今まで汎用スパコンセンターは公的研究用インフラだけだったからそのアナロジーは正しいい。ただ、サービス面でも同じぐらいまだ差があるわけで。@hidemotoNakada (Amazon EC2のClusterサービスは) NASAとspaceshipone みたいなものか。
2010-07-14 16:49:33スパコンのセンターでの実ユーザならわかりますが、スパコンセンターはIaaSだけではないわけです。むしろライブラリやアプリやサービス、人的にも種々の利用相談だけでなく、デバッグやチューニングのサービスまで提供するわけで、むしろその利用者が多い。つまりPaaS/SaaS要素が強い。
2010-07-14 16:52:26で、センターの運用にはそのコストがかかっているわけです。普通に考えると、IaaSのクラウドで物理的なマシンを置き換えても、このコストは基本的には変わらない。それはより小さいインフラでもそうで、幾らマシンが安くなっても、上位サービスのコストが削減されなければ効果は少ない。
2010-07-14 17:01:18だから、今回のEC2のCluster Serviceは、本チャンのスパコンセンターがやっている活動からすれば、まだ第一歩なわけで、しかもその割に数倍TCOが高い。ビジネスクラウドはPaaS/SaaS的サービス・アプリ・ロジック込みの値段で、そこのアウトソースがメリットだったので。
2010-07-14 17:03:27なので、例えばTSUBAMEユーザがAmazonに移るモチベーションは全くないわけです。それは他のセンターも同様。センターがキャパオーバーの際に借り受けてMNVO的に提供という話もありますが、コストやネットワークの低性能等等でまだまだお伽噺なわけです。
2010-07-14 17:05:50でも実はインパクトはある;そうは言ってもIaaSレベルのサービスが始まると、その上位サービス&サポートを提供するビジネスの水平展開が魅力的になってくるからです。米国のスパコンセンターはその専門性を既にセンター内に内包していますが、日本のセンターは主にメーカーにオンブしてます。
2010-07-14 17:18:49これが単なる垂直統合性だけでなく、特定メーカーへのロックインを助長してたわけです。旧帝大系のスパコンセンターは九大の一部の例外を除き、30年来国際調達にも関わらずメーカーが変わってこなかったのは周知の事実ですが、その一つの原因はこの上位サービスの継続性にあったわけです。
2010-07-14 17:20:36それらの人たちの人件費を含むコストが馬鹿にならなかった;で、寡占があれば当然コストが上がる---過去のメインフレーム時代の旧習慣が今でも続いていると。これがクラウドや、それに対抗するコンテナ等の下位インフラの標準化によって、上位サービスの水平分業化・縛りの消滅が可能となります。
2010-07-14 17:23:25これにより前時代的な「常駐部屋」とかがなくなり、上位サービスも全部オンラインになり、下位レイヤーを含み競争となる。のみならず、種々の新たなHPCサービスが出てくる可能性もあるわけです。正にビジネスにおける昨今のSaaSクラウドと同じ話。
2010-07-14 17:26:54というわけで、今後新たなHPCのクラウドの価値体系が築かれるかどうかは、ビジネスモデルとして成立し、ユーザがつくかにかかっている。少なくともスパコンセンターを運営している身としては高すぎる。これがコストダウンしてまともな値段になったら革命を期待、ということです。
2010-07-14 17:29:43ちなみに東工大ではTSUBAME2.0からそれを先取りして、サービスサポートをかなりオンライン化します。HWレベルもクラウドセンターのように基本的には人はいらない体制に。常駐部屋の人数を誇るセンターはいずれ消滅の日が来るでしょう。
2010-07-14 17:31:19やはりビジネスとして、そのような水平サポートを提供するビジネスが求まれています。世のベンチャー志向の方々、いかがでしょうか。
2010-07-14 17:39:25