芝居とオーダー

西田シャトナー伯【ジャイ！マヒシュマティ！】 @Nshatner

演出家が俳優にオーダーする。修業の足りない俳優は、オーダーを満たすことだけに必死になってしまう。でもね、オーダー満たすだけで芝居が出来上がるわけがない。俳優はオーダーを満たしつつ、自分の芝居をやらなくちゃいけない。芝居に必要なすべての要素をオーダーできるわけないからね。

西田シャトナー伯【ジャイ！マヒシュマティ！】 @Nshatner

演出からのオーダーを満たしたつもりの俳優に、僕が言う。「全然だめだ。君は俺のいうとおりに芝居をしようとしてるだけだ」　俳優が怒る。「言われたとおりにやったのに、なぜダメって言われなくちゃいけないんですか」　簡単に解決できそうなこのすれ違いは、しかしなかなか解決できないのだ。

西田シャトナー伯【ジャイ！マヒシュマティ！】 @Nshatner

やるべき芝居をすべてオーダーしてもらえると思ってるような未熟者に、そもそもオーダーをやり遂げること自体まず無理である。２重にダメな結果が生まれてしまう。

西田シャトナー伯【ジャイ！マヒシュマティ！】 @Nshatner

「言われたとおりにやったのに、なぜダメって言われなくちゃいけないんですか」って俳優に、僕が言う。「言われた通りになんか、出来てないよ。しかも、言われた通りにやっただけではダメだよ」　しかし俳優の耳には「言われた通りにできてない」って部分だけが届く。なぜか、ここばっかり届く。

西田シャトナー伯【ジャイ！マヒシュマティ！】 @Nshatner

そこで僕は言い方を変えて、ただ「言われた通りにやっただけではダメだ」と言う。するとなんと彼は「言われた通りには出来てるのだ」と思いこむ。そしてもう一度、「言われた通りにやったのになぜダメって言われなくちゃいけないんですか」と言う。こうして、発狂しそうな稽古が続く。

西田シャトナー伯【ジャイ！マヒシュマティ！】 @Nshatner

こういう絶望的な稽古場にならないように、気を付けて取り組まないとね。