茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第684回「悪いpublicityも、良いpublicityである」

脳科学者・茂木健一郎さんの8月13日の連続ツイート。 本日は、最近読んでいる本の一つについて。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

しゅりんくっ、ぷれいりーどっぐくん、おはよう!

2012-08-13 07:13:45
茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第684回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、最近読んでいる本の一つについて!

2012-08-13 08:34:39
茂木健一郎 @kenichiromogi

わよ(1)私のKindle for iPadの上には150冊くらい本が並んでいて、同時並列で読んでいるので忙しい。The Lord of the RingsはホビットたちがStriderと旅を始めた。そのとばっちりで止まっている本の一つが、Insanely Simple.

2012-08-13 08:36:00
茂木健一郎 @kenichiromogi

わよ(2)Appleで長年働いていたKen Segallが、Steve Jobsのことをいろいろと書いているのだけれども、その記述が面白い。私たちは人生を必要以上に複雑にしがちである。Jobsの成功の秘密は、最も大切なことにSimpleに固執した点にあると。エピソードが面白い。

2012-08-13 08:37:28
茂木健一郎 @kenichiromogi

わよ(3)一つ印象に残ったエピソードがある。JobsやBill Gatesを描いた映画Pirates of Silicon Valleyが封切られた時、Apple内でお祝いをしようとした。ところが、内容がJobsを公私にわたって辛辣に描いたものだったため、周囲が躊躇した。

2012-08-13 08:39:17
茂木健一郎 @kenichiromogi

わよ(4)ところが、Jobs自身はPirates of Silicon Valleyの辛辣な描き方を全く気にせず、「おい、みんな映画見たか」と言って、満面の笑みを浮かべていたのだという。そこで、Ken Segallは、Jobs自身が体現している一つのlessionを学ぶ。

2012-08-13 08:40:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

わよ(5)Jobsが体現していた教訓。それは、悪いpublicityも、良いpublicityなのだということ。悪しざまに言われても、それは、世間が注目しているということ。結果として知名度が上がる。どんなことにも明暗両面がある。悪い側面が出たとしても、それでかえって立体的になる。

2012-08-13 08:42:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

わよ(6)よいpublicityしか出ないのは、広告代理店のコントロールがよほど行き届いているか、独裁国家内のメディア統制の結果だろう。日本でも、特定のタレントなどについての情報コントロールが烈しいが、結果として本当に本人たちのためになっているのかどうかは怪しい。

2012-08-13 08:43:35
茂木健一郎 @kenichiromogi

わよ(7)良いpublicityしかないと、結果として「嘘くささ」に通じる。2020年東京オリンピックの開会式に「あのタレントが出るかもしれない、それはいやだ」という反応が見られる原因は、情報コントロールの逆噴射。本当に良いものは、悪いpublicityをも糧にして成長する。

2012-08-13 08:45:39
茂木健一郎 @kenichiromogi

わよ(8)悪いpublicityをも跳ね返すほどの強さがないと、本物にはならない。例えば、マイケル・ジャクソン。生前、その私生活について散々かき立てられたが、亡くなってみれば、その歌も踊りも神々しい。悪いpublicityは、結果として、その人の像を立体的にするのだ。

2012-08-13 08:47:00
茂木健一郎 @kenichiromogi

わよ(9)Ken SigallのInsanely Simpleに戻る。Steve Jobsが、自分のことを辛辣に描いた映画に「おい、見たか」と満面の笑みで反応していたというエピソードの中に、彼の強さが象徴される。それくらいの強さがなければ、本物を生み出すことはできないのだろう。

2012-08-13 08:49:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート684回「悪いpublicityも、良いpublicityである」でした。

2012-08-13 08:49:42