出典:シバユウスケ『ペコロス』(『ビッグガンガン』2012年Vol.09)
これは面白い例。読み方としては、「動いている」のは動線になっている背景で視線も背景に注目するような話なので、「背景が左に動いている→電車は右移動」という可能性も想定して読みました / “近代麻雀漫画生活:月刊ビッグガンガンと、漫画の「…” http://t.co/CxE99FKv
2012-08-27 01:47:46例えばこのコマだと、「左(読み方向)に流れている」のは、手前の絵ではなく、背景の動線ですからね http://t.co/CU04tJZF
2012-08-27 01:56:49出典:赤松健『魔法先生ネギま!』8巻
ただ、これが面白いのは、上記の「読み方」向きの決定因にはならなくて、ニュートラルな絵になってるところでしょうね。動いてる向きはわからないけど動いていることだけはわかる http://t.co/tyglnASi
2012-08-27 02:01:47ちなみに、逆に動く「物体」と「風景」があったときに、どちらに視点を固定するか、という行為を専門的には「投錨」と呼びます。電車の場合、車内をピンで留めるようなイメージで視点を固定すれば車窓の風景が左に流れますし、風景を固定すれば車内が左に流れるわけです
2012-08-27 02:19:42この「投錨」は漫画に限らず、日常で私たちが行なっていることですね。星座が動いていると思えるのは、地面に立つ自分を固定させているからです(星座に投錨すれば私たちが地面ごと動きます)。自分が歩くことで「移動した」と感じるのは地面を固定しているからです(自分に投錨すれば地面が動きます)
2012-08-27 02:25:47この「投錨」はビデオゲームのデザインにも応用できる考え方で、前述したように、人間は自分が移動するときに、空間に投錨してから自分がその上を動くイメージをした方が自然です。自分に投錨して、周囲の空間が流れるとはイメージしない。ポリゴンアクションで自キャラが前後不覚になりやすい理由です
2012-08-27 02:30:37ゲームを含んだ映像作品における「投錨」というのは、「主観となるキャラクター」と「主観となるカメラ」を区別した場合、カメラをどこに固定するか? という問題に置き換えられるでしょうね
2012-08-27 02:34:27海外ゲームはそのふたつをあまり区別せず(=純粋なFPS)、別画面のマップなどで「空間への投錨」の代わりとし、日本のゲームはそのふたつが基本的に区別される(鳥瞰視点が多い)ので、両者の距離感や投錨のタイミングを複雑なアルゴリズムで処理しなければならない……という違いがある気がします
2012-08-27 02:37:10