暮らしの中の放射線・放射能はどの程度?

「暮らしの中の放射線・放射能はどの程度?」よく知られているとは思うけれど、改めて確認した。 自然放射線の起源には4種類ある: (外部被曝2種類)1)宇宙線のμ粒子、2)地面や壁からのγ線 (内部被曝2種類)3)食物の40K等のβ線、4)空中のラドン222Rnのα線 続きを読む
自然
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MIZUNO Yoshiyuki水野義之 @y_mizuno
京都~大阪を行き来する私の日常生活空間での積算線量を、今日から1日1回メモする予定。ちなみに2012年8月の福島旅行中は4日で8μSv。同じ頃、阪大RCNPの実験室では11日間に19μSv。あまり変わらない。なお実験室での空間線量率は約0.065μSv/h、関西の平均がこの程度。
MIZUNO Yoshiyuki水野義之 @y_mizuno
もちろん空間線量率は、場所によって大きく異なる。例えば同じ関西でも、高い所と低いところとで、10倍くらい異なる。関東の最高と最低では20倍以上の開きがある。この原因は、岩石と土の質の違いによる。具体的には、天然のカリウム40成分の多寡、ウラン・トリウム成分の多寡でほぼ決まる。
MIZUNO Yoshiyuki水野義之 @y_mizuno
メモ。天然の40Kは放射性(半減期12.8億年)で日常の食物にも含まれ、天然カリウム全体の約0.0117%を占める。カリウムは普通の土壌や花崗岩(特に長石と雲母)に多く含まれる。ところが同じ花崗岩でもK成分の多寡に大きな違いがある。それで場所によって、自然放射能に違いが生じる。
MIZUNO Yoshiyuki水野義之 @y_mizuno
自然放射能が場所で違う原因は、40Kの違いに加えて、天然のウラン・トリウムの違いもある。天然ウランは普通の岩石中に約3ppm(1トンの庭石に3g程度)含まれる。天然トリウムはさらにその4倍。しかし場所によって100倍も違い、その成分の違いで、場所による自然放射能の違いも生じる。
MIZUNO Yoshiyuki水野義之 @y_mizuno
γ線の空間線量率は場所により大きく異なる。その違いの原因を、天然の40Kと天然ウラン・トリウム成分の、場所による違いで推定した結果:http://t.co/xp1rqDy5 この地図で、大阪府茨木市の大阪大学付近を見ると約0.074μSv/hの程度。これは私の実測と矛盾しない。
MIZUNO Yoshiyuki水野義之 @y_mizuno
天然のウラン・トリウムが本当に、そんなに多く身近にあるの?と思ったとしよう。「理科年表」を調べると2011年度版までは約900ppb (0.9ppm)と出ているはず。これは文献が1985年だったから。2012年度版から、2003年の文献になり、約3倍にあがり(苦笑)2.7ppm。
MIZUNO Yoshiyuki水野義之 @y_mizuno
岩石は天然ウラン・トリウムを数ppm含む。なぜγ線が出るか。純粋の238Uや232Thはα崩壊しか起こさない。しかし地球に何十億年もいるうちにα崩壊し、次々に別の原子核に変化し、途中でγ線も出す。図の波線がγ線で、これらが全部出ている: http://t.co/jQ55sXfm
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偽ひよこ @sitemaster_KRM
@y_mizuno よく信じる(というか手抜きで調べる)http://t.co/MPLzO5kqによると,海水中で3.2ppbくらいですか.
