インセプションについて

 
19
y2k000 @y2k000

インセプション見てて思うんだけど、ほんとに素材を集めきってるところからスタートしてるのね。これ製作的にも作劇的にもリンクしてて、あの作品の人工性というか構造を組み上げるっていうのは、ノーランのオブセッションなんだろうねーというか。

2010-07-20 01:14:29
y2k000 @y2k000

だから、多分インセプションってあの映画そのまんまでアニメに置き換えてもそんなに不自由しない、なんつーのプリプロの要素が非常に強い作品であると感じた。

2010-07-20 01:15:56
y2k000 @y2k000

こういう段取り力の話っていうか、つまり提示のためのシステムってのは、10年代において求められるのはなんでかっていう話をさらっとします。

2010-07-20 01:20:00
y2k000 @y2k000

えーっと、まず価値の相対化がありました。ABCDの乱立した価値があって、そのどれもがどれかに立脚する限り、有効/無効の波に浚われます。んで、一般社会において、分かりやすさというのは、明快で、キレがいい、ウィットかエスプリかアジテートな文句でまとめあげられることが多い。

2010-07-20 01:22:28
y2k000 @y2k000

というのは、クラスタとかサークルとかっていう、なんでもいいんだけど、そういう前提を共有しうるように共時的に設計された小さめのコミュニケート空間においてもそうなんだけど、気の利いたことを言ったヤツが勝つのは、それが消費の対象でしかないから。

2010-07-20 01:25:57
y2k000 @y2k000

それがマスメディアっていう俎上にのっかっていってまとめあげると、もっと加速する。なんでかってのは、まあ、色々だ。一つ間違えなく言えるのは、「消費」という言葉を巡る意味について、ややミクロな視点からの「対価とともに効用を得る」が、共時的な「乗っからなくてはならない」という

2010-07-20 01:31:23
y2k000 @y2k000

一種のポジティブフィードバックの連鎖を生んでるからで、その発動条件として「まとめあげられること」というのは求められている。んで、そのまとめあげについての疑義が挟まれるようになって、・・・あ、時系列がおかしくなった。

2010-07-20 01:33:02
y2k000 @y2k000

疑義についてのポジティブフィードバックもまた起こるようになった。まあ、炎上とかあんなんを思い浮かべといてほしい。えーっと、こじれちゃったけど、つまり、価値の相対化ゆえに、「じゃあ、僕/私/をどう納得させてくれるの?」というところまで消費者の態度が来た。

2010-07-20 01:35:32
y2k000 @y2k000

つまり、盲目的な消費→懐疑的な消費というある程度、現実社会の経済状況とリンクしつつ個人の価値観について言えば、「よろしい、対価を払おう。さて、お手並み見せて頂きたい」というスタンスになっているのが今。

2010-07-20 01:37:10
y2k000 @y2k000

だから、まあ、ジョブスのプレゼン力の本とかピクサーのパペットアニメとかマーケティング本とかコーチング本とかが売れるんですけど、と枕詞を起きつつ、10年代という特定国の特定時代の特定文化を「消費」という視点で語る論法において、今この時期について言えば

2010-07-20 01:42:27
y2k000 @y2k000

「インセプション」が意味を持ち得るのは、その「段取」を物語として構造としてデザインして、内外において積み木を組み上げていくカタルシスが「10年代」という枠で眺めた場合にアクチュアルであり、もっとも意義深い。

2010-07-20 01:45:08
y2k000 @y2k000

まあ、物語のカタルシスとして当然、スタックは爆破しなくてはならないというお約束があるんですけど、そこは「10年代」として見た場合、重要ではない。

2010-07-20 01:46:11
y2k000 @y2k000

つまり、インセプションが2010年の7月20日の今現在、コンテンポラリーな作品の嚆矢たりえているのは、「相対化された価値のなかで、シニシズムな逃げに向かうことなく、一個の価値を提示するには、その価値を組み上げる手つきと構成力が求められる」ことを露わにしたことに意味がある。

2010-07-20 01:51:15
y2k000 @y2k000

ただ、この作品を受け入れられるのが、その価値にのっかってやってもいい、という消費態度を取れるある種ジャンルホッパーなプレイヤーたちだけなのかもしれないつーのはあるかもしれないねー。面白けりゃ面白いんだよってタイプの。

2010-07-20 01:56:30
y2k000 @y2k000

http://qurl.com/qwhl2 前田有一の映画評見た。えーっと、これスポイラーになっちゃわない心配だけど、インセプションって意識の深層に向かうほど、集合的無意識からかけ離れていって、個人の内面にフォーカスしていくのね。前田が言ってることの逆が起こってるので。

2010-07-20 02:04:57
y2k000 @y2k000

だから、○○○が○○○なのは、あえてその○○を○○に援用することで始めて、ノーランが仕掛けている倒錯が分かるの。つまり、○○の○○ってのは、実は○○○で、究極の○○○○○であると。うー、言いたいぜ。

2010-07-20 02:10:32
y2k000 @y2k000

この辺、エンドロールの音楽を聴けば、全部分かるようにデザインされてます。

2010-07-20 02:14:15
y2k000 @y2k000

というぐらいに徹底的に統御されているのが「インセプション」。マジおすすめ。

2010-07-20 02:14:48
y2k000 @y2k000

インセプションについての感想文を書きました。http://d.hatena.ne.jp/y2k000/20100725

2010-07-26 00:25:04