稲川淳二（@Junji_Inagawa）のつぶやき怪談まとめました。残暑が厳しい今日この頃、背筋が凍るような怖い話はいかがですか？

稲川淳二 @Junji_Inagawa

今夜、「つぶやき怪談」やらせていただきま～す。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

ゾーッとする、とびっきり怖い話、を用意しました。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

皆さん、お待たせしました。「つぶやき怪談」が始まります。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

節電のために、部屋の明かりを消して、怖ーい噺で楽しんで下さい。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

お待たせしましたねぇ、それでは、そろそろ始めましょうか。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

何が起こっても、責任はとれませんけど。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

テレビの番組ロケで、福井へ行ったんですがね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

東京で仕事を終えてから、出かけたもんですから、現地に着いたのが、大分、遅い時刻になってしまって、宿に入ると、すぐに休む事にしたんです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

で、いつもの事なんですが、出演者はスタッフと離れた別の部屋になるんですよね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

まぁ、いい部屋をとってくれているわけなんですが、この時も、私ひとり、皆と離れた別棟に案内されて、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

薄暗い廊下をヒタヒタとしばらく行くと、それは古い木造なんですが、立派な建物だったんです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

で、襖を開けると、黒光りした床板があって、その先の襖をもうひとつ開けると、突然、大広間が現れた。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

高い天井から下がっている電気コードの先には、年代物のしゃれたガラスの笠がついていて、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そこから、茶色味を帯びた明かりが、ボンヤリと、照らす下に、蒲団がポツンと敷いてある。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

これが、何とも心細いというか、妙にもの淋しい。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

で、その向こうに、障子があって、開けてみると、廊下のようなわずかなスペースと窓だった。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そして、蒲団の足元の方が壁で、頭の先に、少し距離をおいて、黒くつやのある、大きな板戸が四枚、閉まってる。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

自分が寝る部屋に板戸があるっていうのは、どうも気になるんで、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

（向こうは、何だろう？）

稲川淳二 @Junji_Inagawa

と開けて確かめようとしたんですが、鍵がかかっていて、ピクリとも動かない。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

自分の寝ている頭の先に、鍵のかかった板戸があるというのは、何だか気味が悪いんですが、気にするのはやめて、寝る事にしたんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

就寝用の小さな明かりの下で、ジッと目をつむっているんですが、どうしたわけか、いっこうに眠れないまま、時間が過ぎていく。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

あたりは静まり返っていて、物音ひとつ聞えない。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

（眠れないなぁ・・・・）と思っていると、不意に、