安藤礼二 @reiji1967 さんの雑誌『民族』をめぐって、柳田國男と折口信夫、宇野円空と赤松智城らブッディスト・アンソロポロジストと岡正雄について

安藤礼二 @reiji1967 さんの雑誌『民族』をめぐって、柳田國男と折口信夫、宇野円空と赤松智城らブッディスト・アンソロポロジストと岡正雄について概要をまとめました。
2
安藤礼二 @reiji1967

いよいよ明日です。江川純一、溝口大助、安藤礼二、公開研究会「宗教学、社会学、民俗学の誕生-ヨーロッパと日本の共振」、8月25日(土)14時より。多摩美八王子芸術人類学研究所。聴講・参加自由。http://t.co/eM61fJlF

2012-08-24 14:33:26
安藤礼二 @reiji1967

明日、私は、雑誌『民族』をめぐって、柳田國男と折口信夫、宇野円空と赤松智城らブッディスト・アンソロポロジストと岡正雄について話します。

2012-08-24 14:36:12
安藤礼二 @reiji1967

雑誌『民族』に折口信夫は後に『古代研究』の冒頭に据えられる「常世及びまれびと」を書くが、柳田國男は掲載を認めなかった。『民族』を実質的に編集していた岡正雄は折口の論考を傍らに置いて、「異人その他」を書き上げる。

2012-08-24 14:38:21
安藤礼二 @reiji1967

柳田と決裂した岡はウィーンに留学、「異人その他」をさらに発展させた学位論文『古日本の文化層』を書き上げる。その中核には、年齢階梯組織と結びつけられたマレビト論があった。

2012-08-24 14:42:20
安藤礼二 @reiji1967

岡の『古日本の文化層』の仕上げを手伝ったアレキサンダー・スラヴィクは、マレビト論の基盤となった琉球の秘密結社とゲルマンの秘密結社の在り方があまりに共通しているのに驚く。ゲルマンでも、ベルセルク(狂暴戦士)の激しい舞踏とともに死者がよみがえってくる。

2012-08-24 14:45:41
安藤礼二 @reiji1967

スラヴィクは「日本とゲルマンの祭祀秘密結社」という論考を発表する(1936年)。この論考に大きな衝撃を受けたのがミルチャ・エリアーデで、エリアーデはスラヴィク=岡の見解(すなわち折口のマレビト論、来訪者信仰)を『永遠回帰の神話』の重要な一節として取り上げる。

2012-08-24 14:48:15
安藤礼二 @reiji1967

『民族』では赤松智城が「マナに就いて」を、田辺寿利が「デュルケイム派の宗教哲学」を連載していた。折口のマレビト論(「常世及びまれびと)はそのようななかで形になった。日本とヨーロッパは共振している。

2012-08-24 14:51:12
安藤礼二 @reiji1967

スラヴィクの「日本とゲルマンの秘密結社」は、ナチスとも深い関係をもったオットー・ヘフラーの『ゲルマン人の秘密結社』をもう一方の重要な参考文献としている。同時期、ジョルジュ・デュメシルもまた、ゲルマンの戦士たちの秘密結社に関心をもった。

2012-08-24 14:53:53
安藤礼二 @reiji1967

デュメジルは、戦士たちの狂暴な宴を主題とした『ゲルマン人の神話と神々』を書き、後にドゥルーズ=ガタリも『千のプラトー』で大きく参照する『戦士の幸と不幸』に発展させる。学問は決して政治と無関係ではないし、ある意味では善悪の彼岸にその体系が築き上げられる。

2012-08-24 14:56:58
安藤礼二 @reiji1967

折口信夫のマレビト論然り、岡正雄=スラヴィクの日本とゲルマンの秘密結社論然り、デュメジルの戦士論然り。エリアーデは、そのすべてを参照して自身の宗教学の体系とした。

2012-08-24 14:58:32