夏休み自由研究:「はだしのゲンにおける放射線被曝症状の描写について」
- Yamashita238
- 83107
- 210
- 73
- 479
夏休み自由研究:「はだしのゲンにおける放射線被曝症状の描写について」 今「はだしのゲン」文庫版7巻までが手元にあります。そこにおける放射線の人体への影響の描写から、「この人はどの程度被曝して何が起こったか」を考察します。
2012-08-06 08:21:53まずは1巻P316:広島に原爆がおとされたあと、後片付けにきた兵隊さんが「この広島におちたピカドン爆弾はふしぎだぞ 元気でピンピンしていたやつが、急に死んだりするんだ。なぜだろう」と言うのが、放射線の人体に対する影響にはじめて言及されたシーンのようです。
2012-08-06 08:30:521巻P323:ゲンを救護した兵隊さんが、だるさを訴え、血便、悪寒、脱毛などの症状を訴え急死します。悪心は1Svくらいから発生する症状。血便については、腸が6Svくらいから小腸粘膜再生の阻害がおこるので、それによるものと思われます。直接の死因は失血+熱中症 と推測。
2012-08-06 08:41:551巻P335:ゲンの脱毛。ゲンの被曝状況は、分厚いブロック塀に遮られて熱線が頭部をちょっとかすめてちょっとだけ火傷を負う、という状況。ゲンの頭髪はのちにまた生えてくるので「一時的脱毛」と断定。これがだいたい3Svくらいなので、ゲンは「頭部にのみ3Svくらい被曝」と推測。
2012-08-06 08:46:511巻P369~371:夏江ねえちゃんの全身にあらわれる紫色の斑点。これは3Svくらいまでを被曝すると現れる紅斑。
2012-08-06 08:54:502巻。政二さんが登場するが、放射線の影響と全身やけどの影響を切り分けられないのでパス。ただ血便、吐血は最初の兵隊さんと同じ。異同は、兵隊さんは暑い広島で作業を続け、政二さんは全身やけどを負ったもののすぐに広島を脱出。
2012-08-06 08:59:512巻。かあちゃんが「ひどい胃痙攣」を起こすが、自己申告どおり「酷いものばかり食っているから胃痙攣」なのか「放射線の確定的影響」なのかは区別不能。また、母ちゃんに限って別の問題があり、作者のお母さんの病状がモデルとするといろいろと矛盾がでてくるので、パス。
2012-08-06 09:04:192巻ラスト~3巻冒頭の兄妹とお母さん。お母さんは「倦怠感」。兄は「倦怠感と下痢」お母さんの「倦怠感」については、1Svくらいかな?おそらく今の医療技術なら楽勝、生命力があれば普通に回復できる程度の被曝だとは思う。そして今確信した。この親子は生き延びた可能性が高い。
2012-08-06 09:14:503巻P169の野村道子。彼女の脱毛は一時的脱毛なのか永久脱毛なのか不明。他に健康に問題がなさそうなのでゲンと同じパターンか?
2012-08-06 09:23:133巻:友子ちゃんの死因については本作でもモデルになった作者妹についても放射線との因果関係について語られていないのでパス。ゲンの妹は満一歳以上で亡くなっているが、モデルになった作者妹は4か月で死亡。乳児死亡率自体が高かった時代じゃけえ。
2012-08-06 09:31:594巻P103。ゲンの母ちゃんが病魔に襲われる。「おかあちゃんが血を吐いて苦しんで倒れた」 ここから医師の死亡確認が出るのが5巻P344。辻医師によると「病気の巣だらけのこんな体でよく(広島から)京都まで旅行ができたものだ」そして荼毘に付されると、骨が残っていないと仰天するゲン達。
2012-08-06 09:50:51ただし、この「骨が残っていなかった」というケースは、作者母の事例。被爆後12年後に脳出血で倒れ3年入院。5年後、作者の結婚を見届けたあとまもなくして亡くなった。つまり被曝20年後の死亡。
2012-08-06 09:55:33この時、火葬したら骨が残っていなかったらしく、それを「原爆のせいだ」と思った作者は漫画で原爆と平和を世に問う自伝「おれは見た」を皮切りに、代表作「はだしのゲン」他を発表していくわけです。
2012-08-06 10:00:58すみません!中沢啓二さんが初めて描いた原発をテーマにした漫画は「おれは見た」ではなく「黒い雨にうたれて」でした! おわびして訂正します! http://t.co/nhwz1NK8
2013-02-19 22:35:49×原発 → ○原爆 今頃間違いに気がついた俺orz
ただ、正直それは作者の勘違いも含むんじゃないかなあ…と今は思う。結果オーライとはいえ、科学的に正しくないことはそうだと言わなければならない。
2012-08-06 10:02:18作者は「原爆で出たセシウムがおふくろの骨を」と何かのあとがきで言っていたんだけど、セシウムは体外に排出されやすい物質だし、骨に蓄積するストロンチウムというならまだわかるけど、それが骨粗鬆症を起こすかというと…どうなんだろう…
2012-08-06 10:04:34たぶん、火葬業者が火加減を間違えたか、歩かなかったことによる骨粗鬆症じゃないかと思うんですが…
2012-08-06 10:05:24mjd? @_y_ou @Yamashita238 化合物によりますけど、ストロンチウムは骨粗鬆症の治療薬ですよ。
2012-08-06 10:06:52もちろん、広島で被爆後3年で吐血→死亡→骨も残らなかった という事例が他にあった可能性については否定しません。 ここで断言できるのは、ゲン母とそのモデルになった作者母の病状と死亡時期は全く違うということ、荼毘にふされたら骨が残らなかったという共通点だけです。
2012-08-06 10:10:114巻P106 「この近所では佐川のおやじさんがきゅうに体の具合が悪くなって歯茎から血を出して死んだし」 白血病ですかね。これが「確率的影響」という奴です。
2012-08-06 10:13:42http://t.co/FWffj4PE 100mSvの被曝からがんに罹患する確率は有意に増加し、最小潜伏期は白血病で2年 だそうです。 うわあああ!「はだしのゲン」あってる!あってるよ! 恐るべし「はだしのゲン」!
2012-08-06 10:15:21同じ頁にも、「吉村のおばさんは赤ん坊が生まれるのを楽しみにしていたのに、小さい頭の赤ん坊が生まれて出血が止まらず死んだ」という記述が。胎児小頭症は、資料をそのまま抜粋。「ヒトでは、原爆被爆例で小頭症の発生が報告されており、その限界線量は0.25~0.4Gyと言われている」
2012-08-06 10:28:12