『西洋美学史』twitter読書会 4章~5章

小田部胤久著の『西洋美学史』を、なんとなく集まった専門バラバラ文系民で読み進めた読書会の試み第二回まとめ(8/8)。
6

第4章 アウグスティヌス 期待と記憶

tieckP(ティークP) @tieckP

4章まとめ:アリストテレスは、筋の長さは容易に把握しうる限りで長ければ長いほうが良いと述べる。このとき、実際は物語は「語られるもの」であり、時間によって長さが決まるものであるのに、アリストテレスは視覚による空間にそれを例えて評価していることになる。 #西洋美学史読書会

2012-08-08 19:41:12
tieckP(ティークP) @tieckP

作品の空間理解については、アウグスティヌスが『告白』10章で述べている。それによれば、未来や過去については、現在における期待および記憶として語りうる。同様に(既知の作品を)歌うことは、歌っている現在の自分において期待が記憶へと引き渡されていく過程であるという。 #西洋美学史読書会

2012-08-08 19:41:25

ここ「空間理解」じゃなくて「時間理解」です、ごめんなさい (tieckP)

tieckP(ティークP) @tieckP

バウムガルテンの美学では、この「期待」を重視して、その作者以前の詩人らの作品を前提として作品に対して抱かれる期待と、独創性との関係が問われる。現実とは違う可能性を描くことを肯定しながら、それは期待される、真実らしいと思える美的必然性を伴うべきだと主張している。 #西洋美学史読書会

2012-08-08 19:41:39
tieckP(ティークP) @tieckP

受容美学は、作品ではなく読者の読書行為に芸術の判断を置く。記憶と期待も「読者が読んだ過去の作品」に基づく。期待と芸術についてヤウスがバウムガルテンと異なるのは、この読者の期待に沿う作品は娯楽作品であり、芸術性はむしろ両者の美的距離によって決まるとしていること。 #西洋美学史読書会

2012-08-08 19:41:58
DG-Law/稲田義智 @nix_in_desertis

ヤウス Hans Robert Jaus(1922~97):文学者,「受容者中心の美学」を主張。ガーダマーの影響下。主著(というか論文)は本書にある通り「挑発としての文学史」。 #西洋美学史読書会

2012-08-08 22:32:38
DG-Law/稲田義智 @nix_in_desertis

ガーダマー Hans Georg Gadamer(1900~2002):解釈学の哲学者。個人的にはちょっと何言ってるかわからない哲学者の一人。 #西洋美学史読書会

2012-08-08 22:32:58
DG-Law/稲田義智 @nix_in_desertis

ドイツ人ばっかりなのは小矢部先生の陰謀……ではなく,なんだかんだでドイツ人の美学者は多いのだろう。

2012-08-08 22:33:40

作品の長さについて

tieckP(ティークP) @tieckP

4章はさっきまとめたのですが、本の内容の細かい解釈以外の議論としては、1.「作品の長さはどれくらいが良いか」 2.「過去=現在の記憶 未来=現在の期待と呼べるか」 3.「読者の期待に応えるのが芸術か、裏切るのが芸術か」というあたりだと思います。 #西洋美学史読書会

2012-08-08 22:07:25
tieckP(ティークP) @tieckP

そもそも現代の感覚だと、作品について「この長さが理想」というのは一概に言えないと思います。CDの曲やアルバムの長さを考えると、媒体に規定されるところもあるのかな、とか。 #西洋美学史読書会

2012-08-08 22:13:04
アーミアさんこと、日記(決定)P @zouri777

@tieckP 1分30秒だと、色々融通が利くので便利?

2012-08-08 22:14:59
tieckP(ティークP) @tieckP

@zouri777 アニメのオープニングはもちろん、ラジオなどで流すにもどれくらいが使いやすいかっていうのはありますよねー。それを聴いて慣れるうちに聞き手は1分だと短いな、とか2分だと長いなっていう感覚も養っていったり。

2012-08-08 22:18:24
シノハラユウキ @sakstyle

第4章読んで最初の感想は、ここで使われている「期待」という語が多義的に使われているような気がして気になる、です。つまり、前半と後半はちょっと別の話じゃないか、ということです。別の話なら、それはそれで特に構わないです。 #西洋美学史読書会

2012-08-08 22:14:03
jabrafcu @ja_bra_af_cu

@twidokusho 前半と後半で違うはなししてるようだというのは私も思いました #西洋美学史読書会

2012-08-08 22:16:43
DG-Law/稲田義智 @nix_in_desertis

@ja_bra_af_cu そういう傾向は若干ありますねw。構成上仕方ない面はありますが。 #西洋美学史読書会

2012-08-08 22:19:10
jabrafcu @ja_bra_af_cu

@nix_in_desertis 次章のトマス・アクィナスから想像力による創造の話につなげるとこも、トマス・アクィナス自身そんなに重要に考えてたことなのかわからないですしw #西洋美学史読書会

2012-08-08 22:21:58
DG-Law/稲田義智 @nix_in_desertis

@ja_bra_af_cu しかも,トマス・アクィナスの章は完全にテーマが先立ってしまっていて,トマス自身の思想に触れた文章が少なかったですねw

2012-08-08 22:23:02
jabrafcu @ja_bra_af_cu

@twidokusho というかこの本、全体的に後世への影響として強引に違う話につないでるとこが多い気がしないでもないw #西洋美学史読書会

2012-08-08 22:18:10
tieckP(ティークP) @tieckP

@twidokusho 関連が事実において薄いところを語りによって結び付けていくのは文学的にはむしろ美しいので、そこを僕は非難できないw #西洋美学史読書会

2012-08-08 22:20:26
jabrafcu @ja_bra_af_cu

@tieckP 前、『ゴーストの条件』を書評した時にそういうことを感じたのですが、文学の作法なんですね

2012-08-08 22:24:08
tieckP(ティークP) @tieckP

@ja_bra_af_cu というか、連想による飛躍の美しさという意味では、ジャズの即興にも通じると思います。聞き手が「こりゃないわ」と思わない範囲でいかに意外性をもってソロを組み立てるか、というのと似ていて。それを言葉でやっているという。

2012-08-08 22:26:21
シノハラユウキ @sakstyle

@ja_bra_af_cu @tieckP 「なるほどー、そことそこを繋げてくるか-」みたいなのが、批評・評論の面白みの1つだとは思いますけど。

2012-08-08 22:29:28
1 ・・ 9 次へ