宮本常一「日本の中央と地方」より 地方振興の鍵とは?

1959年の段階で道州制にまで言及してるのがすごい。宮本常一著作集第2巻 日本の中央と地方 - 宮本常一 著|未來社 http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624924027
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takashima masaharu @tksmmshr

宮本常一「地方在住人口を、地方においたままでその地において生産エネルギーを爆発させるような政策は取れないものかどうか。現実には地方在住の民衆は自己の資本力にたよりつつ自己の居住地域を興隆させるほどの力をほとんど失っている。」(1959年「日本の中央と地方」)

2009-10-23 15:03:33
takashima masaharu @tksmmshr

宮本常一「地方振興の大きな癌になっているものは人材の不足である。…地方に人材は払底してしまっている。…今地方がもっとも必要としているのは人材であり、知識であり技能である。にもかかわらずその欠乏がもっとも甚だしい。」(1959年「日本の中央と地方」)

2009-10-23 15:51:14
takashima masaharu @tksmmshr

宮本常一「多くのめざめた若者たちが地方問題に取りくむようになるとき、単に中央の言い分に随順するのでなく、政治を批判し、中央に抵抗する精神が生れてくるであろう。抵抗の精神が文化を発展させていくのである。」(1959年「日本の中央と地方」)

2009-10-23 15:51:47
takashima masaharu @tksmmshr

宮本常一「地元経済の自力によって生活が近代化されていってこそ意味がある。物質的な文化は次第に画一化させられていくとしても、なお生活の中に含まれた創意工夫の中に地方の持つ素朴と平明を基調とした文化の存在はゆるされるべきものであろう。」(1959年「日本の中央と地方」)

2009-10-23 15:52:21
takashima masaharu @tksmmshr

宮本常一「そのためには政府自体も地方を、田園を健全に存在させるための田園文化法というような法律をつくり、田園から新しい文化を生み出す対策をとってもよいのではないか。…農業人口は減っていくであろうが、だからと言って地域居住人口が減らねばならぬということはない。」

2009-10-23 16:23:02
takashima masaharu @tksmmshr

宮本常一「地場資本を育てる条件はきわめて悪い。これは国家投資の片寄りが問題であるが国家投資を片寄らせたのは投資の実権を持つ中心が東京一つに限られていたことによるであろう。国家投資の地方的な中心がいくつかつくられてよい筈である。」(1959年「日本の中央と地方」)

2009-10-23 17:21:13
takashima masaharu @tksmmshr

宮本常一「今日の府県では単位が小さすぎる。むしろ府県の存在することが地方開発の障害にさえなっている。かつて道州制が問題にされたが、それが真剣に検討されつつ地方にいくつかの中心がつくられ、もっと政権が地方に移譲せられなければならぬ。」(1959年「日本の中央と地方」)

2009-10-23 17:22:19
takashima masaharu @tksmmshr

以上、宮本常一「日本の中央と地方」(宮本常一著作集第二巻『日本の中央と地方』未來社)より抜粋メモづくり終わり。今から50年前、半世紀前の論考ですが、なおも示唆を受ける部分がありますね。メモづくりに、大学院生のときを思い出しました。

2009-10-23 17:27:08