【イリーン『チェルノブイリ:虚偽と真実』】①

旧ソ連時代からロシアに体制が変わっても、「国の放射線物理学最高権威」であり続ける(らしい)人がチェルノブイリの健康被害について書いた本の日本語訳に関する、宗教学者 島薗進氏の連続ツイート第一弾。 山下俊一氏の「監修言」と重松逸造氏の「巻頭言」が主に紹介されてます。
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島薗進 @Shimazono

種々ご教示感謝。イリーンの本、これからツイッターで紹介していきます。@Nobunaga_Hottaレオニード・イリーンの著書「チェルノブイリ:虚偽と真実」…の内容で、ヒバクリスク重視派から問題視されている部分はどこでしょうか。…okanori75 @Shimazono

2012-09-05 10:04:46
島薗進 @Shimazono

1【イリーン『チェルノブイリ:虚偽と真実』】①1994年にロシア語で著されたL.A.イリーンの表記著作の日本語訳1998年刊を見ると、山下俊一氏らが主導して「不安をなくす」ことを最優先する考え方の背景が見えてくる。訳書監修は重松逸造・長瀧重信、長崎・ヒバクシャ医療国際協力会発行。

2012-09-05 10:31:04
島薗進 @Shimazono

2【イリーン『チェルノブイリ:虚偽と真実』】①長崎・ヒバクシャ医療国際協力会(NASHIM)はhttp://t.co/WEXcwc6M 。長崎大医学部は全面関与。訳者は山下俊一氏ら7名。入手困難故紹介。「監修後期」山下氏執筆。まず1992年NASHIM設立主旨説明。出版も1つと。

2012-09-05 10:32:39
島薗進 @Shimazono

3【イリーン『チェルノブイリ:虚偽と真実』】①山下俊一氏「監修後期」「「チェルノブイリ:虚偽と真実」は従来のチェルノブイリ関係の翻訳からすれば、かなり異色のものとなりました。それは旧ソ連のまさに体制の中にいた、いや今でもモスクワ放射線物理学研究所の最高権威であり、国の代表として」

2012-09-05 10:33:10
島薗進 @Shimazono

4【イリーン『チェルノ…虚偽と真実』】①山下氏「監修後期」「長年放射線関連プロジェクトの中枢にいるイリーン博士そのもののの作によるものだからでしょう。厳しさの中にも、誠実で温厚なお人柄ですが、激しいマスメディア関連の避難の矢面にたたされても決して臆することなく、堂々と論陣を」

2012-09-05 10:33:50
島薗進 @Shimazono

5【イリーン『チェルノブイリ:虚偽と真実』】①山下氏「監修後期」「張られた姿勢が、本書の中にもたびたびでてきます。また旧ソ連邦の放射線科学の歴史と世界の放射線関連の科学界との関わりを知るにも格好の書となっています。立場上、発言の制限や自己中心的な表現が散見されますが、ご理解」

2012-09-05 10:34:47
島薗進 @Shimazono

6【イリーン『チェルノブイリ:虚偽と真実』】①山下氏「監修後記」「いただきたいと存じます。その為、ジャーナリストの作とは異なり、いわゆる体制側と言われている代表者の代弁のきらいも否定できません。しかし、真実を見極めるためにはこれらの発言に耳を傾ける謙虚さも必要でしょう。」

2012-09-05 10:37:07
島薗進 @Shimazono

7【イリーン『チェルノブイリ虚偽と…】①山下氏「監修後記」「そこで、正しくチェルノブイリを理解する一助となると考え、あえてNASHIMの放射線ヒバクシャ医療出版事業に取り上げさせていただきました」。現在はイリーンの考え方を貫き通そうとしている山下氏だが長崎の医学者を意識した形跡。

2012-09-05 10:37:41
島薗進 @Shimazono

8【イリーン『チェルノブイリ:虚偽と真実』】①一方、重松逸造氏「巻頭言」は同氏のイリーン氏への敬意と同盟者意識が強く出ている。チェルノブイリ事故当時のソ連のペレストロイカ(経済改革)、グラスノスチ(情報公明)にふれ、「このような政治的、社会的混乱は、事故による健康影響を心配」

2012-09-05 10:38:11
島薗進 @Shimazono

9【イリーン『チェルノブイリ:虚偽と真実』】①重松巻頭言「している周辺住民に非常な不安をもたらしたことは事実のようで、当初は情報不足によるいろいろなデマが横行し、グラスノスチの進行とともに、今度は情報過多の現象が現れたと伝えられた。要するに、専門家だけでなく、政治家や」

2012-09-05 10:38:23
島薗進 @Shimazono

10【イリーン『チェルノブイリ:虚偽と真実』】①「マスコミ関係者などが過小から過大にいたる両極端の間で、各自の評価や推測をばらばらに住民に伝えたためで、住民の間に大きな戸惑いが生じたのも無理からぬことであった。これらの情報はマスコミやルポライターと称する人達の報告などを通して」

2012-09-05 10:38:37
島薗進 @Shimazono

11【イリーン『チェルノブイリ:虚偽…』】①「わが国にも伝えられ、真偽が確かめられないままにチェルノブイリ事故の真相として国民の間に定着する傾向がみられた」「イリーン[生物物理学研究所]所長とは、私がソ連政府の招聘でチェルノブイリ調査に訪れた1988年秋にモスコーで面談したのが」

2012-09-05 10:39:12
島薗進 @Shimazono

12【イリーン『チェルノブイリ:虚偽と真実』】①「初対面であった…」「私も、彼とはかなり頻繁に学友として興隆を続けながら今日に至っている」「本書はチェルノブイリ事故後7年目ぐらいまでの状況をカバーしているが、もちろんこの時点では事故の全貌はまだ明らかとなっていない。」

2012-09-05 10:39:41
島薗進 @Shimazono

13【イリーン『チェルノブイリ:虚偽と真実』】①「だからといって、事実でない虚偽の横行を許すべきでないのはもちろんで、この点を本書は厳しく指摘している」「なお、私事に関連して恐縮だが」と重松氏はイリーンが本書でもっとも多く名をあげている放射線生物学・遺伝学のティモフェイエフ・

2012-09-05 10:40:17
島薗進 @Shimazono

確かに人文学的な素養が役立つかも。米国に詳しい中川保雄著もソ連情報は少ないです。@Nobunaga_Hotta …ソ連時代に科学や医学を政治に従属させてよしとして出世してきたイリーン…医学上の倫理も犠牲にする…こういう学者の嘘を見抜けるのはやはり学者でないとできないと思います。

2012-09-05 11:10:59
島薗進 @Shimazono

ソ連の軍事秘密放射線科学の大御所で重松逸造の盟友、イリーンの『チェルノブイリ:虚偽と真実』は以下のウェブサイトで見られる事が分かりました。 http://t.co/IYbswSBS 詳しく紹介しかけましたが、今後は要点を拾って論じます。http://t.co/ZZdAjD22

2012-09-05 23:30:48