【本人まとめ待ち】ロリはロリでもロリカ・セグメンタータ
- HitomiDaisybell
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ちょいと呟いていくか。ロリカ・セグメンタータ(セグメンタタ)は恐らく一般の間でもっとも有名なローマの鎧であり、ローマ軍団の兵士と云えば大抵の人はこれを身に付けた兵士を思い浮かべるでしょう。古代ローマ最盛期という時代にしても優美さと機能美を兼ね備える見た目で人気が高いですね。
2012-07-31 19:59:02画像があんま良いのがなかった。これがロリカ・セグメンタータ(Lorica・segmentata)です。複数の鉄製の板金を真鍮製の付属品と革帯で巧みに組み合わせた組み立て式鎧ですね。映画で見たことある人も多いんじゃないかと。 http://t.co/xXn3Ug7P
2012-07-31 20:10:29ロリカ・セグメンタータの鎧としての性能は非常に高く、よく考えられています。防御部位は胸から腹と両肩から二の腕まで広く、重点的に守っています。これは腹部や脇腹を狙った斬撃や刺突、肩に振り下ろされる斧や剣を防ぎ、受け流す為です。
2012-07-31 20:54:29鎧を構成する物が板金な為、元々斬撃や刺突には強いわけですが、ロリカ・セグメンタータはそこにそれまでの筋肉鎧といった一体成型の板金鎧では無く複数の板金を組み合わせたことで本来、板金鎧が苦手とする打撃に対しても、滑らし、衝撃を受け流すことが可能になっています。
2012-07-31 20:57:59また組み合わされる板金(鉄製)自体の金属としての質も敢えて鍛造加工をせず、「強固な金属」では無く「柔らかい金属」としたことで、金属自体が衝撃を吸収、分散ことが可能になっています。
2012-07-31 21:01:07さらにさらにロリカ・セグメンタータはそれまでのローマ軍団で使用されていた鎧よりも軽量化に成功しており、全重量は9kgです。例えばロリカ・ハマタ(鎖帷子)は10~15、16kgでロリカ・スクマータ(鱗綴じ鎧)は10kg~12kgで兵士達の負担を大きく減らしていました。
2012-07-31 21:05:47もひとつおまけでロリカ・セグメンタータの利点として補修のしやすさや場所を取らない等が挙げられます。要はパーツごとに分けられた板金を組み合わせているので破損したところ、そこだけ取り換えるだけでよかったのです。また分解して重ねることで非常にコンパクトに収めることが可能でした。
2012-07-31 21:08:55ロリカ・セグメンタータのいくつかはこの分解して重ねられ、しまわれた状態で発見されております。
2012-07-31 21:10:01円柱に描かれたローマ兵や遺跡から断片的に発掘されていたパーツによってロリカ・セグメンタータは早くから完成図と性能が想像されていましたがあまりの利便性と高性能さに研究者からも実在が疑われ、板金では無く木製とか一般兵では無く特殊部隊向け装備ではないかと言われまくったのは有名ですね
2012-07-31 21:19:36その疑いもハドリアヌス帝の長城近くから発見された三つのパーツ群を組みあわせたことで出来上がった完品とその他発掘品によって全金属製の一般兵装備であったことが証明されたことで覆され、その合理性と優美さから一時期、映画のローマ兵が年代関係なくセグメンタータ装備になったことも有名ですね。
2012-07-31 21:24:50@kawazup 時期によって違うかなぁ青銅の時期もあるし、アイアンの時期もあるし、スチールの時期もあった。主に挙げられるのはスチールかな。
2012-07-31 21:38:17このロリカ・セグメンタータ、いつ開発され、ローマ軍団に正式採用、配備されたのか実はわかっておりません。確定的な考古学的証拠が無いのです。しかし、トイトブルクの戦い跡、カルクリーゼ遺跡でプロトタイプというべき鎧が発見されておりますので、その時期には存在していたということになります。
2012-07-31 21:39:31さて、ここまでロリカ・セグメンタータってこんなにもすごい鎧なんだよ!ってことをダラダラ言ってきました。では、ここから、実態はどんなもんだったの?ということを言っていこうかと。
2012-07-31 21:42:48機能美とかっこよさに溢れ、人気の高いこのロリカ・セグメンタータですが実際、ローマ軍団でどのくらい使われたかというと大々的に主力装備として配備され、使用されたのは200年くらいです。今のところ発見されている記録や部品から推測されるのは紀元一世紀から二世紀にかけて。
2012-07-31 21:47:55三世紀に入るまでにはグッと数が少なくなり、やがてまったく見られなくなります。ローマ軍団においても正式装備から外され、やがて廃棄されているのです。さて、どうしてか。
2012-07-31 21:49:30完成された装備というのはないものです。完成された鎧と思われるロリカ・セグメンタータにもやはり、問題があり、ローマ軍団、そして、帝国にとってそれは無視できないものであったのです。
2012-07-31 21:51:19まず、挙げられる問題点として意外と着心地が悪いという点があります。ロリカ・セグメンタータはそれまでの鎧より軽く、非常に高い性能を持っていますがその形状(特に胸甲部分)から体が締め付けられ、息がしづらかったのです。
2012-07-31 21:56:12なお、緩めればいいやんとお思いの方もいるでしょうがロリカ・セグメンタータは板金を真鍮や青銅の金属部品と革紐で繋ぎ合せていますがこれをしっかりと締めないと板金との間に隙間が空き、そこから刃を指し込まれ易くなります。
2012-07-31 21:59:19次に挙げられるのが構造の複雑さです。複数の板金を組み合わせたことで機能を発揮するロリカ・セグメンタータですが構造が複雑すぎて板金のパーツ数の増大とそれによる青銅や真鍮のバックル、フック、革紐によって繋ぎとめる部分の数が膨大に成り過ぎました。即座に組みたてられないし着れないのです。
2012-07-31 22:04:58ロリカ・セグメンタータはローマ兵が二人一組になってパーツを組み立て、お互いの繋ぎとめる部分を縛っていくようにしないと中々着れない代物になってしまっていたのでした。(腹や胸部分は一人でなんとかできますが背中部分にも多く、繋ぐ部分が……)
2012-07-31 22:07:48さらに次に挙げられるのが接続部分であるバックルやフックの腐食のしやすさと脆さです。特に青銅製のバックルであったロリカ・セグメンタータは青銅と板金が化学反応を起こしたり、また革紐に汗が沁み込むことで接触部が腐食、脆くなり、簡単に壊れてしまい、ポロポロと板金が落ちてしまうのです。
2012-07-31 22:11:29