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dOCUMENTA(13) 関連の興味深いtweetまとめ

ベルリン在住のキュレーター渡辺真也さん( @curatorshinya )とニューヨーク在住のアーティスト齋木克裕さん( @ka2saiki )によるdOCUMENTA(13)の感想とそこから展開される現代美術についての考察を中心に興味深い内容をまとめました。
アート ドイツ 現代美術 カッセル キュレーション ドクメンタ documenta 現代アート
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Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya
今日カッセルでオープンしたばかりのドクメンタへと行く準備をしている。2002年に見たドクメンタは、私の人生に最大の影響を与えた展示で、その意味は今だに全く変わっていない。美術はこんなに凄いことができるんだ、私もやってみたい、当時22歳だった私は、率直にそう思った。
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya
ポストコロニアルをテーマとしたオクイ・エンヴェゾーのドクメンタ11に多大な影響を受けた私は、国民国家をテーマとしたAnother Expo展のシンポジウムを、ドクメンタに習ってプラットフォームと名付け、ニューヨークに続き沖縄から開始した。 http://t.co/vy87vyoc
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya
私の夢は、ドクメンタをキュレーションすること。できれば今から20年後の2032年、ヨーゼフ・ボイスの7000本の樫の木プロジェクト開始50周年となるドクメンタ17を、"Eur-Asia"というテーマでキュレーションして、現在まで分断されて来た西洋世界と東洋世界を繋いでみたい。
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya
ボイスは当初、ドクメンタでの樫の木プロジェクトをダライ・ラマとコラボレーションしようと試みたもの失敗し、結局ボイス一人で行った。82年のドクメンタで開始した7000本の樫の樹は87年のドクメンタで完成する予定だったが、ボイスは86年に亡くなり、最後まで見届けることができなかった。
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya
ボイスとパイクが、ユーラシアという一つの地平で繋がった大陸文化の夢を見てから、私達はそこに近づけただろうか?ボイスとパイクのイマジネーションに比べると、私達のそれは随分と縮小してしまった様に思う。美術こそ、夢や希望を語る場所にふさわしい。ぜひ私はドクメンタで夢を語ってみたい。
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya
ベルリン帰宅後、今だ醒めやらぬドクメンタの余韻に浸りながら、思索を続けている。特にJérôme Belの舞台作品Disabled Theaterが素晴らしくて、それについて考えてばかりいる。圧倒的な芸術の力を見せつけられ、鑑賞者としての私の心が白旗を揚げてしまった様だ。
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya
Jêrôme BelのDisabled Theatreを含むDocumentaのレビューはこちら。 http://t.co/notGRgkP
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya
連続ツイート「目に見えないものを感じること ドクメンタ13を巡って」
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya
(ド1)ドイツのカッセル市でオープンしたばかりの、5年に一度開催される世界最大規模の美術展ドクメンタ13を見て来た。今年のドクメンタは前評判が今ひとつだったのでどうだろうかと心配していたのだけれど、2002年のオクウィ・エンヴェゾーのドクメンタ11に匹敵する素晴らしい出来だった。
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya
(ド2)今回の展示の特徴は、テーマが明確に設定されていない点だ。展示に関する説明書きも非常に曖昧で、それがおそらく前評判の低さを招く要因になったと思うのだが、展示全体を見渡した後に、キュレーターであるバカルギエフ女史の壮大な試みが浮き上がって行く様な、巧みな構図になっていた。
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya
(ド3)戦争や革命を想起させるカイロやカブール等の都市があくまでも隠喩として扱われており、カブールをテーマとして、アリギエロ・ボエッティが1971年にカブールにオープンさせたOne Hotelから、マリオ・ガルシア・トレスやフランシス・アリスの新作へと繋げている辺りは見事だった。
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya
(ド4)緩やかにフェミニズムを感じさせる文脈からアボリジニの絵画、そして精神分析やセラピー風のインタラクティブ作品やキリスト教の異端とされたグノーシスへと、目に見えないものを扱った作品が展開されていた。終焉を迎えつつある近代をここまで大胆に逆照射するする展覧会は極めて稀だろう。
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya
(ド5)今回のドクメンタの最大の特徴は、1周10kmは下らない巨大な公園を初めて使った、屋外彫刻と展示小屋からなる美術館外のプロジェクトだ。その中でも特に印象に残ったのは、アピチャートポン・ウィーラセータクンの作品「The Importance of Telepathy」だった。
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya
(ド6)小道から脇にそれ、森の中にそびえるブンミおじさん風の巨大彫刻に近づいて行く途中、公園の中を風が駆け抜けた。すると彫刻を囲む四方の森のはるか遠くから、カラカラというベルの高音が聞こえて来る。この音はどこから?と周囲を見渡すと、周囲の木のてっぺんにベルが括られているのだった。
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya
(ド7)公園内の展示では、ヨーロッパの作家が小屋を立ててビデオプロジェクションをする等、環境を活かし切れない作品発表をしている中、アピチャポンはその環境を見事に活かして作品化しているのが印象的だった。そしてアジア出身の私には、彼の自然感覚とその試みが、とても良く理解できた。
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya
(ド8)また、iPodに収録されたビデオを見ながらバーゼル駅構内を歩き回り、ドイツにおけるホロコーストの歴史から、今ここという場所や自己を認識させるジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラーの作品は、まさに見事だった。ビデオというメディアを活かし切った演出も、心憎かった。

