【コラム】シリア邦人記者の殺害:政府にできる国際法治に基づく毅然とした対応
- tkatsumi06j
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まずは追悼の言葉を
山本美香さん、ご冥福をお祈りいたします。山本さんとは、何度かアフガニスタンの平和構築について事務所で取材を受けさせていただきました。志を同じくし、紛争と闘い続ける同志であった山本さんを喪う悲しみはあまりあります。できるなら、最後まで違って欲しかった。せめて安らかにお眠りください。
2012-08-21 06:36:32追悼:山本美香さんへ捧ぐ http://t.co/wZb8L3Jd リスクを承知で先に深く進む者だけが己の限界を知る機会を得ることができる。T.S.エリオット―あなたの行動に、限界はありませんでした。あなたの行動は、世界中の人々に届くことでしょう。あなたの行動を、忘れません。合掌
2012-08-21 20:34:37紛争下におけるジャーナリストの保護に関する国連安保理決議に立ち返る
この項目作ったの私でした。一体、こんなものに何の意味があるんだ。|安保理決議第1738号 紛争状態におけるジャーナリストへの攻撃に関する決議http://t.co/D8xcEcT4
2012-08-21 23:09:32決議全文の仮訳
日本政府は当時、理事国としてこの決議で賛成票を投じた。これが2006年の話。それから何度、国際紛争で、何人のジャーナリストが命を奪われてきたのだろう。|安保理決議第1738号 紛争状態におけるジャーナリストへの攻撃に関する決議http://t.co/D8xcEcT4
2012-08-21 23:13:54日本政府は同決議の賛同国として、日本の民放TV局の依頼で現地入りした邦人記者殺害について、同決議に照らしてシリア政府に対し強い抗議の意を伝えるべきではないのか。|安保理決議第1738号 紛争状態におけるジャーナリストへの攻撃に関する決議http://t.co/D8xcEcT4
2012-08-21 23:17:37現地シリアの反政府勢力は、邦人記者の死亡後、「自分の身は自分で守るのが原則である」という主旨の声明を出した。http://t.co/rq7VQW5J この主張は尤もであるし、ベテラン戦争記者の山本さんは十分承知の上で反政府勢力と行動を共にした。
2012-08-21 23:35:40FSA声明:「独自責任でシリア入する記者は歓迎するが安全の責任は我々にはない。政府軍は無差別に我々を攻撃するからだ。トルコへの遺体輸送は責任を持つ」と。 ※強調追加http://twitter.com/Mydxb/status/237655466900082688
政府の行った対応
【玄葉外務大臣】20日(日本時間)に発生したシリアのアレッポで取材中の邦人記者、山本美香記者の死亡に関して、詳細については確認中でありますけれども、いずれにせよ、銃撃を受けて死亡したということは極めて遺憾であり、かかる行為を強く非難するとともに、ご遺族に心から哀悼の意を表したいというように思います。
山本記者のご遺体は、現在トルコのキリスに搬送されており、現地には在トルコ日本大使館職員などが赴いて、現地警察等から情報収集を行うとともに、邦人保護の観点からご家族への連絡や遺体の搬送等、必要かつ可能な支援を行っているところでございます。
シリアの今後の状況は予断を許さず、我が国政府としては、引き続き今後のシリアの情勢を注視していくとともに、シリア政府による弾圧と全ての暴力が直ちに停止され、シリア人主導の政権移行プロセスがスムーズに進むよう、改めて強く求めます。また、新たに任命されたブラヒミ特使の努力を支え、引き続き国際社会と連携しつつ、シリア情勢改善のために取り組む考えであります。
※強調追加
【藤村官房長官】「いずれにせよ、何者かの銃撃を受けて邦人記者が死亡したことは極めて遺憾であり、かかる行為を強く非難するとともに、ご遺族には心から哀悼の意を表したい」
※冒頭発言がないためテキスト記録なし。動画から聴き起こし。
イラク邦人誘拐殺害事件の時とは異なり、日本政府は今回は、所謂「自己責任論」を前面に出していない。しかし同時に、”両紛争当事者”に対し国際法に照らして強い抗議の姿勢を示した訳でもない。政府が主体的に声明を発表した訳でもなく、記者の質問を受ける形で初めて次の発言を行った。続く
2012-08-22 00:50:15続き。「何者かの銃撃を受けて邦人記者(山本さん)が死亡したことは極めて遺憾であり、かかる行為を強く非難するとともに、ご遺族には心から哀悼の意を表したい」藤村官房長官|平成24年8月21日(火)午前 の官房長官記者会見 (00:11:50)http://t.co/cJc5s1xk
2012-08-22 00:51:04日本政府は国際法治に則った働きかけを
続き。犯行が「何者」によって行われたかにかかわらず、日本政府は邦人記者を害した行為を非難するだけでなく、国連安保理決議に照らし、シリア領内の両紛争当事者に対し、被害当自国として同決議の遵守を求める行動を起こすべきではないだろうか。現時点での政府対応には、強い不満を覚える。(了)
2012-08-22 01:00:16