MIZUNO Yoshiyuki水野義之 @y_mizuno
@sitemaster_KRM それにしても、珍しい資料をご存知ですね。あそこ(JLab)は、アメリカの核物理・ハドロン物理用の電子加速器研究センター。 ウランの説明 http://t.co/GkJ2kuwS
MIZUNO Yoshiyuki水野義之 @y_mizuno
@sitemaster_KRM ウラン238が自然の海水中に3.2ppbあるとすると、1Lの海水にウランは3.2μg、そのモル数を計算して、半減期45億年で崩壊率(ベクレル数)を計算すると、0.04Bq/Lという結果。まぁこんなものでしょう。岩石中で10Bq/kg程度だった記憶。
MIZUNO Yoshiyuki水野義之 @y_mizuno
@sitemaster_KRM 失礼、以前計算した時は、ウランが岩石中に1ppmあるとして計算して10Bq/kg程度だったかと。最近のデータでは、天然ウランの地殻平均濃度が3倍に増えているので、再計算するなら、 30Bq/kg程度になりそう。確認すると約34Bq/kgですか。
MIZUNO Yoshiyuki水野義之 @y_mizuno
天然ウランには2種類ある:238Uと235U。238Uが大部分で235Uは微量。しかしウランの放射能は、実は天然に存在しない234Uも考える必要がある。234Uは238Uのα崩壊後に自然生成、半減期が短くて放射能が強い。この効果を入れると天然ウランの放射能は238Uだけの約2倍。
MIZUNO Yoshiyuki水野義之 @y_mizuno
天然ウランの放射能では、実は234Uも考える必要がある。この234Uは、238Uから常時生成されては即座に(半減期24万年で)消えて行く。つまり238U(半減期45億年)はゆっくり崩壊し、1個崩壊すれば234Uが出来ては消える。これを放射平衡と呼ぶ。結果的に、放射能は2倍になる。
kato takeaki @katot1970
これだけ見ると誤解を招くので捕捉。α崩壊後は、別の名前の原子に変わります。238Uのα崩壊後はトリウム234になり、それがβ崩壊してプロトアクチニウム234になり、それがもう一回β崩壊してウラン234に辿り着きます。 RT @y_mizuno: 天然ウランには2種類ある
MIZUNO Yoshiyuki水野義之 @y_mizuno
御意。途中省略しました。補足の通りです。@katot1970 これだけ見ると誤解を招くので捕捉。α崩壊後は、別の名前の原子に変わります。238Uのα崩壊後はトリウム234になり、それがβ崩壊してプロトアクチニウム234になり、それがもう一回β崩壊してウラン234に辿り着きます。
MIZUNO Yoshiyuki水野義之 @y_mizuno
ウラン崩壊系列の図。簡単バーション:http://t.co/jQ55sXfm 複雑バージョン:http://t.co/eDBbH5Kv 確認テスト^^:http://t.co/E7LJN8kZ http://t.co/hwLIKIwU http://t.co/VkzB71Km
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カレーさん★★★★ @kitamurakenji
@y_mizuno 水野先生、変な質問ですみません。確認テスト1,2にある可愛らしいイラストは先生が描かれたのですか?
MIZUNO Yoshiyuki水野義之 @y_mizuno
いえいえ、学生さんの作品です。私は提案しただけで、問題も完全オリジナル。よく出来ていると。表紙の絵を書いた人:http://t.co/deGRvzD9 @kitamurakenji 水野先生、変な質問ですみません。確認テスト1,2にある可愛らしいイラストは先生が描かれたのですか?
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カレーさん★★★★ @kitamurakenji
なるほど。小学生5年生向けのテストなんですね。面白くて、よくできてますね^^ QT @y_mizuno: いえいえ、学生さんの作品です。私は提案しただけで、問題も完全オリジナル。よく出来ていると。表紙の絵を書いた人:http://t.co/kF9lFIGv
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MIZUNO Yoshiyuki水野義之 @y_mizuno
小学校高学年向けです。ありがとうございます。伝えておきます^^ @kitamurakenji なるほど。小学生5年生向けのテストなんですね。面白くて、よくできてますね^^ QT @y_mizuno: いえいえ、学生さんの作品です。私は提案しただけで、問題も完全オリジナル。よく出来
ryugo hayano @hayano
@y_mizuno 食品中のPo-210も0.6mSv/年.
MIZUNO Yoshiyuki水野義之 @y_mizuno
0.6mSv/年は、ちょっと多くありませんか? UNSCEAR2008でも0.12mSv/年となってましたが…。http://t.co/YHrkr6ZA  @hayano 食品中のPo-210も0.6mSv/年.
