「アポカリプス・インサイド・テインティッド・ソイル」(再放送バージョン)

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NJSLYR SAIHOSO @njslyr_r

◆◆◆あと10分で始めていいかね?いい?あっそう!よし!じゃあ10分後に集まりな!◆◆◆

2012-06-15 19:20:48
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第一部「ネオサイタマ炎上」より:「アポカリプス・インサイド・テインティッド・ソイル」

2012-06-15 19:30:13
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(あらすじ) 暗号「タヌキ」を紐解く過程で、フリージャーナリストのナンシー・リーは危険な陰謀を捉えていた。ヨロシサン製薬が開発したクローンマッポをネオサイタマ警察が大量導入しようとしている。ナンシーはニンジャスレイヤーの協力をあおぐ。

2012-06-15 19:31:22
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クローンマッポの導入を看過すれば、ネオサイタマの治安機構すらもソウカイ・シンジケートの手中に収められてしまうであろう。ニンジャスレイヤーはナンシーとともに、オカキ工場に偽装されたヨロシサン製薬のバイオプラントに潜入する。

2012-06-15 19:32:24
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「ゆくぞ」背後の声にナンシーは飛び上がるほど驚いた。振り返ると、現地集合の場に現れたニンジャスレイヤーだ。「いつからそこに?」「地図があると聞いたが。見せてもらおう」ニンジャスレイヤーは無感情な声で言った。ナンシーは色褪せたパンチ紙を取りだす。「一年前のデータだから不正確かも」1

2012-06-15 19:35:30
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ニンジャスレイヤーは十数枚に及ぶパンチ紙を三秒で確認し終えた。「なるほど、あのオカキ工場……」身を乗り出し、崖下の貧相な工場を見下ろす。ひび割れたコンクリート製の瓦屋根と、小さな煙突が一つ。入り口のノレンに書かれた「オカキ」の文字。2

2012-06-15 19:38:40
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「信じがたいかもしれないけど、確かな情報なのよ……」ナンシーが説明しようとするのをニンジャスレイヤーは手で制した。「言わずともわかる。見ろ。あの巡回警備員」ニンジャスレイヤーは二人組でぶらぶらと工場の入り口近くをうろつくツナギ姿の男を指差した。 3

2012-06-15 19:41:56
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「NN445で武装している。湾岸警備軍に支給される装備だ。それに、やつらの顔を見ろ。双子のように似ているだろう」ナンシーはうなずいた。「クローンヤクザね」「そうだ。あの顔はY12型、最新のクローンヤクザだ。ただのオカキ工場に精鋭武装のY12、ツーマンセルを三組。ありえん」 4

2012-06-15 19:45:07
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入り口の二人、裏口にも二人。二階のバルコニーで、同じ姿勢でタバコを吸っている二人。計六人。全員が同じ風貌である。ニンジャスレイヤーにとってはあまりにも見慣れた顔立ちであった。彼のジュー・ジツを持ってすれば、クローンヤクザなど百人来ようが勝負にもなるまい。 5

2012-06-15 19:48:14
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しかし貧相な工場の中に何が待っているかわからぬ以上、力に頼り正面から突っ込んで行くのは愚策である。ニンジャスレイヤーは岩肌にクサビを打ち付け、崖下にロープを垂らした。「下りられるか」「ええ」ナンシーは頷いた。ニンジャスレイヤーは片手でロープをつかみ、崖を蹴りながら降りて行く。 6

2012-06-15 19:51:19
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崖下、ナンシーが着地すると、すぐにニンジャスレイヤーはフックを外した。特殊な力の掛け方をするだけで容易に外す事のできるフックロープが、するするとニンジャスレイヤーの手に収まる。ドウグ社のフックロープは、マッポーの世に失われつつある職人の技を継承しつづけているのだ。 7

2012-06-15 19:55:25
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「ここで待て。かたづける」言うなり、ニンジャスレイヤーは身を屈めて滑る様に工場へ向かう。「オカキ」「水性」とペイントされたコンテナの陰から陰へ身を移し、入り口のクローンヤクザへ近づく。 8

