高田純教授論文「福島は広島にもチェルノブイリにもならなかった」に対する疑問

akachun @akachun

TLからの聞きかじり。高田純なる人物が「福島で放射能によって甲状腺癌になる人は1人もいない」と言ってるらしい。これは私の予想と違う。どういった科学的根拠を持ってそう主張してるのか興味深い。

akachun @akachun

アパグループ 第4回「真の近現代史観」最優秀藤誠志賞「福島は広島にもチェルノブイリにもならなかった」（高田純氏）　http://t.co/9wOhHi67　（引用）福島の場合、県民の甲状腺線量は、チェルノブイリに比べ、一千分の一から一万分の一以下と低い。（続く）

akachun @akachun

（引用続き）私が検査した六十六人の最大が八ミリシーベルト。線量から判断すると、福島県民の甲状腺がんリスクは年間一千万人あたり一人以下となる。しかし福島県の人口は二百万人なので、だれも、この低線量で甲状腺がんにならない。素人知識で福島県民や国民を脅すのもいい加減にせよ。（引用終わり

akachun @akachun

大気への放出がチェルノブイリに比べて3桁とか6桁とかオーダーレベルに小さかったのは、Sr90、Puです。ヨウ素131はチェルノの足元に十分及ぶ。3月15日から1週間福島県中通り以東にいた子どもは万一に備えて定期的にエコー検査した方がいい。

akachun @akachun

【高田純論文への疑問１】福島県民の甲状腺被曝がチェルノブイリの千分の一から一万分の一というのは、福島を過小にチェルノブイリを課題に評価していないか？大気へのI131放出量を比較するとフクシマはチェルノブイリの４分の１。

akachun @akachun

【参考】ヨウ素131の放出量　福一は東電によると50万テラベクレル　http://t.co/EJbbKqkA 　チェルノブイリは今中哲二氏によると185万テラベクレル（5000万キュリー）　http://t.co/izgPzhII　福一はチェルノの約4分の１

akachun @akachun

【参考】チェルノブイリの甲状腺等価線量と福島の比較 http://t.co/y5FzeONd （抜粋メモ）初期被曝による甲状腺等価線量はベラルーシで34～370mSv　避難者に限ると平均1300mSv （最大は10000mSv）

akachun @akachun

【参考】SPEEDIによる試算値　1歳児甲状腺被曝等価線量　http://t.co/moKizF2P　飯舘村はほぼ全域、川俣町は6割程度、いわき市も一部は100mSv以上　（実効線量は5mSv）

akachun @akachun

【高田純論文への疑問２】「線量から判断すると、福島県民の甲状腺がんリスクは年間一千万人あたり一人以下」とのことだが、高田純氏はいったいどんな係数を使ってリスクを評価したのだろうか？ 甲状腺等価線量８mSvだとすれば、甲状腺癌発症リスクは一千万人あたり約二十人となる。

akachun @akachun

【参考】 http://t.co/6S1fjzwu　Jacob et al. 2006 EAR を使って8mSv被曝時の甲状腺がん発症リスクを計算すると　2.66 万人・年Gy（=Sv） × 8mSv ＝ 0.0208 /万人・年　→　一千万人あたり約二十人は二百万人あたり約4人

akachun @akachun

【高田純論文への疑問３】「だれも、この低線量で甲状腺がんにならない。素人知識で福島県民や国民を脅すのもいい加減にせよ。」←この結論は科学的ではない。確かに福島で年に何百人も甲状腺がんは出ないだろうが、普通にチェルノと比較、試算すれば年に数人～数十人の発症はありえる。

akachun @akachun

もちろん、年に数人～数十人というのはLNTを適用したリスク評価であり、実際どうなるかはわかりません。幸いにも高田純氏が言うように誰も甲状腺がんにならない（自然発症から有意に増えない）ことだってありえます。でもそれを断言するのは科学じゃありません。

akachun @akachun

【参考】1歳児の甲状腺被曝線量と甲状腺ガン発症リスクの試算 http://t.co/9atwFPx5　放出比で単純見積もり10年で1000人。I131拡散シミュレーションからいわき市最大見積もりで270mSv（等価）は、10万人あたり年間6人