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MIZUNO Yoshiyuki水野義之 @y_mizuno
再)自然放射線4成分詳細、【外部被曝2成分】1)宇宙線μ粒子と中性子、2)地面や岩石・壁のγ線(40Kと天然U・Th等)、【内部被曝2成分】3)空中ラドン222Rn等のα線、4)経口摂取=食物の40Kのβ線と210Poのα線等。 http://t.co/45vODx3e
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MIZUNO Yoshiyuki水野義之 @y_mizuno
誤記訂正しました。http://t.co/45vODx3eにおいて、訂正後は「【内部被曝2成分】4)経口摂取=食物の40Kのβ線と210Poのα線等。」ここで訂正前は210Poのα線となってませんでした(210Poの影響は当然、β線でなくα線ですね)。以上、お詫びして訂正します。
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ryugo hayano @hayano
@y_mizuno 先ほどDMした論文をどうぞ.最近日本の数値が変わりました.
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コメント

MIZUNO Yoshiyuki水野義之 @y_mizuno 2012年8月24日
まとめを更新しました。少し編集。タイトルに「放射能」という言葉を入れました。
MIZUNO Yoshiyuki水野義之 @y_mizuno 2012年8月24日
まとめを更新しました。特にU238とU234の放射平衡の話題も入れました。
MIZUNO Yoshiyuki水野義之 @y_mizuno 2012年8月24日
まとめを更新しました。特に、ウラン崩壊系列の図について、補足投稿を追加。 
MIZUNO Yoshiyuki水野義之 @y_mizuno 2012年8月25日
まとめを更新しました。特に、日本人の自然被曝線量(推定平均値)が変わった(1.5mSv/年→2.1mSv/年)のようですので、その話題も追加しました。
number64 @number64log 2012年8月25日
今まで、自然被曝線量の内訳や特性など細かく勉強していなかったのですが、大変参考になりました。
坂本多穂 Kazuho Sakamoto @kazuho14 2012年8月25日
Poの話は興味深かったです。ということは、他の魚食の多い国や地域のバックグラウンド被曝量もこれから再評価されるのかもしれませんね。
MIZUNO Yoshiyuki水野義之 @y_mizuno 2012年8月25日
@number64logさん、それは(お役に立てて)よかったです。ちょっとマニアックな、オタ的な知識なんですけどね、でもこれで分かることもあろうかと思ってまとめました。
MIZUNO Yoshiyuki水野義之 @y_mizuno 2012年8月25日
@kazuho14さん、同感です→「他の魚食の多い国や地域のバックグラウンド被曝量もこれから再評価されるのかもしれませんね。」
MIZUNO Yoshiyuki水野義之 @y_mizuno 2012年8月25日
まとめを更新しました。一箇所で誤記訂正。失礼しました。
number64 @number64log 2012年8月25日
本まとめは2)についてなので、以下筋違いになってしまうのですが、Poの影響が再評価されたことで、Csによる内部被曝追加への対策として”CsとPoの影響をトレードする”というアプローチが取れるのではないか、と考え始めました。体内での挙動の違いなど、調べることは沢山ありそうですが・・
MIZUNO Yoshiyuki水野義之 @y_mizuno 2012年8月25日
@number64logさん、なるほど、魚(魚介類の摂取)を減らせば(Csによる内部被曝追加への対策として”CsとPoの影響をトレードする”)ということかと思いますが、これは、ご指摘のように、それで却って別のリスク増加がないように、つまり他にも調べることは多くありそうな気がしますね。
number64 @number64log 2012年8月26日
@y_mizunoさん はい、仰る通り、魚介類の摂取を減らすことによる別リスク派生は要検証ですね。何はともあれ含有量の多い食品を調べるところから当たってみたいと思います。PoはKのような必須栄養ではないですし、うまくトレードできるなら、ひとつの有力な対策になるのではないかと。
number64 @number64log 2012年8月26日
杉山氏の論文を読ませて頂きました(※途中で挫折してます..)。 ・地域によって食品中のPo含有量にかなり差がある ・この論文に使用された調査結果が最新&最詳細である模様 ・魚介類の個別の数値は無かった ・野菜/キノコ/海草 が次点、なので海草がセーフとは断言できない 等 読み取りました
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