【訂正】×バーゼル駅構内 → ○カッセル中央駅構内

Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya
(ド9)シリアの革命における兵隊を撮影した携帯電話の映像と、その撮影者を射撃した様子をDouble Shootとして作品化したレバノンのRabin Mroueなども素晴らしかったが、最も印象的なのは、振付家Jérôme Belによる舞台Disabled Theaterだった。
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya
(ド10)司会者のアナウンスに従い、11人の男女が舞台上で順番に1分ずつ立ちすくみ、舞台を去る。続くアナウンスに従い、一人一人が自己紹介をした後に自分の障害について述べる。そこで観客たちは、この舞台に出ている役者たち全員が、ダウン症や学習障害を抱えた障がい者であることを知る。
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya
(ド11)「あなたの好きな曲に合わせて踊って下さい」という司会者のアナウンスに続き、彼らがソロダンスを披露する。そのダンスの見事さと自由度といったら、それは素晴らしかった!逆に、音楽に合わせて目一杯踊ることのできない「健常者」こそ、障害を抱えているのではないかと思わせる程だった。
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya
(ド12)染色体が1本多い為に引き起こされる先天性の疾患であるダウン症とは何か?そしてそれは何を意味するのか?それを障がい者として片付けてしまい、目に見えないものとして社会から排除してしまうことはどうなのか?等、多くのことを考えさせられる、素晴らしい演劇作品だった。
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya
(ド13)ドクメンタは本当に巨大な展示で、私は3泊4日かけて毎日10km以上歩いて、カッセル市内30カ所に広がった展示全体の8~9割程度を見て回るのがやっとだった。そしてほぼ全ての作品が新作のコミッションワーク、そして完成度が高い、というとんでもない試みが、見事に成功していた。
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya
(ド14)今年のドクメンタは本当に素晴らしい出来だった。ドクメンタが間違いなく、世界最高の展覧会であることを証明したと思う。今回のドクメンタ13のキュレーターを務めたキャロライン・クリストフ=バカルギエフに最大限の拍手を送りたい。
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya
以上、連続ツイート「目に見えないものを感じること ドクメンタ13を巡って」でした。
Aisuke Kondo |近藤愛助 @AisukeKondo
ドクメンタからベルリンに戻る。今回のドクメンタ、本当に良かった。愛というのかな。人間の根本的なところを捉えようとしたように思う。愛、争い、霊性、そんなテーマが母性的なものによって、最終的に一つに繋がるという感じだろうか。人間の営みを一つに総括しようとした視点を感じた。素晴らしい。
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