P.K.ディックとグノーシス

birdcagebirdさんのP.K.ディック研究のツイートとグノーシス主義絡みのツイートをまとめました。
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auxo_suezue1 @birdcagebird

カレン・L・キング著What is Gnosticism?(『グノーシス主義とは何であるのか』)を買って、読みはじめた。そもそもニーチェ以降の哲学とりわけフランス現代思想と距離をとろうという意図があったのだが、方法論のページを見るとフーコーの名前が登場して愕然とした。

2012-04-07 19:37:15
auxo_suezue1 @birdcagebird

フィリップ・K・ディックのヴァリス二部作(『ヴァリス』『聖なる侵入』)の英語原書を読んだ。続けて和訳を読むつもりだったが、面倒くさくなってやめた。英語の方がすんなり入ってくるかんじがする。しがらみがなければ、英語圏に移住したい気分。字幕なしで洋画をみたり洋書を読んで我慢する日々。

2012-04-07 20:06:00
auxo_suezue1 @birdcagebird

フィリップ・K・ディックの『聖なる侵入』における「イェツェル・ハトブ(イェツェル・ハ=トヴ)」「聖霊」と解釈できると私は慰められるのだけどな、という話。ユダヤ思想に対する無知による弊害に直面している。「トーラという語が持つ独特のニュアンスも気になる。

2012-04-10 11:18:40
auxo_suezue1 @birdcagebird

フィリップ・K・ディックの『アルベマス』の和訳は絶版状態で〈釈義〉(Exegeisis)との関係で『ヴァリス』の習作(stepstone)という把握だったので、そのうち原書を読もうかなくらいに思っていたが、どうやらその把握は誤ってる可能性があるので昨日アマゾンで原書を注文した。→

2012-04-11 06:53:54
auxo_suezue1 @birdcagebird

→映画化に伴う議論のなかで、『アレベマス』派と『ヴァリス』派への分離、あるいは「あれかこれか」的に『アルベマス』か『ヴァリス』かを判断せよというようなあり方は不毛という指摘は目からウロコなかんじだった。

2012-04-11 06:59:42
auxo_suezue1 @birdcagebird

@DogRuskin ご教示ありがとうです。今読もうとしている小説はC.S.Lewisの立場からしたら「異端」的な作品です。私自身はキリスト教に対するグノーシス主義的な立場から読んでるのですが、ユダヤ思想を調べている過程で『新約』ありきの『旧約』読解に疑問を抱くようになりました。

2012-04-11 20:14:40
ラスキンの犬 @DogRuskin

@birdcagebird グノーシス好きですよ私も。かつて通った道という形になりますが・・・。専門がイェイツなので、関連でオカルティズムも少々。

2012-04-11 20:16:47
auxo_suezue1 @birdcagebird

ハンス・ヨナスの『グノーシスの宗教』はそのうち買って読もうと思いながら時間が過ぎ、『ナグ・ハマディ文書』は値段が高いので、英訳を買って読みだして、翻訳者/解説者として参加しているカレン・L・キングに興味を抱き、彼女の著書What is Gnosticism?を読みはじめたら、→

2012-04-11 21:47:55
auxo_suezue1 @birdcagebird

→ハンス・ヨナスの類型区分に疑義を呈する箇所に最近遭遇した。「[・・・]第二のアプローチである類型論は一次資料の文学的分析からの帰納的推論に基づく現象学的方法論を用いる。→

2012-04-11 21:51:39
auxo_suezue1 @birdcagebird

→グノーシス主義は「グノーシス的」と分類される現象すべてに共通する本質的特徴を列挙することで定義される。この方法の最も卓越した実践者がハンス・ヨナスであった。→

2012-04-11 21:54:19
auxo_suezue1 @birdcagebird

→彼の最大の貢献はグノーシス主義の議論を系譜学から類型論に移行させたことだ。グノーシス主義を定義するために、異端がどこでどのように真の原初のキリスト教から逸脱したかを特定するのではなく、ヨナスはグノーシス主義の本質を独立な諸特徴を列挙することで定義した。→

2012-04-11 21:59:03
auxo_suezue1 @birdcagebird

→残念ながら、テクスト[グノーシス主義文書]の詳細な分析の結果[多くの]研究者はヨナスによって構築された標準的な類型区分のあらゆる要素に疑問を抱くようになった。」(p.12、拙訳)→

