◆ザ・ヴァーティゴVS地底科学世界◆その3◆

ニンジャスレイヤー番外編?
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ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

あらすじ:地底世界第八ドメイン第八プラントに突撃した俺とウエスギはついにシュタインウルフガー博士の居場所、研究塔に辿り着いた。だけど、どうも様子が変!テレパスで伝えられた秘密情報からすると、こいつらは敵じゃないのかもよ?ウエスギ狐野郎!話を聞……ギャー!(彼は真顔で書き終えた)

2012-08-23 13:48:43
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◆ザ・ヴァーティゴVS地底科学世界◆その3◆

2012-08-23 13:49:01
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

一通りのやり取りの後、ザ・ヴァーティゴとウエスギは塔の中に通され、ギョーム将軍、シュタインウルフガー博士と共に会議室の円卓を囲むのだった。 1

2012-08-23 13:57:22
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「あんたら火星人が人類に攻勢をかけて、このままじゃ種の滅亡だって話だ」ザ・ヴァーティゴはギョーム将軍に言った。「アサッシンの火星手裏剣だってあるぞ。そもそも、そのアサッシンの軌道コンパスを使って、俺たちはここに来たんだ」 2

2012-08-23 14:10:39
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「その通りだ」ウエスギが言葉を継いだ。「人間と同じ容姿であるからといって、私にはさしたる問題ではない。事実如何では引き続き容赦せぬぞ」「物騒な事言うなよ」「貴公こそ、何を馬鹿な。召喚者の課す使命を反故にして、この世界に留まり続ける気か」「契約の前提が嘘ならナシになる筈だぜ」 3

2012-08-23 14:16:40
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ウエスギは咳払いして話を戻した。「シュタインウルフガー博士は人間でありながら侵略火星人に寝返った。ギョーム将軍を獄から逃がし、この第八ドメインに潜伏、他のドメイン情報を火星人に伝えて人類に対する奇襲攻撃を仕掛けさせた。恐るべきテクノロジー戦闘機を生産し……」「待ってください」4

2012-08-23 14:22:45
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シュタインウルフガー博士はウエスギに言った。「そもそも!ギョーム将軍は火星人ではありません。人類です」「何を……」「見てわかりませんか?」「シマ…」「シマウマの話はしないでいい」ザ・ヴァーティゴはウエスギを遮った。「でも火星人なんだろ?この火星手裏剣」彼は机に手裏剣を置いた。 5

2012-08-23 14:26:36
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「それは王家の紋章だ」ギョーム将軍は厳かに言った。「その手裏剣は我ら王家の十字紋章を武器にした由緒ただしき武器だ。火星などと」「ええ?じゃあシュタインウルフガー博士のカニの化け物とかはどうなんだよ」「あれは我が王家に伝わる防衛機械なのです。博士の作ではない。博士は哲学者なのだ」6

2012-08-23 14:32:27
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「ちょっと待ってくれよ……クラクラしてきた」ザ・ヴァーティゴは椅子に深くもたれた。「ナンデ?だって、火星人の襲撃で、人口が……ドメインが……」「貴方がたは宮廷の外を歩かれましたか?」シュタインウルフガー博士が言った。「賓客扱いで、外に出る事が無かったということは?」 7

2012-08-23 15:08:44
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「……それは、実際そうではある」ウエスギはヒゲをいじった。「カラマス大臣と侍従の者たち。賢人ゴラン。宮廷図書館……情報源は限られていたが……」「憎きカラマス」ギョームが唸った。「カラマスは謀反を起こし、王家の人間と、それに連なる者達を虐殺した」 8

2012-08-23 15:14:44
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ギョームはシュタインウルフガー博士を見た。「彼女の助けで、私は宮廷を逃れた。そしてこの第八ドメインに身を隠し、生き残った者達と、反撃の機会を伺っていた」「……」ウエスギはザ・ヴァーティゴを見た。「火星人やその武装に関する、我々の前提知識そのものが、謀りであると?」 9

