『西洋美学史』twitter読書会 14章~15章

小田部胤久著の『西洋美学史』を、なんとなく集まった専門バラバラ文系民で読み進めた読書会の試み第六回まとめ(8/27)。
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14章 シェリングと反省とアレゴリー…ってなんだろう?
jabrafcu @ja_bra_af_cu
@twidokusho んでは 第14章 自然と芸術Ⅱ――シェリング いきます
jabrafcu @ja_bra_af_cu
本章ではここまでにみてきた「自然の模倣」という芸術の原理をシェリングが逆転させ、完全な芸術こそが自然美の判定の基準となるという理論を提唱したことが論じられる。 #西洋美学史読書会
jabrafcu @ja_bra_af_cu
まず古典古代では「芸術は自然を模倣する」ものではなかった。プラトンにおいては芸術はイデアとしてのピュシスを直接模倣するものではなかったし、アリストテレスの言葉では「技術は自然を模倣する」であり芸術だけに限られるものではなかった。#西洋美学史読書会
jabrafcu @ja_bra_af_cu
アリストテレスにおいては、自然も技術もともに事物を生成させる原理である。技術は事物の外(技術者)にある原理であり、材料や目的と事物との関連は偶然的である。一方、自然は事物自体に内在する原理であり、自ずからある目的(telos)を目指して生成する。#西洋美学史読書会
jabrafcu @ja_bra_af_cu
こうした自然の合目的性を模範とすることで技術もまた合目的的に完全なものとなる。その一方で技術は自然にかけているものを補うこともできる(ex. 農業)。#西洋美学史読書会
jabrafcu @ja_bra_af_cu
「技術は、自然が成し遂げられないことを完成するとともに〔自然を〕模倣する」(p.176、〔〕も著者)とはこうした技術と自然の関係を捉えた言葉であるが、特にルネサンス以後、技術のうちには自然を模倣するものと自然を補完するものとがあると誤解された(リーパなど)。#西洋美学史読書会
jabrafcu @ja_bra_af_cu
シェリングによれば、18世紀中頃まで自然の外的形式を単に形式的に模倣することが続いた。ヴィンケルマンに自らの理想とする「現実を超えた理念的自然の生産」としての芸術を見出すも、彼を含む古典主義では「自然をよく模倣しえた古代人の模倣」が形式的になされていた。#西洋美学史読書会
jabrafcu @ja_bra_af_cu
こうした硬直した形式主義を超えるものとしてシェリングは自然の精神と芸術家の競合という理論を提示する。#西洋美学史読書会
jabrafcu @ja_bra_af_cu
“自然によって生み出された存在である人間が、「芸術」という営みをとおして、まさに自己を生み出した「自然の精神」と競い合い、「自然の精神」がなお「盲目的」に行なっている創造過程を「反省」しつつ、それを模倣する”(p. 180)#西洋美学史読書会
jabrafcu @ja_bra_af_cu
このようにして作られた芸術によって“常に「生成」と「消滅」にとらわれている”自然の所産を“「純粋な存在」のうちに「現象”させ、“時間のうちにとらわれた自然的存在者を原像の世界へと高める”(p.180)。この原像という考えにより芸術のほうが規範的なものとなる。#西洋美学史読書会
jabrafcu @ja_bra_af_cu
シェリングは象徴とアレゴリーを対比することでも古代世界(古典主義)の近代(ロマン主義)による乗り越えを図った。#西洋美学史読書会
jabrafcu @ja_bra_af_cu
象徴においては普遍と特殊(魂と身体、精神的なものと自然的なもの)が絶対的にひとつであり、古代ギリシアの彫像が典型である。アレゴリーは特殊なものが普遍的なものを意味するもので、近代的な芸術作品がまさにそれである。#西洋美学史読書会
jabrafcu @ja_bra_af_cu
ギリシアにおいては無限なものは有限なもの(素材・作品)と結びついているために、有限なものに従属する「質量的無限性」にすぎない。対して近代的な芸術作品はアレゴリーであることによって直接に無限的なものを目指す。#西洋美学史読書会
jabrafcu @ja_bra_af_cu
しかしアレゴリーが不可視な精神世界を指し示しているのか、単に散文的な事実を示しているのかは外見のみからは区別できず、ただ散文的現実を見る人と不可視な精神世界を見るロマン的な人々との対立が生じうる(ex. ホフマン「ファールーンの鉱山」)。#西洋美学史読書会
jabrafcu @ja_bra_af_cu
〔シェリングに見られるような〕ロマン主義は「すなわち感性的に表現する事のできないもの(現前不可能なもの)はそれでもなお表象されるのか」(p. 185)という問いに直面し危機を迎えた。この問題は20世紀、例えばリオタール『非人間的なもの』などへと引き継がれた。#西洋美学史読書会
DG-Law/稲田義智 @nix_in_desertis
オスカー・ワイルドOscar Wilde(1854~1900)イギリスの詩人・作家。象徴主義・耽美主義に属す。その作風からか,アンサイクロペディアでよく見かける。代表作は,美術史的に『サロメ』としておきたい。 #西洋美学史読書会
DG-Law/稲田義智 @nix_in_desertis
チェーザレ・リーパCesare Ripa(1560~1622)象徴・寓意の体系について整理したのが主著の『イコノロギア』。こうした教科書的な「エンブレム・ブック」の出版は当時の流行であったが,美術の中心地イタリアで発行されただけあってリーパのものは名高い。 #西洋美学史読書会
DG-Law/稲田義智 @nix_in_desertis
ただし,本書の例にあるように,多くの象徴は古典古代の事物に中世の誤解を加え,さらにルネサンスの古典古代復興でさらなるひねりを加えられた混乱したものであった。その歴史的経緯の解明から,パノフスキーのイコノロジーは勃興する。 #西洋美学史読書会
DG-Law/稲田義智 @nix_in_desertis
タタルキェヴィツTatarkiewicz(1886~1980)ポーランドの哲学者。今回調べるのに一番苦労した人。『哲学史』『美学史』が主著らしいが,英語版Wikipediaくらいしかろくな記述が見当たらず。そもそも読みがタタルキェヴィツであっているのかどうか。 #西洋美学史読書会
DG-Law/稲田義智 @nix_in_desertis
ヴィンケルマンJohann Joachim Winchelmann(1717~68)ドイツの思想家。レッシングのラオコーン論争の相手。芸術の最高に古典古代を置いた。また,「芸術は自然よりも上」理論をシェリングに先立って構築したのも彼なのは,本章にある通り。 #西洋美学史読書会
DG-Law/稲田義智 @nix_in_desertis
リオタール Jean-Francois LYOTARD(1924~98)フランスの現代思想家。ここで言われているのは彼の崇高論に関する「表象不可能性」の概念だと思う。リオタールが前提としている現実世界の現象は,ホロコーストと原爆である。 #西洋美学史読書会
DG-Law/稲田義智 @nix_in_desertis
E.T.A.ホフマン Ernst Theodor Amadeus Hoffmann(1776~1822)ドイツ,ロマン主義の作家。tieckP案件なのでそっちにパス。 #西洋美学史読書会
tieckP(ティークP) @tieckP
シェリングは、すぱっと分かりやすくないだけにかえって、あの頃の思想家でも一番頭良かったのではないかというオーラが漂っている。ホフマンは万能の天才。本業は裁判官ながら、作曲家でもあり舞台演出や風刺画もこなした。一番余技のようにしてたしなんだ小説で文学に名を刻む。 #西洋美学史読書会
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