キュビシン発売1周年記念講演会レビュー+α

2012年9月15日に東京はグランドプリンスホテル新高輪国際館パミールで開催されたMSD株式会社主催のキュビシン発売1周年記念講演会のレビューに加え,小生より22文献を補足として追加しております
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【講演会Rev】キュビシン発売1周年記念講演会(グランドプリンスホテル新高輪国際館パミール).バイアスはMSD株式会社.ただ,パネルディスカッションは全然スポンサーバイアスを感じなかった.開会・閉会の挨拶と司会をやる予定だった河野茂先生は来られず.

2012-09-16 13:15:17
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【講演会Rev】1演題目は東邦大医療センター大橋病院外科 草地信也教授『MRSA感染対策の現状と課題』.いつも術後感染症予防の話をされており,今回もほぼ同様の内容.欧米のEBMの危険性も主張されている.実は周術期予防的抗菌薬にCEZを世界に先駆けて提唱したのはこの先生の教室

2012-09-16 13:23:07
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【講演会Rev】草地先生の話は何回も聞いてるし文献も持ってるのでメモを全然せず流しで聞いていたため概要だけ「欧米の感染対策は意外にずさん.エビデンスのない治療は禁止されており,かつ金持ちしかいい医療が受けられない.術後早期退院させるため退院後に問題が起こる」

2012-09-16 13:27:17
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【講演会Rev】 「欧米では術後死亡率が日本の3-10倍多い.オランダはMRSAが少ないことで有名だが,実は諦めが早い.また,欧米では非常にCDIが多い.日本はエビデンス“以上”の治療が受けられるが,欧米の治療はエビデンスまでしかできない.」

2012-09-16 13:30:45
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【講演会Rev】「MRSA感染対策は手指消毒など環境感染対策じゃ厳しく,やはり手術の工夫や清潔手技が大事」まあそうなんだけど環境感染対策を否定するかのようなニュアンスされても困る.日本ではMDRABもVREも環境感染対策の不十分さからアウトブレイクしたんだし

2012-09-16 13:35:14

草地先生の術後感染対策については外科治療 2011;105:148-52を参照

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【講演会Rev】ちょっと略語を使い過ぎたので解説をば.VCM:バンコマイシン.TEIC:テイコプラニン(タゴシッド).ABK:アルベカシン(ハベカシン).LZD:リネゾリド(ザイボックス).DAP:ダプトマイシン(キュビシン).RFP:リファンピシン(リファジン)

2012-09-16 21:47:11
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【講演会Rev】MSSA:メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(耐性化していない黄色ブドウ球菌).MRSA:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌.VISA:バンコマイシン低感受性黄色ブドウ球菌.hVISA:ヘテロVISA.VRSA:バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌.

2012-09-16 21:49:42
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【講演会Rev】2演題目は愛知医科大学大学院研究科感染制御学 三鴨廣繁教授『これまでに集積された基礎研究と臨床経験から学ぶキュビシンの位置づけ』45分間で百数十枚くらいスライドあったかもしれない.とにかく速い.2~3秒で過ぎていくスライドも多く文献は7割くらいしかメモできていない

2012-09-16 13:39:44
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【講演会Rev】DAP(ダプトマイシン;商品名キュビシン)はイーライリリー社が創薬したが,骨格筋障害で発売断念,その後,キュビスト社がDAPを復活させ,4mg/kg投与での安全性・有効性を示し,現在に至る.MRSAを始めとしてグラム陽性菌をtargetとした抗菌薬である

2012-09-16 13:46:20

小児におけるDAPの薬物導体・安全性・効果は確立されておらず,現時点では調査中である(Pediatr Infect Dis J 2008;27:330-4)このためIDSAによるガイドラインでもDAPに関する記載はない.

DAPは日本では2011年末から発売された薬剤であるが,米国では発売から10年が経過している.DAPはサイクリック・ポリペプチド系抗MRSA薬であり,水溶性・脂溶性の両方の性質を併せ持つ.DAPはCaを介して結合することによりミセル体を形成し,これが細菌の細胞膜に結合,貫通して菌体外のKイオンを排出させる.これにより,蛋白,DNA,RNA合成が阻害されて破裂・溶菌を惹起することなく菌を死滅させる.