2012-08-23 15:26:11
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「シャンデリアから襲ってきた邪悪なスパイ。手には火星手裏剣。あらかじめ教えられていた特徴そのままだった。参ったな」「カラマスの狙いは、王家に伝わる召喚テクノロジー機械であったに違いない」ギョームは言った。「呼び出すのは貴方がたに留まるまい」 10

2012-08-23 15:36:23
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「私がゴラン達に召喚機械の操作法を伝えました。私は知っていたのです」シュタインウルフガー博士が言った。「私の責任です」「旅人である貴方に、我が国の政治事情などわかろう筈も無し。貴方のせいではありません」ギョームが言った。「彼女は召喚機械の操作方法を知る。つまり、停め方も」 11

2012-08-23 15:42:21
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「それで、機械を停められたら都合が悪いから、俺たちに博士を殺させようッて事か?」「……成る程な」ウエスギは腕を組んだ。そしてギョームと博士を睨んだ。「貴公らをこのまま拘束し、連れ戻る」 12

2012-08-23 15:46:12
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「戦士達がギョーム将軍とシュタインウルフガー博士を捕縛し、帰還しました」伝令が敬礼した。カラマス大臣は椅子から腰を浮かせた。「やったのか!」彼は額の汗を拭った。「そうか……やったか」彼は賢人ゴランと顔を見合わせた。「通しますか」と伝令。「待たせよ。しばし、わしら二人だけに」14

2012-08-23 17:11:46
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伝来が施錠して謁見の間を引き下がると、彼らは沈痛な面持ちでもう一度目を見交わした。「仕方の無い事だ」「……その通りです」 15

2012-08-23 17:14:12
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

『その通りだ!』彼らのすぐ後ろの空間から奇怪な声が発せられた。『貴様らが生き残る唯一の立ち回りだ。にもかかわらず、その悲しげな態度。気に食わんぞ』「め……めっそうもございません」彼らは弾かれたように振り返り、声の主の居場所に見当をつけて土下座した。16

2012-08-23 17:18:10
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

『貴様ら二人の態度如何で、このケチなドメインの二万人の命運も決まるぞ』透明の存在は威圧的に声を放った。『我々が人類500万人殺すのと、残る2万人を殺すのでは、どちらが簡単かな?』「どうか!どうか」カラマスは床に額を擦り付けた。「それだけはどうか」 17

2012-08-23 17:24:11
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

『そもそも、なぜ博士を連れて帰らせた?もはや転送機の技術は、そこの老いぼれが十二分に学んだであろう。すぐに処刑せよ』「そうはいきません」カラマスが訴えた。「連れて来られたからには、正規の裁判を経ません事には……反乱の種にもなります。ただでさえ強引な手段であったのですから……」18

2012-08-23 17:37:48
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

『勘違いしておるな』透明の存在が冷たく言った。『貴様は家族の命と引き換えに私に国を売った、卑劣な屑である。屑は屑らしく、首尾一貫して振る舞うがよい。貴様の子供は六人。口ごたえすれば、一人ずつ殺すだけだ。恥を捨てて家族を取ったというのに、今更不平を言えば それすら無駄になるぞ』19

2012-08-23 17:44:28
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

「こらえなされ」ゴランは苦渋の表情で諭した。「人類のための選択です」『違うな!すべて利己的で卑しい行動よ。貴様ら自身の命、家族の命。その為に人類を裏切ったのだ。貴様ら二人は卑しく醜い!』「ウーッ」カラマスは床に額を擦り付けたまま泣いた。 20

2012-08-23 17:57:24
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

彼らを威圧するこの透明な存在こそ、火星人である!かつてこの星に来襲した火星人は65のドメインを全て滅ぼし、500万の人類を殺し尽くした。各ドメインの発電施設の核となる貴重なエネルギー源、太陽スペクトル反転体を全て奪い、引き上げて行った……彼一人を除いて! 21

2012-08-23 18:05:39
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

彼はこのドメインの担当火星人の一人であった。このドメインを襲った宇宙船は撤収時に運悪くガラス竜の攻撃に晒され、撃墜された。唯一の生き残りであった彼は傷を癒し、機会を窺い、大臣とゴラン賢人を脅して謀反を起こさせたのだ。彼は透明の支配者として人類に君臨した! 22

2012-08-23 18:18:23
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