戦闘機の単発、双発機の信頼性の違いと日本を取り巻く地勢

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錆猫 @Nyar_Horten

信頼度はXのn乗で表されます。単発機であれば信頼度はXのままであるのに対し、双発以上はXにエンジンの基数分累乗となり単発機より信頼度は低下する事になります(例.信頼度0.9のエンジンを双発にする場合、0.9x0.9=0.81)

2010-07-16 23:45:36
錆猫 @Nyar_Horten

また、保守部品や整備時間も双発機は単純に考えて単発機の2倍以上必要になります(2つのエンジンの整備に加えてその調整、というより2つのエンジンの推力を同一にする作業が必要になると推測されます。同一ロットの製品でも若干の差異が生じる事はよくある話ですから)

2010-07-16 23:45:42
錆猫 @Nyar_Horten

つまり単発機は積極的に故障(というより破壊)を起す外的要因が発生しない平時に限定するなら、多発機と比較して高い信頼性と低い経費で運用する事が可能なわけです

2010-07-16 23:45:50
錆猫 @Nyar_Horten

また、戦時に於いても味方が進出している地域と其の近辺、或は敵が管制された防空網を喪失した地域(=墜落しても救出される確率が高い、或はそも撃墜される危険性が低い地域)で運用するのであれば、やはり多発機より費用対効果に優れていると言えるでしょう

2010-07-16 23:45:59
錆猫 @Nyar_Horten

原則戦争をする気が無く、よしんば有事が発生しても戦場は味方支配地域近辺となる日本に当て嵌めて見ると、一見単発機こそが空自に最適であるかのように見えてくるかもしれません。しかし其処に地理的条件を加味すると、少し状況が変ってきます

2010-07-17 08:56:48
錆猫 @Nyar_Horten

昨晩の話は空戦が陸地上空で行われる事の多い欧州の様な環境での話です。例えば周辺を海に囲まれ、また彼我の進出速度の関係上自然と洋上での空戦になりがちな日本の場合はそれは当て嵌まりません。何故なら自力での帰還が困難な海上への墜落は救難体制が確立してなければ確実に死が待っているからです

2010-07-17 08:57:00
錆猫 @Nyar_Horten

つまり日本の様な環境で単発機を運用する場合、救難体制(それも最前線まで進出できる救難体制の装備が大前提)とセットでなければ其の出撃は原則として片道切符と同義となり、極端な表現をするならば高価且有人の巡航ミサイルを運用するのと似た様な状況となるわけです

2010-07-17 08:57:14
錆猫 @Nyar_Horten

もっと言うなら、単発機の洋上運用を前提として配備する場合、その運用コストは機体だけでなくそれを支援する救難体制にかかる負担も加味して考える必要がある、とも考える事が出来ます

2010-07-17 08:57:24
錆猫 @Nyar_Horten

空自に双発機が好まれるのは、全てのエンジンに被弾せず、且被弾を考慮した設計の場合に限り稼動するエンジンを用いて戦場を離脱出来る確率(≠帰投できる確率)が高く、また墜落しても単発機よりは味方支配地域に近い場所に堕ちて救難体制への負担は軽減される可能性が高いからだと思われます

2010-07-17 08:57:35
錆猫 @Nyar_Horten

といった方面からF-Xを考えると、単発の候補機は極力避けたいというのが本音なのではないでしょうか。ついでに言えば、双発であるにも拘らず被弾への脆弱性の噂があるF18系、其の方面の情報の全く無いタイフーン(多分私が知らないだけでしょうけど)も実は微妙なところかもしれません

2010-07-17 08:57:49
錆猫 @Nyar_Horten

ともあれ、おはようございます。尚、現状F-2の導入が容認されているのは、現在の救難体制で以上の問題点がフォローできるという確証が持てたからだろうと思われます。逆に言えば、これ以上単発機が増えた場合はどうなることやら

2010-07-17 08:57:58