【長瀧重信氏と山下俊一氏のリスコミ経験】④
- karitoshi2011
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まとめその①
まとめその②
まとめその③
島薗進氏ブログ記事
放射線のリスク・コミュニケーションと合意形成はなぜうまくいかないのか?(2) ――リスク認識が劣った日本人という言説
1【長瀧重信氏と山下俊一氏のリスコミ経験】④チェルノブイリにおいて長瀧氏は「不安をなくす」ことを至上命題として調査を行い健康被害が放射線によるものと疫学的に証明出来ない限り、できるだけ「認めない」という方針を立てた。甲状腺癌についても放射線との因果関係をなかなか認めなかった。
2012-08-17 09:22:352【長瀧重信氏と山下俊一氏のリスコミ経験】④長瀧著『原子力災害に学ぶ放射能の健康影響とその対策』にそって見ていく。1987年の日本核医学会シンポジウムで原爆の学部被爆で甲状腺癌が増加していること、黒い雨の地域で甲状腺結節が増加していたことが示された。前者は外部被曝だが、後者は
2012-08-17 09:22:552【長瀧重信氏と山下俊一氏のリスコミ経験】④内部被曝か外部被曝か分からない。1991重松報告書には記載されずNature92年9月号で世界に知れ渡った。EUの調査団に加わり長瀧氏もミンスクに行き信じられぬほど多数の小児甲状腺癌患者を確認。しかも乳頭癌でありながら肺に転移する。
2012-08-17 09:24:253【長瀧重信氏と山下俊一氏のリスコミ経験】④しかし、(1)ベラルーシ以外の報告がない、(2)比率を定めるための集団の母数がない、(3)原因は放射線が?ヨウ素のデータはない、(4)ゴメリ市には第2次大戦中に化学工場があったので他の原因も考えなくてはならない等の解決すべき問題がある。
2012-08-17 09:24:514【長瀧重信氏と山下俊一氏のリスコミ経験】④調査団の報告に、チェルノブイリ事故の後、小児甲状腺癌が増加し、その原因は事故による放射性物質である可能性が高い、また予後がいい乳頭癌だが肺に転移すると書くかどうかで意見が割れた。EUの委員は全員賛成、米委員は全員反対、長瀧氏も反対。
2012-08-17 09:25:225【長瀧重信氏と山下氏のリスコミ経験】④長瀧氏が「科学的に認められていない」というのはこういう立場によるもの。可能性が高くても、確実にこの原因と確定できなければ科学的証拠はないとする。このような病因特定の正確さにこだわるのは、科学的な正確さを重んじるという意味も含むかもしれない。
2012-08-17 09:28:276【長瀧重信氏と山下俊一氏のリスコミ経験】④だが、それにより対応が遅れるという問題が生じうる。早期発見・早期治療に反しないか、その問題に長瀧氏はふれていない。「可能性が高い」となれば関連する地域の診療や調査を行うことになるわけだが、「不安をなくす」ことを重視するのが長瀧氏の立場。
2012-08-17 09:29:067【長瀧重信氏と山下氏のリスコミ経験】④長瀧氏が導き出しているリスコミ論的な結論めいた言葉を引く。「影響が認められない」は「影響がない」ではなく「「わからない」と説明。「すると「わからないのに、なぜ安全だといえるのか」「わからなければ、何が起こるかわからないからなお心配である」
2012-08-17 09:29:568【長瀧重信氏と山下俊一氏のリスコミ経験】④「という反応が返ってくることもある」「この「認められない」の説明しだいで混乱を誘発も鎮静もできる」p74。「第1に「認められない影響は、「認められる影響」より少ないこと」」を強調するのが重要と。これは意味がよく分からない。
2012-08-17 09:30:489【長瀧氏と山下氏のリスコミ経験】④100mSv以下の癌死のことを言っていると思うが、癌以外の疾患の可能性について等、分からないことは多いから「鎮静できる」は自信過剰では?また、長瀧氏はここp74では「科学的な論争がある」ことを認めている。だが、それを社会に発表すれば混乱すると。
2012-08-17 09:31:2510【長瀧重信氏と山下俊一氏のリスコミ経験】④「科学的な論争が続いている場合は、社会に対しては科学的に不確実という言葉で統一して発信し、社会を混乱させない」。ここでは異論を公表させないことが混乱を避ける方法とされている。通常の科学のモラルとしてありえない。これこそ混乱を招く原因。
2012-08-17 09:35:2611【長瀧重信氏と山下俊一氏のリスコミ経験】④科学は「統一」できないし、また科学は社会を統御すべきものではない。市民生活に関わることで科学的な見解が多様であれば、それを明らかにして公共の討議に付すべき。それを無理矢理抑えようとすることによって混乱が増幅する。昨年経験したとおり。
2012-08-17 09:35:4711【長瀧氏と山下氏のリスコミ経験】④もう一つ。P110ではこう言っている。「初期には健康調査のための被曝線量の測定に重点を行うべきである。健康調査のために被曝線量の測定が遅れてはならない」「過度の恐怖に対しては、対話(リスクコミュニケーション)により可能な限り冷静に論理的に」
2012-08-17 09:36:2912【長瀧氏と山下氏のリスコミ経験】④「対応しながら調査を行う。決して恐怖ばかりを強調して調査を行わない」。要するに「不安をなくす」「恐怖をなくす」ことと線量を「調査」することを優先。診療・健康調査は後回し。これで当事者は安心するだろうか?当事者の悩みに向き合う姿勢は見えない
2012-08-17 09:37:0213【長瀧重信氏と山下俊一氏のリスコミ経験】④長瀧氏はチェルノブイリでの第1印象、「不安こそが問題」という信念にそって健康影響の可能性の公表は抑えるとの方針を立てた。また健康影響が出たらどう対処するかではなく、後年に健康影響いかんを証明するための調査を最優先すべしという。
2012-08-17 09:37:3314【長瀧重信氏と山下俊一氏のリスコミ経験】④要するに長瀧氏のリスコミ方法論は、「当事者が今抱いている関心から遠い調査は行うが、診療はせず、説得により不安をとる」というもの。当事者の健康への配慮は後回し、あるいはよそ任せ。そしてこれが現在の福島県民健康調査の方法論でもある(続)
2012-08-17 09:37:58重松・長瀧氏ら原爆調査関係者たちが、調査優先で診療は2の次というABCC的な手法を原発被害調査に持ちこみ、山下氏らに引き継ぎました。@iPatrioticmom 甲状腺ガン検査体制の確立など…貢献…P22にフォールアウトの影響は甲状腺ガンだけであり、白血病その他の影響はないと
2012-08-17 16:12:41