デジタル教科書のシナリオ（眞壁豊先生）

すっとこ @suttokodokkoy

忘れないうちに，「デジタル教科書のシナリオの選択肢」を書き出しておこう．

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【デジタル教科書のシナリオ（その１）】これまでの教科書のレイアウトを保ったまま，それを，PDFなどのような「オープンフォーマット」且つ「ユーザーがビューワを自前で用意する」形式で，デジタル教科書が配られる．演習環境や評価環境は，それとは別の環境で用意される．

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【デジタル教科書のシナリオ（その２）】ハンディキャップを持った学習者へのアクセシビリティをワンフォーマットで確保するため，デジタル教科書のデータ形式やレイアウトを根本的に見直す．（現状の教科書レイアウトはアクセシビリティを保ったままのデータコンバートを考慮していないという前提）

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【デジタル教科書のシナリオ（その３）】デジタル教科書と名の付くものは，実際として法的拘束を持たない「デジタル教材」として普及する．いわゆる副教材に準じた扱い．

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【デジタル教科書のシナリオ（その４）】デジタル教科書が，いわゆるそれ自体が，従来のように「情報提示」であると同時に，「自動練習環境」を内包する．ただし評価者による評価・評定の環境は，デジタル教科書の外部に存在する．

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【デジタル教科書のシナリオ（その５）】デジタル教科書それ自体が，従来の「情報提示」であると同時に（「自動練習環境」の有無は脇に置いて）評価者による評価・評定の環境まで内包する．その適用範囲は学校内，自治体や国のマイナンバー連動や諸外国の評価基準など，可能性はさまざま．

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【デジタル教科書のシナリオ（その６）】デジタル教科書上の学習成果が，デジタル上で評価される場合，大学入試もデジタル教科書や，デジタル上のアウトプットを考慮した試験や評価形式となる．

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【デジタル教科書のシナリオ（その７）】デジタル教科書の議論が足踏みしている間に，オープンソース・クリエイティブコモンズなどの検定外教科書が圧倒的に先行する．これによって学習した学習者が，学習指導要領や大学入試のレベルを年齢的にも実力的にも凌駕する．

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【デジタル教科書のシナリオ（その８）】デジタル教科書や，デジタル上の学習環境，デジタル上の学習評価環境の議論が進むことで，デジタルで絶対に評価できない事項（やり直しが許されない生身を伴った表現など）がクローズアップされる．

すっとこ @suttokodokkoy

【デジタル教科書のシナリオ（その９）】教科書に関わる経済を循環させるために，財を循環させることが可能な人々を巻き込み，その人々の権利をコピー制御，アクセス制御技術とともに，教科書を活用するユーザー側自身でのコピーを制限される形で，「内容」が充実したデジタル教科書が頒布され続ける．