デモにおける「再稼働反対」と「人事案撤回」の違い

8月3日は、官邸前抗議とは別に環境省前でも抗議活動がおこなわれた。この両者は永久的に原発を止めるという点では通底しているが、官僚に取っては脱原発と人事案撤回では天と地の違いのある要求である。
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土佐の酔鯨 @tosasuigei

【連続ツイート1/9】1)昨夜は官邸前抗議とは別に環境省前でも遅くまで抗議活動が行われた。環境省前の要求は「脱原発」よりも「原子力規制委員会人事案の撤回」の方に重心があった。だが「脱原発」と「人事案撤回」はレイヤーがまるで違う。そのことプロテスターは気がついているだろうか。

2012-08-04 12:51:11
土佐の酔鯨 @tosasuigei

2)我々にとって「脱原発」も「再稼動反対」も「原子力規制委員会人事案撤回」も原発を原子力ムラの財布にさせない。永久的に原発を止めるという点で通底している。だが官僚にとっては脱原発と人事案の撤回は天と地のほどの違いのある要求である。

2012-08-04 12:52:41
土佐の酔鯨 @tosasuigei

3)官僚にとって再稼動反対が「外堀」への攻撃だとしたら人事案撤回は「本丸」の炎上ほどの違いがある。なぜか?国の予算は政策内容を元に算出されるがその政策を決めている審議会委員を選出しているのが官僚だからである。審議会委員の人事権こそ官僚の権力の隠れた源泉なのである。

2012-08-04 12:55:09
土佐の酔鯨 @tosasuigei

5)本来各省の大臣は審議会の委員を決める権限をもっている。だが現実は委員候補をリストアップするだけの知識・能力に乏しい大臣が多く官僚が提出する委員候補を追認することしかできない。これは専門知識や適正よりも当選回数を条件に大臣を粗製濫造してきた自民党長期政権が残した重いつけである。

2012-08-04 12:59:22
土佐の酔鯨 @tosasuigei

4)政策を決定する審議会の委員をリストアップするのも最終的に決定しているのも官僚である(国会は審議会が決めた政策をせいぜい微調整するだけである)。このことは国家予算も政策内容も実質的に官僚の手中にあることを意味する。もともと官僚の意中の候補がリストアップされているからである。

2012-08-04 12:58:41
土佐の酔鯨 @tosasuigei

6)この官僚の牙城に迫ったのが鉢呂前経産大臣だった。だが鉢呂が審議会委員候補のリストを上書きしようとした途端マスコミによる「死の町」「放射能つけたる」バッシング報道が巻き起こり鉢呂はあっという間に大臣の地位から引きずり降ろされ代わって枝野幸男が後釜に座ったのだった。

2012-08-04 13:00:37
土佐の酔鯨 @tosasuigei

7)審議委員選定(規制委員会人事も同様)の権限は官僚が絶対手放せない権力の命綱なのである。口をはさめば大臣でさえ官報複合体によって抹殺される官僚の聖域に今回は一般市民が規制委員会人事の撤回を求めるという形で社会の表舞台に登場して官僚の足元を脅かしているのである。

2012-08-04 13:01:29
土佐の酔鯨 @tosasuigei

8)この前代未聞のできごとは革命にも匹敵する大きな衝撃を官僚に与えているに違いない。我々は官僚支配の「本丸」に攻め込んで いるのである。その自覚があるだろうか。官邸前デモは原発に限定された示威活動だが人事案の撤回要求はこれまで長年に渡って審議会委員の選出を独占してきた官僚の権力の

2012-08-04 13:03:01
土佐の酔鯨 @tosasuigei

9)基盤を揺るがす別格な要求なのである。原発問題が主に経産官僚との局地戦だとしたら人事案撤回は官僚との全面戦争なのである。首都圏反原発連合は脱原発と規制委員会人事撤回とのこうした違いを認識した上で野田首相との「対話」に臨もうとしているのだろうか。それが気がかりである。(終わり)

2012-08-04 13:04:13