六　サイレン

さゆら @sayura2

@horror_taiken 霊感など皆無の私ですが、小さい頃にちょっとだけ不思議な体験がありましたので、そっと投下させていただきます。m(_ _)m

さゆら @sayura2

@horror_taiken 小学校にも上がっていないくらい小さい頃の話です。　おそらく４・５歳くらいのときだったと思います。

さゆら @sayura2

@horror_taiken 私の実家の近くは、昔はよく氾濫したという大きな川が流れておりまして、時折、水門を開くサイレンを鳴らす時があります。　水門のサイレンの音というのは、聞いたことがある方はわかると思いますが、どこか遠吠えのような、人を警戒させるような音です。

さゆら @sayura2

@horror_taiken 私は、小さい頃、その音がとても嫌いでよく泣きわめいていたのを覚えています。

さゆら @sayura2

@horror_taiken あれはただのお知らせの音なんだと何度言い聞かせても、「どうしても人の声に聞こえる、こわい、こわい」と、サイレンが鳴りだすとひきつけを起こしたように泣き出す子供だったそうです

さゆら @sayura2

@horror_taiken そしてある日、私が一人ベランダで遊んでいるとき、またサイレンの音が鳴り始めました

さゆら @sayura2

@horror_taiken うおおおおおん、うおおおおん、と鳴るサイレンに恐ろしくなり、怖い、と叫ぼうとしたときだったと思います

さゆら @sayura2

@horror_taiken ミチィ　というような、空気が潰れるような音がして、周囲の音が何も聞こえなくなりました

さゆら @sayura2

@horror_taiken 何かいる　本能的にそうおもっていたような気がします。　しかもそう遠くない背後に。

さゆら @sayura2

@horror_taiken 逃げよう、逃げたい、怖いと思うのですが、今私のいる場所はベランダで、逃げるとしたら自分の背後に広がる部屋しかありません。　　でも、そこになにか恐ろしいものがいる

さゆら @sayura2

@horror_taiken 動けませんでしたし、声も出せませんでした

さゆら @sayura2

@horror_taiken それでも逃げ場を探さないと　逃げないと　と、一応小さいながらにありったけの勇気を振り絞って視線をそっと背後にやったんです

さゆら @sayura2

@horror_taiken おそるおそる振り返った、見慣れた部屋は　重くよどんで暗く、今でもいまいち理解できないのですが、部屋の一部が真っ黒に塗りつぶされていて見えなくなっていました

さゆら @sayura2

@horror_taiken そこで私の記憶は途切れてしまうのですが、その時のことを母に聞く気にもなれず、あまり人に話す気にもなれずに成人し、数年前やっと人に一部を話したことで、ふっと気持ちが軽くなったのを覚えています。

さゆら @sayura2

@horror_taiken 大きくなってからは不思議な体験というものに出会ったこともなく、非常に平和に暮らしています。　やっぱり小さい頃というのは、何かしらあるものなのでしょうか。　以上です