- Route66_LP3
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明確性の原則って、判例の規範を覚えるくらいで、その内容をきちんと大学で教えてくれないし、実は基本書の記述もばらばらで難しい。
2012-08-15 08:40:37憲法31条から罪刑法定主義または適正手続の原則を導き出し、行政判断の恣意抑制機能及び国民への告知機能を果たすために規範明確性は重要と論じる。特に裁判規範性だけではなく国民へ規範を事前告知するという行為規範性が重要。
2012-08-15 08:48:50それゆえに、判例及び通説は、一般人が、具体的場合に規範を読みとれるか、すなわち行為規範としての機能を十分果たしているかを問うのです。理由から規範がストレートに導き出されていることをまずは理解する。
2012-08-15 08:53:24この点に関して、判例は裁判規範性ばかりを重視しており、十分な明確性を要求していないと学説は批判しますね。具体的には、裁判所は、規範の社会通念を基礎にした解釈ができれば、自動的に一般人にとっても明確性ありとしているのではと批判することができます。
2012-08-15 08:55:28さらに、制限される基本的人権の性質に応じて、明確性の原則の厳格化を検討する必要があります。表現の自由なら憲法21条を重ねて明確性の原則の根拠にあげ 萎縮効果排除機能から高度の明確性が妥当するとします。これはただの学説ではなく、税関検査事件からも導くことができるのでしたね。
2012-08-15 08:59:08そのほか、自己情報コントロール権や課税要件明確主義などが問題とされる場合には、明確性の原則の厳格な運用を検討しなければなりません。
2012-08-15 09:01:33ここまでが基本ですが、法律よりも下位の規範により規範の明確化を図ることはできるか、法文の明確性と法解釈の明確性の区分は成り立つか、というのも気にしておく必要があります。
2012-08-15 09:04:18これも趣旨に遡って考えます。行政判断の恣意抑制機能や国民への告知機能という手続的デュープロセスだけを考えれば、自己が規範明確性を主張できれば十分です。他方で表現の自由の萎縮効果という実体的デュープロセスを問題とすれば、第三者との関係の明確性も自己が主張できるわけです。
2012-08-15 09:10:37表現の自由でも単に自己実現や人格的自律性などの主観法適合性を審査するだけならばいいですが、自己統治機能や萎縮効果排除機能などの客観法適合性審査が発動されれば当該個人を超えた範囲での憲法上の主張が可能であり、
2012-08-15 09:16:08その客観法適合性審査を主観訴訟で可能にする点に表現の自由の自己統治の価値を認める意義があるんですね。この最後の記述は学説上はまだ安定していませんがね。
2012-08-15 09:16:10バベル先生のツイートだけど、明確性については札幌税関検査事件よりも徳島市公安条例事件のが先だよね。正確には、札幌税関事件は、表現の自由規制立法における合憲限定解釈では、解釈により導かれた意味内容が条文から明確に読み取れる必要があるとの文脈で、徳島市公安条例事件を参照してるのみ。
2012-08-18 23:59:13あと、表現の自由規制立法に対して高度の明確性が要求されることが、表現の自由の客観原則と考えられるという見解は、宍戸先生の「憲法 解釈論の応用と展開」でも示されてるね。
2012-08-19 00:02:31細かいことだけど、31条の明確性が問われた川崎民商事件と、21条と31条の双方の明確性が問われた徳島市公安条例事件とでは、判断方法が違うのよね。川崎民商では「当該被告人にとって」条文が明確かを問うているのに対し、徳島市では「一般人にとって」明確かを問うている。
2012-08-19 00:03:43これは、31条との関係では主観的に明確かを問う主観的権利であるのに対して、21条が重なると客観原則として求められると考えることもできる。
2012-08-19 00:05:14