かおるさとーさんの『氷菓』#20 解説

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かおるさとー @kaoru_sato

『氷菓』20話を観て気づいたことをいくつか。

2012-09-08 22:32:03
かおるさとー @kaoru_sato

ある意味見所満載の話、『あきましておめでとう』です。正月早々、なんと奉太郎が初詣に行く話です。省エネ主義者はわざわざ初詣など行かないように思いますが、省エネ主義をたやすく揺るがす存在が、我らが古典部にはいます。千反田さんに誘われて、奉太郎は寒い中、神社へ赴くことになります。

2012-09-08 22:35:11
かおるさとー @kaoru_sato

密室からの脱出は、ジャック・フットレル『13号独房の問題』などが有名です。ミステリで密室というのは定番中の定番ですが、これは当事者ではなく、外部の人間が解き明かすパターンがほとんどです。なので今回のような話は、一般にはあまりミステリとみなされない話かもしれませんね。

2012-09-08 22:36:22
かおるさとー @kaoru_sato

どちらかというと、サスペンスとかアクション映画であるようなシチュエーションかもしれません。スパイ物とか。

2012-09-08 22:36:52
かおるさとー @kaoru_sato

冒頭、狭くて暗い空間に、なぜか2人きりでいる奉太郎と千反田さん。寒さに凍えながらも会話をしているのは、少しでも寒さを紛らわそうとするためでしょうか。おみくじが悪かったのでは、と千反田さんが答え、奉太郎もどこか諦めたような顔になります。一体何があったのでしょう。

2012-09-08 22:38:20
かおるさとー @kaoru_sato

Aパート。大晦日だというのに寝癖を整えないままで、奉太郎は相変わらず省エネに勤しんでいるようです。そこに千反田さんから電話が。一応この電話というのも伏線なのですが、この話に限らず何度も描かれてきた部分ですね。彼らは携帯電話を持っていません。なので固定電話で連絡を取り合っています。

2012-09-08 22:38:51
かおるさとー @kaoru_sato

初詣に行きませんかというお誘いです。荒楠神社で摩耶花が巫女のアルバイトをするのだそうです。もちろん巫女服を着るでしょう。そんな友人の姿を、初詣にかこつけて冷やかしに行くのはなかなか楽しそうです。背が小さくて、髪もショートの彼女に、あまり巫女服は似合わないとは思いますが。

2012-09-08 22:39:39
かおるさとー @kaoru_sato

里志も行くそうです。そしてそれだけではなく、千反田さんには別の目的もあるようで、ちょっと照れたような口調で言います。「……わたしも、ちょっと、着物を見せびらかしたいんです」 ……返事に困ったような奉太郎がいいですね。

2012-09-08 22:40:42
かおるさとー @kaoru_sato

元日夜。白のトレンチコートにマフラーを巻いた奉太郎が、神社の入り口の前で千反田さんを待ちます。しばらくすると一台のタクシーがやってきて、着物姿の女性が降りてきました。最初、奉太郎はその女性が誰だか気づいていないようでしたが、振り返ったその姿に思わず息を呑みます。千反田さんです。

2012-09-08 22:41:05
かおるさとー @kaoru_sato

華やかな柄の着物に落ち着いた色合いの羽織を合わせた姿は、とても似合っていますね。どことなく着慣れた印象を受けます。さすがの千反田さんも、普段から着物を着ているわけではないと思いますけど、普通の高校生よりは着る機会が多いのかもしれません。

2012-09-08 22:42:18
かおるさとー @kaoru_sato

思わず見とれてしまった奉太郎。千反田さんの挨拶にも、つい声が上ずってしまいます。いつも思うのですけど、奉太郎のこういう反応って、すごくいいですね。初々しくて。かわいいです。

2012-09-08 22:42:37
かおるさとー @kaoru_sato

右手に巾着、左手に荷物を持ち、奉太郎の少し前を歩く千反田さん。奉太郎が代わりに持とうと申し出ると、千反田さんは特に遠慮はせず、あっさり荷物を預けます。贈り物ですから、他人に預けることに慎重になってもおかしくないと思いますが、奉太郎に対する信頼と気安さが感じられますね。

