伊藤計劃×円城塔『屍者の帝国』刊行までの経緯

2009年、34歳の若さで世を去った伊藤計劃。 絶筆は、未完の長編『屍者の帝国』。 遺された原稿は、冒頭の30枚。 それを引き継ぐは、盟友・円城塔—— フランケンシュタインの技術が全世界に拡散した19世紀末、 英国政府機関の密命を受け、秘密諜報員ワトソンの冒険が、いま始まる。 2012年8月27日発売予定(*地域によって差あり)の、 伊藤計劃×円城塔『屍者の帝国』 http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309021263/ 単行続きを読む2009年、34歳の若さで世を去った伊藤計劃。 絶筆は、未完の長編『屍者の帝国』。 遺された原稿は、冒頭の30枚。 それを引き継ぐは、盟友・円城塔—— フランケンシュタインの技術が全世界に拡散した19世紀末、 英国政府機関の密命を受け、秘密諜報員ワトソンの冒険が、いま始まる。 2012年8月27日発売予定(*地域によって差あり)の、 伊藤計劃×円城塔『屍者の帝国』 http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309021263/ 単行本刊行までの経緯を担当編集者が語りました。
円城塔 SF ワトソン 伊藤計劃
Kawade_shobo 69055view 1コメント
312
ログインして広告を非表示にする
  • 河出書房新社 文藝 @Kawade_bungei 2012-08-16 18:20:37
    伊藤計劃×円城塔『屍者の帝国』は8月23日配本です。都内一部書店では当日夕方頃より店頭に並び始め、週末〜週明けには全国発売に。Amazon等では24日発売、小社サイトでは27日発売と告知されています[小社サイトでは配本日より営業日(土日祝日等を除いた日)中1日後が発売日扱い]。
  • 河出書房新社 文藝 @Kawade_bungei 2012-08-16 18:27:17
    【1/16】刊行前の現段階において、円城塔さんへの『屍者の帝国』に関する取材等はお断りしてきました。「本作については作品がすべてです」というのが円城さんのお考えだからです。刊行後もインタビューは(数件の例外を除き)ほとんど行わない予定です。本書関係のサイン会等はありません。
  • 河出書房新社 文藝 @Kawade_bungei 2012-08-16 18:30:04
    【2/16】ゆえに蛇足にすぎませんが、円城さんの御承諾を得て、これからしばらく『屍者の帝国』の刊行までの経緯を書かせて頂きます。文責は編集担当伊藤靖。
  • 河出書房新社 文藝 @Kawade_bungei 2012-08-16 18:32:52
    【3/16】伊藤計劃氏に長編を依頼したのは5年前、2007年の秋頃でしょうか。打ち合わせの席では、SFからコメディまで、書きたい作品の数々を話して下さいました。そして「これはSFではありませんが…」と切り出されたのが、「フランケンシュタインもの」。後の『屍者の帝国』です。
  • 河出書房新社 文藝 @Kawade_bungei 2012-08-16 18:48:10
    【4/16】長編『ハーモニー』の作業を終えた計劃氏は「フランケンシュタインもの」にとりかかります。2008年10月、まずA4用紙2枚程のプロットを、ついで「試し書き」を頂きました。タイトルは『屍者の帝国』。余談ながら、『ハーモニー』の仮題は『生者の帝国』でした。
  • 河出書房新社 文藝 @Kawade_bungei 2012-08-16 21:44:18
    【5/16】年が明けて計劃氏は(結果として)最後の入院をされます。体調的に原稿は書けませんでしたが、病床でも『屍者の帝国』の作品世界を構築し続けていました。そして間もなく症状が悪化、医者から「最期の時がいつか分かりませんが、覚悟しておくように」と告知されます。
  • 河出書房新社 文藝 @Kawade_bungei 2012-08-16 21:46:02
    【6/16】「どうなるかは分からない。2、3年後には、あんな深刻な話をあのときはしてしまいすみませんでした、と笑っているかもしれない」と計劃氏は言いました。「もしかしたら『屍者の帝国』を完成させる時間はもうないかもしれない」とも。
  • 河出書房新社 文藝 @Kawade_bungei 2012-08-16 21:50:30
    【7/16】言葉が出ませんでした。企画も当然、一時凍結すべきか。不躾を承知で「もし、あとひと月で死ぬとしたら何がやりたいか」と尋ねると、計劃氏は「小説を書きたい」と即答されました。今書きかけの『屍者の帝国』を、と。氏は自分の紡ぐ物語が読者に届くことを望まれました。
