パイのむきだし

Aftermath @a_voice_a_room

『風の強かった日。彼女は飛んでいってしまった。Googleストリートビューしてもどこにもいない。そらとぶピカチュウシステムで、風船をじぶんの腰にとりつけて、上空から探しにいこうかと思ったけど、60キロぐらいの僕に浮力をあたえるためにどれほどの数を贖わなければならないのか、

Aftermath @a_voice_a_room

ぷらすそのためにどれだけバイトせねばならぬのか。あなたが飛んでいってしまった空のように果てしない。さりとていかにせむ我がこころ。船になりて。いずくにか風と共に去りぬ。てきな。そう。だれかが言ってたみたいに男はみんなバカでエッチな五代くんであり、狼だからそこんとこよろしく。（続く

Aftermath @a_voice_a_room

風の強い日などは、ぎゃくに機嫌がいいときのスターリンのような顔をして本当は昔のことを思い出しながら本日のおすすめコーヒーを飲んでる。でも季節によったりする。酩酊した外人が歩道をでんぐり返ししながらアイラブユーと叫んでいる。太陽に影が遮る。振り返る。ぜんぜんちがう、ただの飛行船だ。

る(shiroyama) @ru_mentanpin

『風が強くって、縁側で煙草を吸っていたお父さんがシャツに灰をこぼしちゃったときお母さんが、あららら、と言ったのが「ぱられる」って聞こえたので、なんだか僕はいつの間にかにナタデココとプールに浮かんでいた、ナタデココはトコナツで男の子なのか女の子なのか教えてくれないト　#パイ連詩男

る(shiroyama) @ru_mentanpin

コナツ、ココナッツのジュースをはんぶんこしてナタデココは笑った。ふしぎなんだなこのプール、塩素の臭いが全然しないよ、ナタデココ。足もつかない、得意の平泳ぎをしてもいつまでたってもゴールが見えないよ、ナタデココ。このプールは何頭もクジラが住んでいてそいつらが寝返りを打　#パイ連詩男

る(shiroyama) @ru_mentanpin

つたびにこんなにも水が押し寄せてきていつまでたってもゴールできないんだよ、って教えてくれた。だから背泳ぎがいちばんいいんだよ、っていってナタデココはひっくり返った、僕もまねして泳ごうとしたけど、泳がなくってもいいんだよ、って。だったら背泳ぎじゃなくて背だね、ナタデコ　#パイ連詩男

る(shiroyama) @ru_mentanpin

コ。僕らは背をしながら目をぱちぱちさせた、だって太陽が月みたいに大きかったから、白い鳥がきゅーきゅー鳴いて太陽に消えた、プールにも白い鳥がずばああんって鳴いて水の中に消えた。日焼けしたナタデココは白い鳥に襲われて一瞬いなくなったけど、いつのまにか僕のほっぺの横から顔　#パイ連詩男

る(shiroyama) @ru_mentanpin

を出して、二人で背をしていた。ねぇナタデココ、内緒だけど、君が女の子だったらいいなって思っていたんだよ。　#パイ連詩男

魚屋スイソ @suiso

息継ぎする度に近くで鳴ってるラジオのニュースがサイドチェインされて言語がひずむ、ューガッ、ンシセー、ョーシッ、ョシセー、ナタデココの海、セカンドトロピカルのネオン、開いているドア。』 #パイだし

魚屋スイソ @suiso

コーヒーのおかわりを貰いたくてテラスの席から立ち上がって店内のカウンターの前まで歩いている途中、プレステのコントローラみたいなドレスを着た女とすれ違った。 #パイだし

魚屋スイソ @suiso

そいつはトレーの上にチョコチップだらけのカフェオレ的なカフェモカ的なダサいドリンクとパストラミビーフはみだしまくりの下品なサンドイッチ載せてて、薄紫の唇がストローをしゃぶったりパンにかじりついたりするのを想像しながら、 #パイだし

魚屋スイソ @suiso

教室ではどっちつかずの立場で八方美人装ってるうちになんとなく浮いた感じになってしまってでもバスケ部の男子と付き合ってるから大丈夫ちゃんと青春できてるって言い聞かせて #パイだし