2012-06-15 19:58:31
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バルコニーの狙撃ヤクザが入り口付近から視線を外した瞬間を見計らい、ニンジャスレイヤーはコンテナの陰から門番ヤクザの斜め後ろに飛び出す。(イヤーッ!)(グワーッ!)(イヤーッ!)(グワーッ!) 9

2012-06-15 20:02:06
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タツジン!まさに一瞬の出来事である。コブラのように滑り出たニンジャスレイヤーは右手のチョップで右の門番ヤクザのこめかみを粉砕し、そのまま跳躍すると、左の門番ヤクザの首を両脚で挟み込んで無慈悲に折った。両脚に勢いをつけ、門番ヤクザの死体を投げ飛ばす。もう片方の死体も投げ飛ばす。10

2012-06-15 20:05:35
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どさり、どさり。二人の死体は、蓋の空いたコンテナの中に間髪入れず投げ込まれた。コンテナには「燃えない廃棄」とペイントされていた。ニンジャスレイヤーは裏口の二人組を警戒しつつ、バルコニーの真下へ工場の壁伝いに移動した。休む間なく垂直に壁を登り始める。もちろん標的は狙撃ヤクザだ。11

2012-06-15 20:10:09
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ニンジャスレイヤーはバルコニーに手をかけ、タバコを吸う狙撃ヤクザのすぐ下まで肉迫した。バルコニーの縁につかまったまま、手すりにしつらえられた招き猫タイプの欄干を手の甲でコンコンと叩く。「なんだ?」「どうしましたか」「音がしました」「何ですか」「わかりません」「わたしが見ます」12

2012-06-15 20:12:26
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狙撃ヤクザの片方が下を覗き込もうとする。(イヤーッ!)ニンジャスレイヤーはその首根っこを掴み、後ろへ投げ飛ばす!(グワーッ!)宙を飛ぶ狙撃ヤクザを狙ってトドメのスリケンを投げる。スリケンは狙撃ヤクザの眉間に突き刺さった。空中で絶命した狙撃ヤクザは先程のコンテナの中へ墜落した。13

2012-06-15 20:15:37
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残る一人が反応する時間すら与えず、ニンジャスレイヤーはバルコニー上に侵入した。(イヤーッ!)喉元にチョップを突き刺し、絶命させた。(グワーッ!)ニンジャスレイヤーはその死体も後ろへ放り投げた。死体は先程のコンテナの中へストライクした。14

2012-06-15 20:17:49
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次に、ニンジャスレイヤーは瓦屋根を伝って、裏口の二人組の頭上へ移動した。何も知らぬ最後の二人は、所在なさげに手持ちのアサルトライフルをもてあそんでいる。ニンジャスレイヤーはそこへ向かって飛び降りた。(イヤーッ!)(グワーッ!)(グワーッ!) 15

2012-06-15 20:19:52
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タツジン!跳び降りながらニンジャスレイヤーは空中で二度蹴りを繰り出し、正確に、それぞれの裏口ヤクザの首を一撃のもとにへし折っていた。ニンジャスレイヤーは二人の死体をまとめて引きずって運ぶと、先程のコンテナの中へ軽々と投げ込んだ。16

2012-06-15 20:22:00
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「片付いたのね……」ナンシーが物陰から現れた。ニンジャスレイヤーの静かなる殺戮をあらためて目のあたりにしたショックか、その整った美貌は心なしか青ざめていた。ニンジャスレイヤーは頷いた。「裏口から侵入する」17

2012-06-15 20:25:11
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二人は「デグチ」「非常識」とネオンで書かれた裏口の小さなドアを開き、侵入した。うちっぱなしの殺風景な廊下である。 18

2012-06-15 20:28:20
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「ここだな」二人は「給湯室」と書かれた部屋の前で立ち止まった。先程確認した地図に従えば、この部屋である。ドアは施錠されていたが、ニンジャ握力を持ってすればショウジ戸に等しい。「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは一息にドアノブをねじり切った。 19

2012-06-15 20:32:34
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