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【講演会Rev】DAPはCaイオン依存的にグラム陽性菌の細胞膜に付着し,脱分極を起こすことで殺菌作用を示す.黄ブ菌の膜電位は30-60分で完全に脱分極に至る(AAC 2003;47:2538-44/JAC 2005;55:283-8)速い殺菌作用が特徴

2012-09-16 13:51:54

補足文献:菌量を1000分の1まで減少させる速さの比較ではVCMが約8時間であるのに対し,DAPは15-30分で達成する(Expert opin Invest Drug 2004;13:1159-69)

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【講演会Rev】DAPを作用させた黄ブ菌の形状を電顕で観察すると,溶菌といった一般的な崩壊ではなく,見た目はあまり変化しない.やや割線が入り細胞死が起こっていく(J Med Microbiol 1989;30:45-9)

2012-09-16 13:56:03
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【講演会Rev】LZDはサイトカイン抑制作用があるが,DAPはサイトカインストームに及ぼす影響は少ない(AAC 2006;50:2225-7)DAPのメリットであるかのような喋り方だったけど,サイトカインストーム抑える方がよくないか?菌クリアランスを邪魔しないという意味?

2012-09-16 13:59:48
⅃ЯAƎ⊿ @DrMagicianEARL

【講演会Rev】DAPは増殖期のMRSAに対して用量依存的に殺菌する(AAC 1991;35:1710-6)殺菌薬は静止期には作用しにくいとされるが,DAPは静止期の黄ブ菌にも作用する(AAC 2007;51:4255-60)注:アミノグリコシドも静止期にそれなりに作用する

2012-09-16 14:03:59
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【講演会Rev】DAPは4mg/kgで有効濃度に到達する(AAC 2003;47:1598)DAPはCmax/MICよりAUC/MICが妥当と考えられている(AAC 2004;48:63-8)AUC/MIC 438くらいを目指す(CMI 2006;12:599-601)

2012-09-16 14:07:56
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【講演会Rev】DAPのCPK上昇は投与間隔に依存する.Cmaxと相関はなく,AUCと相関性が高い(AAC 2000;44:2948-53)ただし,DAPのPK/PDはまだまだ数が少なく研究不十分である

2012-09-16 14:10:43
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【講演会Rev】DAPの感受性にはIやRが定義されておらず,MIC≦1がSとなっている.Canut Aらの報告(EJCMID)によるとDAPのMIC BPは0.5-1がグレーゾーン.三鴨先生「MIC 0.5では4mg/kg,MIC 1では8mg/kg必要」

2012-09-16 14:14:06
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【講演会Rev】DAPのMICの変遷(DMID 2011;70:412-6)これによると毎年MIC 0.25株が多いが,2009年だけ0.5株が多い.これは使用した培地が異なるのが原因だった.2009年だけCa濃度が低い培地であった.DAPの感受性試験は培地ごとにかなり差がある

2012-09-16 14:18:38
⅃ЯAƎ⊿ @DrMagicianEARL

【講演会Rev】Ca濃度で変わるDAPのMIC(AAC 2001;45:1919-22)同じ会社でもロッドでMICが違うこともある(臨床と微生物 2012;39:209-13)各培地のロッドごとにCaが違う(Clin Microbiol News 2010;32:161-9)

2012-09-16 14:27:36
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【講演会Rev】DAPの感受性試験はディスク法,寒天平板希釈法は推奨されない.E-test法ではCa濃度25-40mcg/mLのMHA培地がよい.微量液体希釈法ではCa濃度50mcg/mLの培地がよい.推奨はTREK社,栄研,VTTEKⅡ.特にTREK社製がよい

2012-09-16 14:31:55

 DAPの抗菌力はCaイオンに依存する.これはin vitroと実臨床の結果の乖離を説明する鍵になると同時に,in vitro抗菌力を評価する際の注意を示唆している.Caイオンが添加されていない培地では,DAP 4μg/mL添加後,当初は殺菌作用を示すものの24時間経過後には再増殖がみられる.そこで,抗菌力がCaイオン依存性であることに着目し,培地に十分量のCaイオンを添加したところ再増殖は認められず,良好な殺菌作用が示された(Hanaki H. 51st Interscience Conference of. AAC).
 通常,生体内ではCaイオンが十分に存在していると想定されることから,DAPによる抗菌活性が期待通りに発揮されると考えられる.

⅃ЯAƎ⊿ @DrMagicianEARL

【講演会Rev】DAPの耐性化リスク因子(CID 2007;45:601-8/Lancet Infect Dis 2009;617-24:)DAPの感受性の悪い株(ICAAC 2012 p2748)VCMとの交叉耐性というわけではない

2012-09-16 14:35:43
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