- _cygne_noir
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語り手が指示する"彼女"の人称、「母」というフレーズはマジックワードだよなぁ。物語の意義上、これほど「出産」がイニシエーションにならない作品も珍しい >おおかみこども
2012-08-16 13:59:14おおかみこどもは小説で読むとまた印象が変わりそうだ。この物語を流れるペシミスティックな感傷、映画用の映像がつくと「家族でみれるエンタメ」になってしまうけど、小説で読むと背筋がキンと冷えるホラーにさえなり得る。
2012-08-16 14:02:35花の声当ててる人が宮崎あおいだとエンドロールで知って非常に納得感があった。宮崎あおいの演技はほんと素晴らしい。あの人の怖い感じがよく出ている映画でした
2012-08-16 14:05:41@Perror48 ワロタw でも「携帯小説」的というのはその通り。そしてこれは「都合のいい女」からの「呪い」の物語でもある。ヤリ捨てのままにはさせない執念の想像力、みたいな
2012-08-16 19:45:18「母の物語」は花についての偽史なので苛烈な描写はアレゴリー的に読む必要があるのだが、保守的な読みを要請される描写ラインの窮屈さ(「雨と雪という子供は存在しない」という読みは現実的に難しい)はエンタメ映画という媒体の制約ゆえかなと。裏を返せばそれが物語の厭世的な感傷を浮き彫りにする
2012-08-16 23:20:53おおかみこども:そもそも「母の物語」を語る語り手に対する受け手の承認という契約関係が前提となるが、実際のフィルムを鑑賞するとそれはかなり疑わしい。あえてラディカルな読みを試みれば、「母」ではなく「私」の物語とも読み替えられるし、そうすると物語を貫く非常に厭世的な感傷がみえてくる。
2012-08-16 23:30:58おおかみこども:アバンのお花畑から終盤のお花畑まで大きなシークエンスとして括弧に括られる形となる映像の単位に対し、「お伽話みたいに一瞬だった」という言述はいささか読み手を挑発するニュアンスを感じる。
2012-08-16 23:37:36最初から最後まで、一貫してそれ以上でもそれ以下でもないので物語の開始前に花がサークルの一つや二つをクラッシュさせててもおかしくないし、「〜という物語を私は文芸部の部室で書いていた」で物語が終わっても驚かない。おおかみこどもは半人半獣の子供自体よりも「おおかみこどもな」心性が核心。
2012-08-16 23:51:43なんというか根は業の深い物語なんだけど、それだけに現代神話としての家庭、視線の監視網、社会体からの逃走、孤独の空間の広さ、再文明化という一連の流れのモラトリアム空間(これが古典部であれば千反田に幻視する蔦で1シークエンスで処理されてしまう)の艶かしさがおおかみこどもの凄さかなぁと
2012-08-17 00:09:41@italiajin 子供向けには単純に化物の子供を育てる苦労ドラマとして通じ、大人にはシングルマザーが異質な子育てをするというわかりやすい記号で様々なテーマを具現化していた、と考えると凄いものだわ。軽すぎず、かといって複雑すぎない。
2012-08-17 00:14:09@Fuduki_Aoi そうそう、今述べたのを全部剥ぎ取るとさわやか苦労ドラマとして読めるのがかなり凄い。そっちは純粋に面白いので、寓意さえ読まなければ普通にみれますよね。
2012-08-17 00:17:08とりあえずやらせてくれるなら……というゲス思考が渦巻くけど実際には撃墜されてるのはこちら側だし、現実世界だと刺される。よって花さんはカリスマ級のサークラという脳内結論へ
2012-08-17 00:19:52@italiajin 怪物と知ってなおの婚前交渉、シングルマザー、都会での子育て、監視と干渉、少しでも人と違うものに過敏、田舎暮らしの現実。子供二人の道は狼=ヤクザのように捉えれば人間にも当てはまる、とか考え出すと、かなりの密度なのよね……シンプルなのに深い。
2012-08-17 00:23:49