ナンシー関がタレントの流行り廃りを考える

世界文化社 ブックニュース（ナナ子） @sebun_digital

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【流行り廃り】物事の本質を見抜く、鋭い視点と愛のある毒舌が魅力だった故ナンシー関さん。その彼女が「タレントの流行（はや）り廃（すた）り」について語ると、こんな話に――。

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【流行り廃り2】テレビに出ているタレントは、文字通り流行り廃りに運命を委ねきっている。それでまたこの流行り廃りというもののメカニズムがわからないから厄介だ。

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【流行り廃り3】ただひとつ言えるのは、何を流行らせるか何を廃らせるかは、すべてテレビを見ている人＝世間のちょっとした気持ちでしかないということだ。

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【流行り廃り4】気まぐれな世間の胸三寸に、自らの存亡に関する言ってみれば決定権まで預けてしまっているのだから、テレビタレントというのもやくざな稼業である。

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【流行り廃り5】流行り廃りのメカニズムなんてのは解明できないに決まっているが、世間の気まぐれというものには、気まぐれと言いながらも多少のパターンがあるような気がする。

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【流行り廃り6】たとえば、確認が事態を進行させるということである。

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【流行り廃り7】「流行る」という現象を考える場合、そのブームがどんどん広がるということは、それが「流行っている」ことを確認した人間の数が増えていくということだと思う。

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【流行り廃り8】するとそこに、もともと「流行っているもの」がないのに、「へえ、○○って流行ってんだ」という確認だけを取るズルが生じる。

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【流行り廃り9】この情報社会でもこんな手を使うバカはいないだろうと思いきや、ちょっと形を変えただけで、原理は同じという作戦はまだまだ多く使われている。

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【流行り廃り10】たとえば「映画『タスマニア物語』（1990年公開）いよいよ公開！観客殺到!!」というニュースをあたかも他のニュースと同等の報道価値があるかのようにして出してくる『タイム３』（1988～93年、フジテレビ放送のワイドショー。「TIME3」のこと）もそうだ。（中略）

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【流行り廃り11】それでは「廃り」に関してはどうなのか。よく「あきられたから」という理由づけがあるが、もうひとつ「嫌われたから」というのがあると思う。

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【流行り廃り12】いつのまにか消える「あきられた」型に比べて「嫌われた」型は、“今、この人は廃れつつある”ことがブームになるとでもいうか、衆人環境の中で廃れていくのだ。

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【流行り廃り13】本当に廃れきるかちょっと不安だが、松田聖子がそうだと思う。まだ人気があるじゃないかと思うかもしれないが、それは「廃れていく松田聖子」人気である。

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【流行り廃り14】～『お宝発掘！ ナンシー関』（ナンシー関）より

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コラム、おわり。

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今ご紹介した元本のレビューがですね、ブクログに何件か上がっているのですが、なかなか興味深いです。『お宝発掘！ ナンシー関』みんなの感想・レビュー・書評 on ブクログ⇒ http://t.co/JFIWaHj2

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