2012-04-11 22:02:32
auxo_suezue1 @birdcagebird

→まだ論証箇所は読んでいないが、二元論(dualism)すらグノーシス主義全体には当てはまるわけではないという示唆は重要だろう。

2012-04-11 22:04:56
ラスキンの犬 @DogRuskin

@birdcagebird ありがとうございます。勉強になりましたし、同意するところも多いと感じました

2012-04-11 22:06:24
auxo_suezue1 @birdcagebird

学問的な厳密性を主張するなら、翻訳には原理的な不可能性があるから、原典を読むとまではいかなくても原典にあたるくらいの意味での原典主義が一つの基準であると思っているが、例えば私はヘブライ語ができないので『旧約聖書』を厳密には読めない。どうしても権威主義に頼ることになる。誰の権威か?

2012-04-12 00:21:04
auxo_suezue1 @birdcagebird

あくまで私の場合ですが、原典を翻訳している人の権威である。

2012-04-12 00:22:20
ラスキンの犬 @DogRuskin

研究は一人では成立しない。先人の先行研究の積み重ねの上に成立する。先行研究を論駁するときも敬意を以って論駁や批判にあたる。そういうものだと私は理解しているつもりです

2012-04-12 00:26:44
auxo_suezue1 @birdcagebird

@DogRuskin 自分の主題とするテクストに関しては私は権威主義者ではないという方向に論を進めるつもりですが、いずれにせよ、先行研究に敬意を払うことと原典主義は両立すると思うのですが、原典の扱いについてはいかがお考えですか?

2012-04-12 00:32:10
ラスキンの犬 @DogRuskin

@birdcagebird 原典に当たることができず、翻訳に頼るしかない場合は、翻訳を信頼することになりますね。そこは同意します。

2012-04-12 00:40:15
auxo_suezue1 @birdcagebird

結論を言うと、いま一番興味があるのは『新約聖書』が正典(カノン)となる以前のキリスト教です。が、いつ死ぬかはわからないし、今からヘブライ語、ギリシア語、コプト語を勉強するのは無謀なので、興味のあることに関連性が高く原典を読めるディックのヴァリス三部作を恒久的な主題に選択したと。

2012-04-12 00:51:46
auxo_suezue1 @birdcagebird

その際、主題との関係では参考文献になる『旧約聖書』(『ヘブライ語聖書』)、『新約聖書』およびグノーシス主義文書は翻訳者の権威に頼るということになります。とうぜん英語で書いているディックのテクストとの兼ね合いで英訳を読む時間が多くなります。

2012-04-12 00:57:37
auxo_suezue1 @birdcagebird

注文してあったTHE EXEGESIS OF PHILIP.K.DICKが昨日届いた。いわゆる〈釈義〉と呼ばれてる文章のこれまでにない分量(900ページ強)での出版。索引を見ると最も多く登場する哲学者はプラトン。あと注釈によるとヘラクリトスも重要っぽい。ギリシア哲学勉強しよっと。

2012-04-12 09:46:00
auxo_suezue1 @birdcagebird

私が精読の対象に選んだヴァリス三部作は、あくまで暫定的な読みでは、神学的/哲学的なパズルのようなものです。様々な宗教思想、哲学の断片が、「整合的に」(←ここがポイント)組み合わさっているというのが、私の見立てです。〈釈義〉で照らすとまた別の読め方をするのかもしれないですれども。

2012-04-12 14:50:46
auxo_suezue1 @birdcagebird

『ヴァリス』を読んでると、次から次に思想的な固有名詞や思想用語が出てくる。例えば、プラトン→C・S・ルイス→マタイ→モーセ→ユングというような連なりが一つのコンテクストのなかで語られる。形式のみならず内容を評価しようとすなら、それぞれの固有名詞について少しずつ勉強するしかない。

2012-04-12 15:05:06
auxo_suezue1 @birdcagebird

いかに必要最低限の十分な知識を学ぶか悩む。例えば、プラトンに関しては想起説をおさえたいので『パイドン』を読むつもりだが、精読するなら数年かかるはずのものを短期間で読むので杜撰な読み方になってしまう。ヴァリス三部作のパズルのピースを元のコンテクストに戻すことが目的なので仕方がない。

2012-04-12 15:13:16
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