魚屋スイソ @suiso

クリスマスにピンクのトイカメ買ってくれた彼氏をステータスにしていそうな女子高生のバイトにコーヒー注いでもらって、その場でイッキ飲みして店を出た。 #パイだし

魚屋スイソ @suiso

『すっげー貧乳ですっげー痩せてる女の子のさ、胸に顔うずめると、骨の感触しかしないんだよね。おっぱいの存在感をブッ飛ばして骨が誇示してくるわけ。ひたすら骨。 #パイだし

雛鳥むく @escapegoat04

んでさ、お前、骨にも乳首があるって知ってた？』骨が先か肉が先か、いまやtwitterのタイムラインはその話題ばかりで賑わっている。枯れ木も山の賑わい？ ＃パイだし

雛鳥むく @escapegoat04

おわりが先かはじまりが先か、エスペラント語を用いて熱い論戦を交わす詩人たちのはるか頭上、大気を泳ぐ紙魚の群れが夥しい量の経血の中に沈んでいく。えっと、おわりもはじまりもここにあるじゃないか、と、僕はそうおもいました。　＃パイだし

雛鳥むく @escapegoat04

それで、僕たちは肺呼吸だから、溺れてしまわないように箱舟に乗ります。あるいは、「箱舟」という名のオーガズムに乗ります。そうして、どうせ無事に生き残ってしまうからさ僕たち、　＃パイだし

雛鳥むく @escapegoat04

箱舟から降りるとせかいはとうめいかつ純度の高いからっぽになっていたから、手を上げてください、それからすみやかに降伏してください、、、あけがた、、、ねえ、余白に女の子はいますか？　＃パイだし

生卵を喰う鳥 @namatamago_tori

@anapai_ 』ここで「あの仔」は大きくひとつ溜息をつかない。カッコつけてばかりの男子たちはマックの奥の方、ボックス席でシェイクとナゲットとポテトを口の中でぐちゃぐちゃにさせながら「あの仔」の噂話をしていない。 #あなパイ

生卵を喰う鳥 @namatamago_tori

@anapai_ 噂話の中で「あの仔」は身体中に風船を結びつけられて無理やり仰向けにさせられた鯨のように真っ白な腹部をどっかのヤリチンに見せたりしていない。「あの仔」はおっぱいがなくて、骨がなくて、蛸みたいにとうめいに男子たちをくわえこんだりしなかった。 #あなパイ

生卵を喰う鳥 @namatamago_tori

@anapai_ じゃあ何をしていたかなんてこんな余白に書き付けるにはスペースが足りない。 #あなパイ

sample @kaibutsu_head

ポテトもシェイクも本当は女の子のためだけにあるのかもしれない。壁にかけられたポップアートも女の子を楽しませるためだけにあるのかもしれない。途切れない音楽も、値上がりしないスマイルも。僕たちが言葉を書きつけようとして、何も書けずにいつまでも折り込んだままの余白もすべて。 #パイだし

sample @kaibutsu_head

僕たちは、ひとつだけ女の子を所有している。それは指紋のようにそれぞれ違った渦を巻いている。渦はなにもかもを飲み込もうとする。そんな海、だれが泳いでいけるって言うんだい？だから僕らは走ることをおぼえた。速度を競い、跳躍する高さを競った。 #パイだし

sample @kaibutsu_head

前傾姿勢になり、右足を踏み出す、その瞬間、もうすでに考える間もなく左足が右足を追い抜いている。そして、その左足は何も遺さずに絶えて、ただ、あたらしい一歩のために地面を蹴る。右足は泣き、つま先が地面を離れた瞬間、すべてを忘れて自らも左足のために絶える。くりかえす。 #パイだし

sample @kaibutsu_head

最後の一歩を思いきり踏み込んだとき、体が宙に投げ出された。ポールが大きくしなる。つきぬけたいんだ。つま先が空に向かってゆく。つらぬきたい。棒高跳びの選手の体が今、直線的な記憶を、越えた。 #パイだし