2012-09-08 22:43:00
かおるさとー @kaoru_sato

2人は先にお参りを済ませようと、拝殿に足を向けます。二礼二拍手一礼をする千反田さん。何をお祈りしたのでしょうね。一方、奉太郎は己の主義に沿ったお祈りです。祈るだけなら手短に済ませられますが、果たして千反田さんが傍にいる状況で、1年も穏やかに過ごせるでしょうか。

2012-09-08 22:43:24
かおるさとー @kaoru_sato

今度は千反田さんの用事を済ませます。氏子さんに挨拶をして奥に通してもらいます。大広間で待っていると、眼鏡をかけた美人が入ってきました。白衣に緋袴。誰が見ても正真正銘の巫女さんです。怜悧な目つきは千反田さんとは対照的ですね。千反田さんが挨拶をすると、彼女も丁寧に挨拶を返します。

2012-09-08 22:44:38
かおるさとー @kaoru_sato

名家同士の付き合いに戸惑う奉太郎。年始早々ヤドカリの生態模倣に励んでいる高校生にはわからないことかもしれません。これまでは主に学校内でしか接する機会のなかった2人ですが、奉太郎と千反田さんとではいろいろと立場の違う事柄が存在するようです。世が世なら「身分差」とも呼べる違いです。

2012-09-08 22:45:51
かおるさとー @kaoru_sato

とはいえ、そこまで堅苦しいものでもなく、千反田さんの表情は終始柔らかいです。そして巫女さんは奉太郎が1年B組であること、福部里志のことにまで言及して奉太郎を驚かせます。もちろん神通力ではありません。彼女、十文字かほさんは、里志と同じ1年D組なのです。年上に見えますが、同級生です。

2012-09-08 22:46:32
かおるさとー @kaoru_sato

(13話で登場した十文字かほさんが、2ヶ月ぶりに再登場です。神山高校では唯一の占い研究会員として、また新しい図書室のヌシとして、ちょっと変わった生徒と見られているふしがありますが、学外では千反田さんと昔からの友達です。お互いに下の名前で呼び合っています)

2012-09-08 22:47:21
かおるさとー @kaoru_sato

(このお酒を渡すやり取りも、友達同士のちょっとした冗談というか、お遊びみたいなものだと思われます。大勢の前で執り行う儀式などではなく、目立たない広間の隅っこでやっていますからね。奉太郎はその冗談が見抜けず、柄にもなく緊張していましたが。からかいの意図もあったかも)

2012-09-08 22:48:06
かおるさとー @kaoru_sato

(「つまらないものは、いらない」……意外とお茶目なかほさんです。素敵)

2012-09-08 22:48:30
かおるさとー @kaoru_sato

(ちょっと「B組」と「D組」が聞き取りづらかったですね)

2012-09-08 22:48:58
かおるさとー @kaoru_sato

これでお遣いは完了です。あとは摩耶花を冷やかしに行くだけです。売店(神社のあれは“売店”なのです)に行くと、そこには巫女姿の伊原摩耶花が! ……失礼ながら、かほさんと比べるとあまり似合いませんね。普段はショートの摩耶花ですが、付け毛なのでちょっと見慣れません。

2012-09-08 22:50:03
かおるさとー @kaoru_sato

(千反田さんやかほさんほど着慣れていないので、違和感があるのかもしれません。というか、そこまで計算して描いているのだとしたらスタッフさんすごいですね。ある意味原作どおりです)

2012-09-08 22:50:28
かおるさとー @kaoru_sato

巾着を褒められて嬉しそうに笑う千反田さんに奉太郎が「楽しそうだな」というシーンがありますが、千反田さんは昼間はずっと親戚挨拶でいい子していましたから、友達とこうして顔をあわせるのは、ようやくリラックスできるわけで楽しいのでしょうね。

2012-09-08 22:52:36
かおるさとー @kaoru_sato

おみくじで、千反田さんが見事に大吉を引きます。一方奉太郎は……まさかの凶。摩耶花が「……末吉引いたね!」と言ってましたが、まあ普通は凶のおみくじなんて置いてないでしょうからね。妥協を許さない荒楠神社です。

2012-09-08 22:53:33
かおるさとー @kaoru_sato

そして容赦なくおみくじが気になる千反田えるです。

2012-09-08 22:54:08