太母リリス及びガフの部屋と生命力の欠如-旧エヴァネタ-

未完。
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アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

私の一般命題とは、こうである-原初の事物の原始の単一の中に、その後の全ての事物の原因が潜み、同時に、それら全ての不可避的な消滅の萌芽も潜む。(エドガー・アラン・ポオ)

2010-07-18 23:03:46
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

ポオの『ユリイカ』にはビッグバンとビッグクランチを想起させられる。バタイユの『呪われた部分』とも関連性を見出せるかもしれない。シュタイナーの我々が宇宙の中心にいるのではなく周辺にいるというのと個体化の原理を、ポオの「拡散」とガフの部屋が空っぽになったというのをネタにしてみるか?

2010-07-19 02:17:42
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

『ユリイカ』、あと少しで読み終わる。ポオの宇宙論とバタイユの『呪われた部分』、ヘブライ伝説のガフの部屋との錬金術的思索を試みてみることにしよう。できれば高橋巌を参考にしつつシュタイナーの個体化の原理も混ぜてみたいが、難しいかもなぁ…。

2010-07-19 04:20:25
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

無意識が自我-胚芽を子宮の中の胎児のように完全に包み込んでいる段階を、ユング心理学ではウロボロス的・プレローマ的と呼ぶ。この段階では、まだ自我は意識-コンプレックスとしては姿を現しておらず、また意識-自我体系と無意識の間に緊張はない。

2010-07-19 15:54:24
Ciel @cozpb

楽園においては人は知恵を働かせなくても暮らしていけたのです。

2010-07-19 15:59:38
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

ノイマンは、この段階のことをウロボロス的というのは、それがウロボロスのシンボル(円環状の蛇)が、支配的であり、このシンボルが完全な非分離を表している[=万物が万物に流入し、万物に依存し、万物と関連している]からであるとしている。

2010-07-19 15:59:45
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

そして「プレローマ的」(グノーシス神話の用語)というのは、自我-胚芽がまだ「充溢」、形姿以前の神性の中にあり、意識がまだ誕生していないため、原卵・楽園の至福の中で「現状態にある」からだという。このプレローマ的なあり方は、後の自我からは原-至福と見做されるという。

2010-07-19 16:05:19
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

何故なら自我と自我体験の出現によって、苦悩が生まれるからである。プレローマ的状態が後の自我にとって原-至福と見做されるというのは、この段階においては如何なる苦悩もないからだとされる。これは胎内回帰願望と同じ意味を持っている。

2010-07-19 16:11:12
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

ユング心理学的にはユダヤ神秘主義カバラの「エン・ソフ」もまた同じ位置づけに見立てられている。即ち「充満-空虚」[=空(くう)]。そこでまたエヴァネタに移行するが、これに該当するのが、ヘブライ伝説における、神の館にあるとされる生まれる前の人の魂が或る場所、「ガフの部屋」である。

2010-07-19 16:17:49
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

すみません、http://ht.ly/2dfb2 に書かれている「現状態にある」は、正しくは「原状態にある」でした。

2010-07-19 16:20:55
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

伝説によるとこの世に生まれてくる全ての子どもたちは、ガフの部屋から魂を授かって生まれてくるとされ、雀はその部屋から魂が降りてくる様子を見ることができ、その囀りは子どもが生まれる前兆だとされる。

2010-07-19 16:31:08
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

しかし、リツコが言うような「ガフの部屋」が空っぽになると、雀は囀るのをやめてしまい、生まれてくる子どもには魂が宿らなくなり、空っぽの肉体だけで生まれてしまうようになる。従って雀が囀らなくなると、それは世界の破滅の前兆だと見做されていたそうである。

2010-07-19 16:35:03
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

グノーシス神話の「プレローマ」は、時に「子宮」と表現されることがあるが、これは旧エヴァの「ガフの部屋」をリリスの卵「黒き月」乃至リリスの体内(胎内)と見立てた場合、同じ位置づけに見立てることができると考えられる。(普遍志向過ぎて怒られるかもしれないけど・・・)

2010-07-19 16:40:11
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

この見方では、「ガフの部屋が空っぽになった」ということと「出来損ないの群体として行き詰った人類」と言うのはつなげてみることができる。ポオの宇宙論において書かれている「拡散」と「単一への回帰」、バタイユの『呪部』における「生命の横溢が及ぼす圧力の欠如」についての補足が必要だけど。

2010-07-19 16:47:42
Ciel @cozpb

意識の発生こそ最大の謎だと思います。生命体に意識が宿らなければ存在は一切の意味を失うと思うのですが・・・

2010-07-19 16:59:38
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

RT @lifepudding: 意識の発生こそ最大の謎だと思います。生命体に意識が宿らなければ存在は一切の意味を失うと思うのですが・・・

2010-07-19 17:01:00
Ciel @cozpb

@Abraxas_Aeon ありがとうございます。

2010-07-19 17:10:15
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

とりあえずとぅぎゃっておこうか・・・。

2010-07-19 17:10:18
@Abraxas_Aeon

労働と技術によって、人間は授けられた限界を越えて、その拡張を可能にした。しかし、[…]その運動の太陽起源と合致した燃焼に対して生命の圧力が提供する剰余エネルギーを、激しく、豪奢に、消尽するのに、生きとし生けるもののうちで、人間は最も適している。『呪われた部分』

2010-07-19 18:31:59
@Abraxas_Aeon

http://ht.ly/2dh9t]この真理の逆説的性格は、充溢が頂点に達した時、その意味が様々な形で隠蔽されるという事実によって更に強調される。現状においては富をその本分に、即ち返報のない贈与、浪費に復帰させようとする基本的動きを、全てがよって集って誤魔化しにかかっている。

2010-07-19 18:37:42
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

一方では、機械化された戦争が、荒廃を推し進め、この動きを人間の意志とは無縁な、対立的なもののように見せかける。一方また生活水準の上昇はいささかも奢侈の要求として現れることがない。それを要請する動きは大資産の奢侈に反対する抗議の形をすらとる。『呪われた部分』

2010-07-22 14:46:27
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

従ってそのような要請が公平の名において行われる。無論公平を悪し様に言う気は毛頭ないが、この言葉がその逆のもの、まさしく自由の深い真理を包み隠していることをここで指摘するくらいはいいだろう。『呪われた部分』

2010-07-22 14:54:26
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

公平の仮面のもとに、実を言えば普遍的自由が、必要性に隷従した暮らしの色あせた無味乾燥な容貌を呈しているのである。これはむしろ己の限界を中庸価格にまで縮めることであって、危険な解放などではない。その言葉からこのような意味は失われてしまったのだ。『呪われた部分』

2010-07-22 14:56:14
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

それは隷属の危険に対する保証でこそあれ、それなくして自由がありえない危険を引き受けようとする意志などではない。『呪われた部分』

2010-07-22 14:57:25
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

富の蕩尽に対する我々の反応のこのような二重変質には一種の呪詛感が纏わりつく。怪物的形態を取りつつある戦争への反感、その伝統的形態が今後は不公平を意味するに至った奢侈的浪費への反感。『呪われた部分』

2010-07-22 16:25:00