  • 河出書房新社 文藝 @Kawade_bungei 2012-08-16 21:52:15
    【8/16】その頃、円城塔氏は入院中の計劃氏のもとに足繁く通っていました。一度だけ一緒にお見舞いに行ったことがあります。帰途、喫茶店に立ち寄り、「万が一『屍者の帝国』が未完となった場合、そのときは仕上げを協力していただけなかろうか?」と円城氏にお願いしました。
  • 河出書房新社 文藝 @Kawade_bungei 2012-08-16 21:55:26
    【9/16】計劃氏は筆が早い方です。『屍者』も夏には出したいと希望している。どんなに少なくとも9割がた書き上げるくらいの時間はまだ充分残されているとそのときは思っていました。「万が一の事態には円城さんも協力してくれます」と計劃氏にお伝えすれば安心してもらえるだろうとも思いました。
  • 河出書房新社 文藝 @Kawade_bungei 2012-08-16 21:56:20
    【10/16】私が伊藤計劃にお会いしたのは、その日が最後となりました。2009年3月20日、永眠。
  • 河出書房新社 文藝 @Kawade_bungei 2012-08-16 21:58:35
    【11/16】結局、遺された『屍者の帝国』の原稿は「試し書き」のみ。「さすがに、この続きを書くのは無理ですよね……一応ご覧になりますか?」と円城氏に訊くと、「一応見せて下さい」。そして、遺稿とわずかな資料に目を通した上で、「これは……やるしかないですね」
  • 河出書房新社 文藝 @Kawade_bungei 2012-08-16 22:00:23
    【12/16】円城氏の返事は、喜びと共に驚きでした。計劃氏のプロットには、「屍者が全欧に普及した世界」の説明、つまり遺稿で示された内容以外には、さほどのことは書かれていないのです。もちろん結末も決まっていない。それでも、円城氏には何かが見えた。何が見えたのか、私には分かりません。
  • 河出書房新社 文藝 @Kawade_bungei 2012-08-16 22:04:17
    【13/16】絶筆となった遺稿は、まずはそのまま100%計劃氏の作品として発表した方がよいと考え、伊藤計劃追悼特集号を準備中の〈SFマガジン〉編集部にお願いし、掲載されました。円城氏との共作版を河出書房から刊行予定であることも承知の上で御快諾された同誌編集部には御礼申し上げます。
  • 河出書房新社 文藝 @Kawade_bungei 2012-08-16 22:06:32
    【14/16】この『屍者の帝国』遺稿版はその後、河出文庫『NOVA1』、『伊藤計劃記録』(早川書房)、ハヤカワ文庫JA『The Indifference Engine』に再録されています。そして今回の共作版では、「プロローグ」としてそのまま組み込まれています。
  • 河出書房新社 文藝 @Kawade_bungei 2012-08-16 22:10:26
    【15/16】円城氏に執筆を依頼してから完成まで、3年と数か月。全体の1/3程まで書かれた原稿を、自ら没にされたこともあります。巨大な負荷を背負って頂きました。円城氏に心より感謝します。また、共著の申入れに賛同して下さった計劃氏の御両親に。そしてもちろん、伊藤計劃氏に。
  • 河出書房新社 文藝 @Kawade_bungei 2012-08-16 22:11:48
    【16/16】〈わたしは作家として、…わたし自身のフィクションを語る。この物語があなたの記憶に残るかどうかはわからない。しかし、わたしはその可能性に賭けていまこの文章を書いている〉(伊藤計劃「人という物語」/早川書房『伊藤計劃記録』所収)。
  • 塩澤快浩 @shiozaway 2012-08-20 17:31:30
    その出版までの過程すべてに敬意を表します。ひとつだけ訂正を。『ハーモニー』の仮題は『生者の帝国』ではなく、『生命の帝国』でした。RT @Kawade_shobo: 「伊藤計劃×円城塔『屍者の帝国』刊行までの経緯」をトゥギャりました。 http://t.co/NgpiX59N
  • 河出書房新社 文藝 @Kawade_bungei 2012-08-20 18:51:03
    失礼いたしました。RT @shiozaway …ひとつだけ訂正を。『ハーモニー』の仮題は『生者の帝国』ではなく、『生命の帝国』でした。RT @Kawade_shobo 「伊藤計劃×円城塔『屍者の帝国』刊行までの経緯」をトゥギャりました。 http://t.co/XVRt0fbu

コメント

カテゴリーからまとめを探す

「アニメ」に関連するカテゴリー