LGとソニーのインド進出戦略に関する論文を読んで
LGのインド進出時の戦略に関する資料を読んでる。LGが後発進出ながらインドにR&D拠点を設けて他社に先駆けてインドの市場に合わせたデザインや機能のModificationを進めることで差異化に成功した、という。
2012-08-26 16:22:22国際経営論として、製品の現地化は新しい戦略ではなかったが、電機、自動車ではそれまではあまり論じられず、世界的に標準化されたモデルや日本での型落ち機種を販売してただけという事例が多かったという。
2012-08-26 16:24:22製品の現地化はそれまではクノールのスープ、ネスカフェの粉コーヒーのような食品の味付け、P&Gやユニリーバの洗剤、石鹸のパッケージの領域に限った話だったという。
2012-08-26 16:25:50LGの初期のインド現地化施策から生まれた差別化ポイントが面白い。クリケットゲーム内蔵テレビ、多重言語テレビ、抗菌機能フィルター付エアコン、野ネズミ対策洗濯機などなど。Teerdownreengineering(TDR)というアプローチらしい。
2012-08-26 16:29:37冷蔵庫開発では2ドアのハイエンドと1ドアのローエンドの隙間を狙った1ドアハイエンドがよく売れてるという。主なターゲット顧客は最近豊かになりつつある農村部の人々。
2012-08-26 16:31:31また、インド料理によく使われるじゃがいもや玉ねぎを保管できる冷蔵じゃないスペースの付いた冷蔵庫や熱い気候により変質しやすい化粧品を入れておけるスペースを備えた冷蔵庫などなど。インド人の主婦にLGの製品現地化はウケているという。
2012-08-26 16:33:35LGのインド進出にあたって、価格戦略は日本製のものに比べて性能が劣らないことを認識させるために敢えて日本製よりも高め、もしくは同等程度の値付けを行ったという。高価格戦略のモデルとしてソニーをベンチマークとしたという。
2012-08-26 16:37:13進出当初は高価格戦略を取ったLGだが今では市場平均価格あたりに設定しているという。ソニーはプレミアム戦略、サムスンは少し高めという価格戦略を取っているという。
2012-08-26 16:38:46その後もインドでのブランド浸透を狙ったLGはインドでの人気の高いスポーツであるクリケットの大会スポンサーを通じてブランド認知度を高める戦略を取っている。また、各地方での製品展示会を通じてのプロモーション活動も展開しているという。
2012-08-26 16:41:20LGの成功要因として一番の要因は大幅な権限委任だという。「信じることが人を動かす」という信念がLGのインド現地法人長にはあったという。
2012-08-26 16:44:05LGのインド現地法人長だった金光盧氏は法人設立から10年後、08年にはインド最大の家電企業であるビデオコンのCEOに就任し、韓国国内初のCEO輸出第一号になったという。
2012-08-26 16:46:52インドは地域ごとに販売チャネルの成熟度も異なれば、人々の消費・購買習慣も異なる。外の人間から見るとインドは一つの国に見えるが、インド人に言わせるとインドは30以上の異なる国(州)で構成されたモザイクのような連邦国。そのため、インドは全体をカバーできる販売戦略はない、という。
2012-08-26 16:57:07Sony Indiaのこだわりとして、販売データの徹底管理がある。販売現場から毎日必要なデータを吸い上げ市場を分析・予測することでマネジメントの合理化を図っているという。全国1500人の販売員から一日単位のデータを収集し200店舗では広告と価格を変えた時の反応が掴めるという。
2012-08-26 17:01:26LGのインドでの成功要因は徹底した現地化、ソニーはデータを基盤としたマネジメントと言えるがそのどちらもトップマネジメントの個性が強く出ているものだという。一言で言うなら「明確な経営信念を持つリーダがマーケティングミックスの4Pを一貫した方向に 向けて充実に実行したこと」だと。
2012-08-26 17:04:08