九　袖

二月 @otokogi

@horror_taiken 自分の体験ではないのですが、母校の修学旅行の時の話をします。

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@horror_taiken さして怖い話ではありませんが、暇つぶしにでもどうぞ。先に母校の話をします。自分が通ってた学校は中高一貫制の学校だったので修学旅行は中三と高三にあたる学年でありました。

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@horror_taiken なので中学校3年でも上には高校の先輩たちがいます。中三の修学旅行が差し迫った時期、部活で先輩たちから修学旅行で行く長野の話など聞いていた時のことです。

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@horror_taiken　先輩曰く、長野で宿泊する温泉宿は幽霊が出るともっぱら有名なところで、自分も去年宿泊したときに不可解なものを見た。というのです。

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@horror_taiken　幽霊見たんですか？と私が返すと先輩は直接ではないけど、変なものはみたよ？と首を傾げながらいいました。何を見たんですか？と聞き返すと

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@horror_taiken　「着物の袖」

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@horror_taiken　「しかもちょっとありえない場所で見たから不思議で」と詳しくその時の様子を話してくれたのですが、どうやら宿泊した部屋は大きな和室だったようで、そうゆう場所には床の間が必ずあるわけですが。

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@horror_taiken　床の間は部屋の天井と床の間を仕切る落掛という部分があるのですが、無論そこは人が隠れる場所もなければ手も届かないくらい高い場所にあります。

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@horror_taiken　先輩は畳にしかれた布団に寝転んでいるときにふと床の間の方に目をやると。落掛の向こう側から何か垂れ下がっている。

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@horror_taiken　よく見ると床の間の天井に近いところを、ひらひらといったりきたりしている着物の袖のようなものを見た、と話してくれました。

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@horror_taiken　その時はちょっと不思議な話ですね、とその時は半信半疑で先輩の話を聞いていました。「○○(私)も見るかもね」というので｢冗談きついすよ｣などと返してその場はお開きになり。いよいよ自分たちの学年の修学旅行。回るコースは去年と変わらず、長野とその温泉宿

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@horror_taiken　まあ、知ってる人は知ってると思いますが。自分は割とビビリなので、先輩から聞いた話はばっちり覚えていたし、それを冗談で誰かに話す度胸もなく旅行中も同学年の友達の誰にもその話はしてなかったわけです。

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@horror_taiken　そして私自身はというと拍子抜けするほど何もなく無事に楽しく修学旅行を終え、特に同室だった子達からも不審な話も聞かず。先輩冗談きついっすよと土産を渡し残りの中学3年を過ごし。とりあえずの卒業式を終えて高等部に進学したのですが

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@horror_taiken　そして新しいクラス分けと新しい友達が出来、ちょうど修学旅行から1年くらいが過ぎたとき、｢そう言えば去年の修学旅行さ｣という話になりました。その時はまだあまり顔も知らずクラスも違った友人達が共通の話ができる機会なので色々話をききました。

二月 @otokogi

@horror_taiken　長野で泊まった温泉宿さ、幽霊出るって噂あったよね。××さんが見たって言ってたよ。まあそうゆう流れ。ふと先輩から聞いた話を思い出した時、同じクラスになった友達が｢そう言えば不思議なものを見たんだよね｣と言った。

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@horror_taiken　｢幽霊でも見たの｣｢違うけど、多分あれは｣

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@horror_taiken　｢着物の袖だったと思う｣

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@horror_taiken　つーわけで、部活の先輩と、高校からの新しい友人共に面識はさっぱりない二人から同じ場所での同じ体験の話をされた。というちょっと不思議なお話でした。