心の傷を癒すということ

 1995年に起きた阪神淡路大震災で、自ら被災しながらも被災者のケアを行った精神科医安克昌先生(故人)の手記。東日本大震災を経て、増補改訂版が出ました。  つまみ食い的なツイートなので、安先生の本意から外れるところもあるかもしれませんが、それは私の不徳といたすところです。ご指摘いただけたら嬉しいです。また、よろしかったら本書も御覧ください。 注:Scansnapの読み取りにより、誤字脱字等多いです。
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p222 同前

宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

親の死に直面した子どもの反応は年齢によって違いがある。ラファエルによれば、一歳半から二歳でも悲嘆と思慕を、二歳~五歳では泣き叫び・怒り・否認・思慕・抗議・悲哀・絶望を、五歳~八歳ではそれに加えて罪責感と恐れが強くなる。 同前

2012-08-18 06:34:44
宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

十歳~十二歳では大人に近い反応になるが、「この年齢の喪失反応は、親の悲嘆や苦悩に対する自分の反応と家庭生活の混乱によってかならず複雑化するのである」。親を亡くした子どもの二五パーセントに、「小児うつ病」が見出されたという報告もある。 同前

2012-08-18 06:35:27

p223 同前

宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

傷ついた気持ちを口にすることは、恥であり、はしたないこととされてきたのである。現在でも、精神的な問題を訴える人に対して、「なにを甘えたことを言っているのか」「傷ついているのはお前だけじゃない」といった反応を示す人は少なぐ、ない。 同前

2012-08-18 07:06:52

p227 同前

宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

新しい環境に適応するためには多くのエネルギーが必要だが、消耗してうつ状態になったり、アルコールに溺れたり、感情や行動が〃荒れる〃ということが起きる。そして適応に成功した人とつまずいた人の格差は、時間とともに広がっていくのである。 同前

2012-08-18 07:28:15

p228 同前

宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

災害による生活変化によって生ずる青少年に特有の問題として、次の四点を挙げている… 一、人生の計画の狂いを生じる。二、SELF-ESTEEM (自己評価)の低下。三、非行や暴力につながる。四、道徳面での影響 同前

2012-08-18 07:36:00
宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

このような生活変化と不適応の問題は、個人の病というより、社会問題として重要である。これらは個別のケースへの対応だけでなく、社会制度上の対応も必要だろう。たとえば学校教育の中に〈心のケア〉を体験できるようなプログラムを導入することはできないだろうか。 同前

2012-08-18 07:36:30

p231 <心のケア>とは?

宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

…マスコミで用いられる「心のケア」という言葉ははなはだ意味不明で、聞くたびに私は居心地の悪さを感じた。野田正彰氏の言うように「(心のケアという)ファッションを報道するマスコミそのものがファッションに呑み込まれ、自分たちが何を書いているのか、判断するフィルターを持たなかった」 同前

2012-08-18 07:40:44

p235 同前

宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

被災者から話を聞くという技術「アクティブ・リスニング」について/「事実→考え→感情の順」というのは、被災者から外傷体験について話を聞くときの順序である。「何が起こったか」「どう考えたか」「どう感じたか」の順番に話を促すと、被災者も話しやすく聞き手も聞きやすい。 同前

2012-08-18 07:52:35

p237 同前

宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

子どもに対しては、子どもに地震の絵を描かせることがマスコミで大きく取り上げられたが、…スキンシップもまた大切である。恐がったら抱きしめてやり、「地震ごっこ」や「赤ちゃん返り」を認めてやることが大切である。子どもを安心させるような配慮を忘れてはならない。 同前

2012-08-18 07:54:08
宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

被災者に対するケアと同じくらい、救援者に対するケアも重要である。「傷ついた被災者と疲れたボランティア」(ロモ)では、十分なケアはできない。 同前

2012-08-18 07:59:45
宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

デブリーフィング /この救援者に対する〈心のケア〉の内容は、「被災体験や救援活動上のストレスフルな体験に区切りをつけるための、公式の話し合い」であり、「任務を終えたときに、良かった体験、ひどかった体験、その時の感情、現在の感情などについて話し合う」ことである 同前

2012-08-18 08:00:43
宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

これよりもう少し非公式な集まりで、〈心のケア〉のスタッフなしに行なうミーティングもある。これは、「デフュージング」といい、救援者どうしで雑談的に救援活動についてざっくばらんに話し合う。 同前

2012-08-18 08:01:16

p438 デブリーフィングについての注釈

宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

宮地尚子氏の解説:デブリーフィング(二三七頁)については、最近の研究では必ずしもPTSDの予防などに有効ではなく、むしろ有害なこともあるとされているようである。いつ、どこまで話を引き出すかは、専門家でも判断が難しい。 続く 同前

2012-08-19 21:05:29
宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

続き おそらく、語ることは重要であるが、参加者の安全が確保されていることや、話し相手が安心できる人であること、その人の望むタイミングに合わせ、無理やり話を引き出さないこと、話し終わった後に適切なサポートがなされることなど、基本的な条件が守られることが重要なのだろう。 同前

2012-08-19 21:05:54

p239 同前

宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

阪神・淡路大震災の被災地でも、現在、必要とされるのは個々の被災者に対する〈心のケア〉のテクニックだけではなくて、復興事業の中にどうやって〈心のケア・サービス〉を位置づけていくかである。 同前

2012-08-18 08:06:52

p240 同前

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