味では間違ってはいないかと。
ペドロ @QP_Pedro 2012年7月31日
‐「コミケをはじめとした同人二次創作関係者、有識者は文化庁へのより一層の働きかけをして頂きたいと切に願う」‐期待するだけ無駄な気がするなぁ。
ペドロ @QP_Pedro 2012年7月31日
オタクの人たちは今のタク文化というものがとても不安定な土台の上で微妙なバランスでもって成り立っている状態から、少しでも脱却出来る様に協力したり努力したりって事に殆ど関心を持ってないんじゃないかな。
サイレントトラベラー @slpolient 2012年8月2日
http://togetter.com/li/345745 の件であれば、違法ダウンロード罰則導入の件とごっちゃに「10月1日施行」という点はズバリ違法ダウンロードの件と合致します。
サイレントトラベラー @slpolient 2012年8月2日
@tk_takamura http://alternwcs.org/?p=803 では、あらゆる表現行為が「商業的規模」と言い換えられると説明されていますが、その点についてはどのように認識されていますか!?
高村武義 #WalkAway @tk_takamura 2012年8月2日
@slpolient そちらのサイトの解釈は条文とは合致していないと認識しています。ACTAにおける「商業的規模」とは「間接に経済上又は商業上の利益を得るための商業活動」とあるように、あくまで経済的収益が発生している事が条件でしょう。
高村武義 #WalkAway @tk_takamura 2012年8月2日
ただし欧州評議会が「ACTAにおける商業規模と非商業規模の区分けが曖昧で、市民の権利を侵害する危険性を指摘している」指摘するように、1円でも利益を得たら商業的規模と解釈される危険性はあります。ただ日本の場合、商業的規模とは基本的に業(なりわい)である事を指すので、ACTAにおける解釈も同様になると考えます。
サイレントトラベラー @slpolient 2012年8月2日
tk_takamura 返信していただき、ありがとうございます。その点は条約中の条文で明記されているということですね!?
高村武義 #WalkAway @tk_takamura 2012年8月2日
@slpolient 条文の解釈権は条約締結国にあります。したがって条約における「商業的規模」とは、締結国国内法における定義に従います。
四分ノ零 @qqcg8su9k 2012年8月3日
全力で消しにかかってきてるな…
超絶怒涛大魔王リケリケ @Rike_rike 2012年8月3日
ACTAに反対するくらいならTPPも反対にすべき、ですね
サイレントトラベラー @slpolient 2012年8月4日
消費税増税反対の野党各党が、7日にも内閣不信任案を提出するそうですが、これらの一連の政局の動きによっても動向が左右されるものと思われます。
ゆっくん @twitr_2010 2012年8月4日
#ACTA ジェネ医薬品だけでなく、国内農業の種子や農薬運用にも多きな影響あるのに参議討論でもスルーしてたのは日本全国の農家に知られるとヤバイと認識してたんでしょうね。種子の場合、特許だけでなく知的所有権も関係。米国カナダのほか各アジアでは高額な種子と負債抱えた農家の農地を銀行屋が差し押さえていくという悲しい光景が沢山見れるとのこと
ゆっくん @twitr_2010 2012年8月4日
#ACTA #TPP 遺伝子組換(GM)食物とみられる奇形や出生異常、農薬耐性型の未知寄生虫など(海外学者らレポ一例) http://t.co/zkFrgHMc
甲賀志 @hiroujin 2012年8月30日
横からすいませんが、すでにまとめの中に書いてますよ?
高村武義 #WalkAway @tk_takamura 2012年8月30日
@slpolient (17)~(20)までを読んでいただけると分かると思います。小倉弁護士は「適切な場合」を当局のみが判断する様に解釈していますが、この判断に権利者も加わるのであれば該当条文は非親告罪化を意味しません。また福井弁護士が指摘しているように、「及び」が削除されている事も重要です。これにより条文が現在の日本の著作権法における捜査状況を単に裏付けているだけに過ぎなくなっているからです。また条約の解釈権は一義的には当事国にありますので、条約違反だと他国から批判されるいわれもありません。
高村武義 #WalkAway @tk_takamura 2012年8月30日
小倉弁護士は当局が先に捜査して、あとで権利者の許諾を得て起訴するという捜査が行われてる実態を、あまり知らないのかな?と思っています。
高村武義 #WalkAway @tk_takamura 2012年8月30日
「適切な場合」、ではなく「適当な場合」でしたね。意味は変わりませんが一応訂正。
サイレントトラベラー @slpolient 2012年8月30日
もうご存知だとは思いますが、小倉弁護士は「そんなアクロバティックな解釈が許される気がしません。」と反論しています。https://twitter.com/Hideo_Ogura/status/241102785276432385 いずれにせよ、小倉弁護士は英語の原文に依拠しているのですから、訳文より優位という見方ができると思いますが…
高村武義 #WalkAway @tk_takamura 2012年8月30日
@slpolient 第26条が非親告罪化を義務付けではない事は、福井弁護士も指摘しています。もちろんこれは英語原文は元より、検討段階の原文も読んでの解釈です。また外務省および外相の答弁とも一致しています。私もこれらの見解に同感です。特定の誰かが全く異なる解釈をしているならともかく、外務省と知財関係を専門としている弁護士の見解が一致しているというのは、重要視すべきです。
高村武義 #WalkAway @tk_takamura 2012年8月30日
@slpolient TPPの様に明確に非親告罪化を謡っているならまだしも、明確に規定されず、かつ条約の解釈権が当事国にある以上、むしろアクロバティックというのは曲解だと考えます。(18)のTPPの非親告罪化要求条文と読み比べてみてください。
高村武義 #WalkAway @tk_takamura 2012年8月30日
「TPPでの米国の知財要求項目」http://t.co/0sbazBCF の15.5(g)項「当局は、権利関係者からの告訴を必要とせずに、著作権違反に対する職権法的措置を開始することができる」
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