阿片物語

阿片戦争、及びその前後の阿片にまつわる諸事情をまとめてみました。
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@bukrd405

アヘンに関する話。孫文は、広東の全アヘン窟に税を課して運動の資金を集めていたそうである。

2012-09-03 09:37:49

先ずは19世紀イギリスから

@bukrd405

19世紀を通して、アヘンは西欧、アメリカで、今日アスピリンや解熱鎮痛薬がそうであるように、広く使われて、さまざまな薬、売薬、いかさま治療薬の主成分だった。インドでのアヘンの生産は大部分がイギリスの支配下にあったにもかかわらず、イギリスが輸入するアヘンの大半はトルコのものだった。

2012-09-03 20:13:44
@bukrd405

トルコは高品質のアヘンを産出するとみなされていた。インドのアヘンはモルヒネを4~6%しか含まず、これではイギリスの製薬業の利用に適さなかった。トルコのアヘンはモルヒネを10~13%も含み、スミルナを経由して簡単に輸出できた。

2012-09-03 20:19:10
@bukrd405

1827~69年までの間に、輸入された全アヘンの80~90%はトルコ物だった。ペルシアアヘンが市場に出現してさえ、トルコ物の取引水準は70%以下には決して落ちなかった。

2012-09-03 20:21:44
@bukrd405

アヘンの便利な副作用は他にもうひとつあった。アヘンが食欲を抑えたから、幼い子供がひもじがらず、ただでさえ苦しい家計の重荷にならずにすんだのだ。これらの子供たちはしばしば栄養失調だったり、いつも健康状態が悪くて、特有の黄色っぽい顔色をしていた。

2012-09-03 20:28:41
@bukrd405

19世紀のイギリスでは、子供たちを大人しくさせておくために、子守りや母親はアヘン入りの鎮静シロップを飲ませた。こうして、貧しい地域に住む大勢の子どもがアヘンを常用するばかりか、昼間のほとんどを半昏睡状態で過ごした。

2012-09-03 20:26:59
胡蝶 @uturobuneco

それなりに余裕のある家の子でも、「ヤバい、夜泣き止めさせないと奥様に叱られる…」ってことで、阿片与えちゃう乳母がいたから安心出来なかったとか

2012-09-03 20:31:21
@bukrd405

@momokoneco ヴィクトリア時代の子守はいいかげんなことで悪名高かったらしいですね。子守りは週に3シリング(平均週給の20%)をとって子供の面倒を見て、たいがい多くて12人ほどあずかっていたようです。

2012-09-03 20:35:49
はいたか @HighTaka

@momokoneco そして「子守なんて簡単よー」とどや顔でノウハウ伝授するベテラン乳母

2012-09-03 20:32:58
@bukrd405

@HighTaka @momokoneco そして子供は3、4歳までに多くは小さな老人のように縮むか、子猿のようにしぼむと。

2012-09-03 20:37:23
@bukrd405

@ShoukoYoshihiro @momokoneco あの時代は、暴力に対する感覚も違っていて、平気で子供を鞭で打ったりしていましたね。

2012-09-03 20:42:19
@bukrd405

子供の毒物事故死は珍しくなかった。絶望した母親が自分の子、特に私生児を殺すのにもアヘンは用いられた。悪名高いヴィクトリア時代の託児所や感化院でそれが幼児殺しに用いられていたことは確かである。

2012-09-03 20:40:18
@bukrd405

ロンドンの波止場地区の売春婦によってもアヘンは広く用いられ、彼女たちはそれを客に飲ませて、所持品を奪った。それに、自分たちの仕事の惨めさを忘れ、長い一夜の仕事の後の筋肉の痛みを軽くし、性病の徴候を和らげるためにもアヘンを使った。

2012-09-03 20:44:44

そして舞台は阿片戦争へ

@bukrd405

『アヘン戦争と香港』(矢野仁一、中公文庫)では、「イギリスは支那が道徳衛生上有害だとして国法で厳禁していたアヘンを、自国では禁じながら支那に押し売りした」と述べているが、「自国では禁じながら」の部分は全く史実に反している。

2012-09-08 19:35:17
@bukrd405

アヘンの使用は、イギリス国内においては、1868年の薬事法の成立までは100%、それ以後の19世紀においても事実上はほとんど全く、野放しの状態であったからである。

2012-09-08 19:36:58
遊牧民@候選 @Historian_nomad

@bukrd405 グラッドストンいわく、「朝の紅茶にアヘン入れて飲むのはマジ最高」でしたっけかw

2012-09-08 19:35:59
@bukrd405

@Historian_nomad 国王ジョージ4世は大酒飲みで、悪酔いと酩酊からの回復剤としてアヘンを常用していたそうです。グラッドストンは本人だけでなくその妹もアヘン中毒患者だったw その他にもコールリッジ、バイロン、シェリーなどの文人たちもアヘンを使用していた。

2012-09-08 19:39:35
ふらっと☆でぃふぇんす◆FlatJHtUB @FlatDefense

@bukrd405 ホームズにも普通に出てきますね、阿片窟とかカレーに阿片を混ぜたとか

2012-09-08 19:38:04
胡蝶 @uturobuneco

@bukrd405 ゴットフリーの強壮剤という子供用の強壮剤にも阿片が入ってたそうだから、今だとチョ○ラBBこどもシロップや肝油ドロップに阿片が入ってた感じですかね

2012-09-08 19:46:12
@bukrd405

@momokoneco ヴィクトリア朝の広告を見ていると、「むずかる子にはウィンスロー夫人のご機嫌シロップ」というのがあります。アヘンは良くも悪くも民衆の自己医療の文化の中に溶け込んでいました。

2012-09-08 19:49:19
@bukrd405

@FlatDefense イギリスのレッセ・フェール(自由放任)の風潮は、商工業だけでなく、人の命や健康に関わる医業や薬業、食品業にも及びました。イギリス飯マズネタも、この風潮によって混ぜ物をした粗悪な食品が出回ったことと関係しています。

2012-09-08 20:03:47
@bukrd405

イギリス国内において、一般人によるアヘンの購買と流通、さらに麻薬対策としてその所持と使用が禁止されるようになるのは、やっと20世紀になってからであった。

2012-09-08 19:37:19
drきのこる(専門なき専門バカ) @drkinokoru

アヘンが合法になると中国人が国内で作って売りまくってたと聞いたことがあります RT @Historian_nomad: @bukrd405 グラッドストンいわく、「朝の紅茶にアヘン入れて飲むのはマジ最高」でしたっけかw

2012-09-08 19:37:00